水槽アイテム・生体紹介

60cm水槽のフィルター何使う?おすすめ紹介

水槽アイテム・生体紹介

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以前当ブログで30cmキューブ水槽のフィルター特集をしました。

今回はこれ同様に対象を60cm規格水槽にして色々なフィルターをご紹介するという内容です。

60cm規格水槽の水量

60cm規格水槽の水量は以下となっています。

水槽サイズ水量
30cmキューブ水槽30×30×30cm約25L
45cm規格水槽45×24×30cm約29~31L
60cm規格水槽60×30×36cm約59L

水量は45cm規格水槽の約2倍です。

30cmキューブ水槽を横に2つ並べたくらいの広さになり、様々な魚を飼育することが可能となっています。

フィルターの役目【3種類のろ過】

フィルターを選ぶときは前提知識があったほうがよいので、フィルターが行っている3種類のろ過についてご説明します。

フィルターは3種類のろ過を行っています。

  • 物理ろ過
  • 生物ろ過
  • 化学ろ過

これから詳細を述べますが、注意点としてろ過を行ってもpHの低下は防げないですし、硝酸イオンも何らかの方法で除去しなければいけないので、水換えは定期的に行いましょう。

物理ろ過

物理ろ過はフィルターに水槽の水を吸い込んでフィルターマットなどに小さなゴミを絡め取って物理的に水の不純物を取り除くろ過です。不純物は放っておけばフィルター内で細かく分解されていきますが、だんだんマットにヘドロのようになって溜まっていきます。これを定期的に掃除する必要があります。

生物ろ過

次が生物ろ過。エサの残りや魚の糞、水草の残骸などは水槽内のバクテリアに分解されてアンモニウムイオンになります。それは更に別のバクテリア(硝化細菌)によって「亜硝酸イオン」「硝酸イオン」と分解されていきます。

アンモニウムイオンは有毒ですが、硝酸イオンにまで分解されると毒性はかなり低くなります。この一連の「アンモニウムイオン」→「硝酸イオン」という変換を行うのが生物ろ過となります。

生物ろ過はフィルターのろ材に住み着いた硝化細菌(要するにバクテリア)などが行います。そのためどれだけたくさんのバクテリアをろ材に住み着かせられるかが大切です。水槽サイズが大きくなるほど魚の大きさと数が増える傾向にあるので、エサの量も増え、アンモニウムイオンも多く発生します。

つまりバクテリアがたくさんいないとアンモニウムイオンの分解スピードが遅くなり魚によくありません。そのため水槽サイズが大きくなればフィルターのろ材も多く必要になります。

生物ろ過に利用されるろ材は一般的に以下のようなものになります。ウールや多孔質素材でたくさんの空隙があり、そこがたくさんの表面積を稼ぐのでたくさんのバクテリアが住み着きます。

  • スポンジ(目が細かいほうが能力が高い)
  • リングろ材(セラミック、ガラスなど。多孔質)
  • ボールろ材(セラミック、ガラスなど。多孔質)
  • ウールマット
  • プラスチックろ材(キャビティシリーズやマカロニシリーズなど)

他にも「ゼオライト」や「活性炭」系のろ材もありますが、これらは次の「化学ろ過」で使うろ材で、生物ろ過も行いますが、どちらかというと化学ろ過の主体となって活躍します。

また生物ろ過の硝化細菌はろ材に住み着いて十分増えるまで2週間から1ヶ月程度かかります。その間発生したアンモニウムイオンをなんとかするために「高頻度水換え」や「ゼオライトで化学ろ過」を行い「繋ぎ」をする場合があります。

化学ろ過

最後が化学ろ過。これは水槽の黄ばみやアンモニウムイオンをろ材に吸着して、化学的に水槽から除去するろ過です。

アンモニウムイオンは活性炭による吸着能力が低く、ゼオライトで高い傾向があります。水槽立ち上げ初期の繋ぎをする場合ゼオライトが入ったろ材を利用する場合があります。

どちらかというと生物ろ過などの補助的な位置づけのろ過です。

立ち上げ初期に利用するなら、外掛けフィルターや外部フィルター、上部フィルターにゼオライトをろ材ネットに入れてフィルターマットの隙間やろ過槽の空いたスペースなどに詰めるといいでしょう。

またそれ以外のフィルターならゼオライト入フィルターマット入りの投げ込みフィルターを一時的に使うという手法もあります。

ゼオライトの量はどのくらいがいいのかと思われるかもしれません。目安としては以下のようになります。

・60cm水槽で500gを目安にご使用下さい。
・金魚鉢や30cm水槽では約250gを目安にご使用下さい。

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60cm水槽なら500gくらいで良さそうですね。

エアレーション

基本的に水草水槽でないならエアレーションはしたほうがいいです。投げ込みフィルターやスポンジフィルターなどのエアーリフト式のフィルターならやらなくてもいい場合も多いですが、外部フィルターや外掛けフィルターなんかは油膜対策でエアレーションすることをおすすめします。

外部フィルターで水草水槽をするなら夜間だけでもエアレーションしましょう。

必要なエアーポンプ、エアストーンは以下がおすすめ。

エアーポンプは水心SSPP-3Sがおすすめ。ちょっとお高いですがエア量調整機能付きでエアーをちょうどいい感じに調整できます。

エアーストーンはいぶきのものがいいと思います。泡が細かいです。

泡の細かさについて扱った以下の記事も参考にしていただけますと幸いに存じます。

60cm水槽おすすめのフィルター

60cm水槽は広いので、様々な選択肢が存在します。

私は60cm水槽にスポンジフィルター(テトラツインブリラントフィルター)と外部フィルター(テトラVX-60)を組み合わせてろ過と酸素供給を行っています。入っている魚はコリドラスステルバイ15匹くらいです。

あまり見た目はよくありませんが、魚たちは元気に生活できています。コリドラスは定期的に産卵しています。

つまり何が言いたいかというと、複数のフィルターを組み合わせるという選択肢もあるということです。

上の写真では外部フィルターとスポンジフィルターの組み合わせでした。

エアーリフト式のスポンジフィルターで酸素を供給し油膜も防止します。

さらに生体数が多いのでろ過槽の大きい外部フィルターで生物ろ過を強化しています。

このようにそれぞれのフィルターの良い点を組み合わせることも60cm規格水槽なら可能です。

これから色々とフィルターを紹介しますが、自分で良さそうな組み合わせを考えるというのも楽しいですよ。

外部フィルター

外部フィルターはろ過槽が大きく生物ろ過に強いフィルターです。ろ材にウールマットや活性炭マットを使うこともでき、カスタマイズ次第で物理ろ過も化学ろ過も可能となっています。

給水と排水の過程で水が空気に触れないので水草水槽で重宝します。

水草水槽の場合夜間は酸欠になりやすいので、別途エアレーションしたほうが良いと思われます。

なお外部フィルターには本体を水槽より下に設置してサイフォンの原理で通水するタイプ(要するに水槽台が必要)と、水槽の横に置ける横置き対応機種が存在します。水槽のすぐ横に置きたいなら横置き対応機種を使わないといけません。サイフォンタイプを横置きするとエア噛みという異音が定期的に聞こえる場合があるので、選ぶときは水槽の下に設置するか横に設置するか考えてから適切な機種を選択しましょう。

テトラの外部フィルター

60cm水槽用の外部フィルターのおすすめの一つ目はテトラVX-60。

ろ過容量4Lと大容量でろ材コンテナ付きで他の外部フィルターよりちょっと安い。我が家でも使っています。

もしもう少しろ過を強化したいならVX-75もおすすめ。

VX-60だとろ材コンテナが2つのところ、VX-75なら3つ付いてくるので、より多様なろ材の組み合わせが可能となっています。ろ過容量も5.8Lにアップしています。流通が多いのか、VX-60と同じような値段で売られている場合も多いです(2025年1月26日時点)。

エーハイム

次がエーハイムのエココンフォート2234。

ちょっとお高いですが、呼び水もこの機種だけで簡単にできますし、同じエーハイムのクラシックフィルター2213などにはない複数のろ材コンテナ付きで使いやすくできています。コンテナは3個。ろ過容量は4.0Lとなっています。

エココンフォートシリーズがちょっとお高いと感じたらクラシックシリーズも普通に使えておすすめです。

定番中の定番の2213はいかがでしょうか。ろ過容量は3Lくらいです。

2213は昔からある定番商品です。ろ材コンテナは一つですが、ろ材ネットを複数使えばメンテナンスはそれほど大変ではありません。

複数ろ材を組み合わせるなら細目ちびネットを使うといいでしょう。

サブストラットプロなどのボール型ろ材をたくさん入れるならミドリネットが良いでしょう。

GEX

GEXのおすすめはメガパワー6090。

ろ過容量5.0Lで、コンテナは3つ。通水用のモーターを水槽内に設置する設計で60cm水槽対応で横置きができる点が貴重です。

外部フィルターのおすすめろ材

多孔質なら基本的に問題ないです。以下コスパの良いものをご紹介します。

まず熱帯魚通販大手のチャームから販売されているグラスリング。

性能もそれなりにあり、1Lに対する価格が安いです。

次がコトブキのセラミックリング。

我が家では500mLタイプを外掛けフィルターに入れて使っています。普通にアンモニウムイオンを分解してくれています。

次がキャビティ。

プラスチック製のヒダヒダのついたボールみたいなろ材です。通水性とゴミのキャッチに優れ、生物ろ過も行います。軽いのでメンテナンス性も良いです。これだけをビッシリ詰めてもいいですが、リングろ材やウールマットと組み合わせたほうが何かといいと思います。コスパの面でも。

他にもろ材は色々あるので、気になったらcharmなどで検索してみると良いでしょう。楽天市場店ならポイントも付きます。

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外掛けフィルター

60cm水槽に外掛けフィルターは使えるのか、と疑問を持たれるかもしれませんが、水槽サイズに適したタイプを選べば使えます。

なお、外掛けフィルターは基本的にフィルターマットを定期交換することになります。

掃除の仕方なら以下も参考になるかもしれません。

また改造と呼ばれる、フィルターマット部分のろ材変更する手段を利用することで、生物ろ過を強化することも可能です。

外掛けフィルターは酸素を供給できますが、油膜対策でエアレーションしたほうがいいでしょう。

またどうしてもろ過の過程で飼育水が空気に触れてしまうので水草水槽には不向きです。できないことはないでしょうけど、多少CO2は無駄になるでしょう。

ただ、外部フィルターよりかなり安価にフィルターを入手できるので、予算がなくてもアクアリウムを楽しみたいというときは重宝するでしょう。

テトラ

テトラの外掛けフィルターはホームセンターでも取り扱っている店が多く、私もよく使う性能もちゃんとした製品となっています。

60cm水槽ならAT-60かAT-75Wがおすすめ。

AT-75Wならろ過槽が2倍になってろ過力が上がります。片方のろ過槽だけ改造するという方もいるようです。全部のろ過槽に外部フィルターのろ材を詰めるときはリングろ材だと重くなりすぎて水槽が割れたりシリコンが剥がれる可能性がゼロではないので、キャビティなどのプラスチック系の軽いろ材を入れるか、片方だけリングろ材を入れるとか工夫しましょう。

キャビティ以外のプラスチックろ材としては、ZOOX バイオメディア ライト スタンダードというものもあります。要するにキューブ型の多孔質スポンジです。軽いので外掛けフィルターとの相性も良いでしょう。ネットは最初から入っています。ちなみに我が家では外部フィルターに入っています。

ちなみにATシリーズの何がいいかというと、水中モーターが水槽内にあることで、呼び水が不要という点が挙げられます。

これからご紹介するGEXの製品は呼び水が必要な製品もあり、安いですが使いやすさではテトラに軍配が上がる場合も多いと思います。

GEX

GEXの外掛けフィルターはいくつかラインナップが存在します。

まずは呼び水が必要な製品。

普通の外掛けフィルターです。呼び水が必要な点以外はテトラのATシリーズと大差ありません。それでいてテトラ製品より比較的安い傾向があります。

次がスリムフィルターDC-X L4。

この製品の特徴はろ過槽が薄いため水槽の奥にスペースが無くても設置しやすい点、水中モーターが水槽内にあるので呼び水が不要という点です。薄いのでろ過槽が小さく、改造はちょっとしにくいです。やろうと思えばできますけどね。

コトブキ

コトブキプロフィットフィルターBig最大の特徴はその大きさ。Bigと付いているだけあり、とてもろ過槽が大きいです。60cm水槽でも十分ろ過をしてくれるでしょう。一応公式推奨ではパワーリングミニという同じコトブキのろ材が入るようにできています。お好みで改造すると良いでしょう。とにかく大きいので重いろ材を入れすぎてガラスを割らないようにだけ注意してください。

スポンジフィルター

60cm水槽になると、スポンジフィルター1個で足りるのか、と思われるかもしれませんが、適切なスポンジフィルターを選択すれば、スポンジフィルターだけでもなんとかなります。

エアレーションも同時にできるものがほとんどなので、その点でも役に立つフィルターです。またかなり安価です。

もしろ過が不安なら我が家のように外部フィルターを入れるとか、改造した外掛けフィルターを入れるとかすれば問題は解決するでしょう。

エアレーション前提がほとんどなので、水草水槽ではCO2が逃げやすくて不利となります。できないことはないですが、外掛けフィルター同様それなりにCO2は無駄になります。

テトラ

テトラのスポンジフィルターは私も昔から使っている信頼と実績のある製品です。

一番の特徴はスポンジ。適度に通水性があり非常に目が細かいのでろ過バクテリアもたくさん住み着きます。

交換用スポンジをアクアショップなどで入手しやすいのも運用の面で重宝します。

60cm水槽ならテトラ ツインブリラントフィルターがおすすめ。

エアーポンプで駆動するので、エアーポンプが必要です。

水心SSPP-3Sはちょっとお高いけど人気のある製品です。

特徴はエア量調整ダイヤル付きで、弱く絞れば抜群の静音性が得られます。

スポンジフィルターにはこの最弱設定のエア量で十分なので、スポンジフィルターとの相性が良いです。

エアーチューブも買っておきましょう。

LSS研究所

テトラのスポンジフィルターよりちょっとお安くて性能も十分と言われているのがLSS研究所のスポンジフィルター。

70Lまで対応とあるので、59L程度ある60cm規格水槽なら十分でしょう。

次がLS-100S。こちらは投げ込みタイプ。重りが入っていて、水槽の底に沈めて使います。100Lまで使えるので60cm水槽でも十分です。

90cm水槽とかでサブフィルターとしてろ過の補強目的で使う人も多いです。正直100L対応なので、「これだけで良くね?」ってなりますが、私なら水中ポンプを追加して水面付近の横方向の流れを追加してろ過された水が横方向に循環するようにしますね。このフィルターは基本的に上にエアーを吐き出すので、フィルター近辺の上下の水の循環はできるのですが、横方向に流れができないので、フィルター近辺だけろ過してしまうみたいな懸念があります。もちろん琉金とかメダカなら下手に水流を作らないほうがいいので、水中ポンプはいらないですけど。

参考までにご購入するならこの辺りでいいでしょう、という吐き出し量の水中ポンプをご紹介しておきます。なお水中ポンプはたいてい50Hz用と60Hz用が分かれているので、購入するときはご自分の地域の電気の周波数が50Hzか60Hzか確認してからご購入してください。

ご紹介するのはエーハイム コンパクトオン300です。

まず60Hz用。

次が50Hz用。

この製品はそれなりに安く、適度な水流を作ってくれます。45cm水槽でプレコ用に使っていますけど、結構洗濯機状態になるので、60cm水槽でも水の循環目的なら十分と思われます。

投げ込みフィルター

投げ込みフィルターはエアーリフト式でエアーポンプと一緒に使います。

メリットは安価である点。デメリットは60cm水槽をすべて投げ込みフィルターでまかなうなら大きなサイズが必要になり、水槽の中で場所を取るので魚の遊泳スペースが減るという点とマットが消耗品という点。

ただ例えばロカボーイMなら「ストロングスポンジ」というのが売っていて、それを使えば耐久力が大幅に上がるので長期間スポンジを使用することができます。

また60cm水槽に使える投げ込みフィルターはそれなりに大きいので純正のろ過マットの変わりに外掛けフィルターの改造みたいにリングろ材をうまく詰め込むような方もいるようです。

上の記事で扱っていますが、付属のろ過マットをゆすぎながらそれなりの期間使うことは可能です。

60cm規格水槽でもサイズが合っている製品を使えば投げ込みフィルターでもいけますので、とにかく安価にろ過を行いたいというときに検討してみてはいかがでしょうか。

GEX

私がよく利用しているのがGEXのロカボーイシリーズ。

水作エイトという有名な投げ込みフィルターもあるのですが、ロカボーイは蓋の爪が外しやすくて洗いやすいので私はロカボーイを愛用しています。

60cm水槽ならロカボーイMがおすすめ。

パワーアップパイプを使えば水流が横方向になるので、横方向に水が循環して水槽内の水のよどみが減り、まさしくパワーアップします。

パワーアップパイプも300円くらいでAmazonで購入可能なので(2025年1月25日時点)、検討してみてはいかがでしょうか。

またろ材をストロングスポンジにすれば長期間一つのろ材を使い続けられます。

ストロングスポンジ唯一の懸念が「スポンジの目が粗い」という点。粗ければそれだけスポンジの表面積が減るので、ろ過力が落ちるのでは?と考えますよね。

正直気になるなら上で紹介したLS-100Sでいいと思います。スポンジの表面積では明らかにLS-100Sが勝っています。

ただストロングスポンジで45cm水槽の亀飼育をした検証動画によると、ロカボーイMにストロングスポンジの構成でアンモニウムイオンがほぼ検出されないくらいろ過できているので、魚が過密でエサの量が多すぎるという状況でないならストロングスポンジと60cm水槽の組み合わせでもそれなりに行けると思います。

ただ60cm水槽で実験したわけではないので、試薬でアンモニアを測りながらやったほうがいいと思います。ストロングスポンジのみを使う場合は自己責任でお願いします。

水作

水作エイトという投げ込みフィルターも有名です。ロカボーイの純正ろ過マットよりは耐久力があります。

60cm水槽なら水作エイトコアLがおすすめ。

パワーアップパイプの水作バージョンもあります。

ただこれだとエアーが水面で放射状に広がるのでメダカや琉金なんかだと強い水流ができにくくて良いのですが、水槽内の水の循環と考えると若干懸念があります。その場合はロカボーイのほうがいいかもしれませんね。ただメダカや金魚を60cm水槽で飼いたいなら光る製品です。

上部フィルター

上部フィルターのメリットはろ過層が大きくろ過力が高いという点と安価であるという点。デメリットは水槽の上半分を上部フィルターが占めるので影になり、光が単純に半分になってしまう点と基本フレーム水槽に使うという点。

水草水槽だと水槽の前面には光が届きますが、後ろの方には高光量を求める水草が植えられません。

水草水槽ではないなら特に問題はありませんが、水槽に重いろ過槽を乗せるという特性から、フレーム水槽に使うのが基本です。フレームレス水槽だと耐久力の面で不安です。無理やり乗せてガラスが割れるとかも考えられるので、上部フィルターを使いたいときはフレーム水槽を使ったほうがいいと思います。まあフレームレス水槽でもできないことはないと思います。フレームレス水槽に使う場合は自己責任でお願いします。

最近の上部フィルターはフレームレス水槽対応のものが多いので、どうしてもフレームレス水槽に使いたいなら自己責任で使ってみてください。

GEX

GEXの上部フィルターおすすめはデュアルクリーン600です。

普通の上部フィルターです。価格は2,645円程度となっています(2025年1月26日時点のAmazon価格)。

ろ過マットなども標準で付属するので、買ってきてセットして電源を入れればすぐ使えます。

一応フレームレス水槽にも使えるとあります。ガラスの強度的な不安はありますが、できないことはないようです。

コトブキ

トリプルボックス600は60cm水槽に使える普通の上部フィルターです。

フレームレス水槽にも使えるようです。ろ材も最初から付いてきます。

底面フィルター

底面フィルターはかなり安価にフィルターを入手でき、ろ過力もそれなりという製品です。

デメリットは「掃除しにくい」「砂利かソイルにしか使えない」という点。

まずメリットであるろ過力。底面フィルターはフィルターの上に砂利やソイルを敷いて使います。

フィルター排水口から水を出す過程で底床に通水し、底床に繁殖したバクテリアがろ過を行います。

底床全体がろ材になるので、ろ過力は結構あります。またエアーリフト式の駆動を選択すればエアレーションも同時にできます。

次にデメリット。普段のお手入れは水換えのときに砂利にホースを刺してゴソゴソゴミを吸い取ります。これがソイルだとソイルが崩れてあまり掃除できません。ソイルの隙間に吸い込んだゴミが溜まっていきます。

ソイルは定期的に交換するものなので、そのとき一緒に掃除すればいいやとなるかもしれませんが、コスパは悪いです。

またフィルター内に砂が入り込むので、砂系の細かい底床で使うのは難しいです。目の細かいネットでフィルターを包むという方法もありますが、少しずつネットをすり抜けて内部に砂が蓄積していき、結局砂を全部ひっくり返してフィルター掃除をするハメになりがちです。

そしてフィルターの本体部分は非常にパカッと開きにくい。中を掃除しようにもギッチリ閉じてあるのでドライバーで傷つけながら格闘するハメになります。

安価にそれなりのろ過力を手に入れたいならメンテナンス性は微妙ですが選択肢に入ってくるでしょう。

水作

水作ボトムフィルターMは60cm水槽対応の底面フィルターです。

特徴としては水作のパワーフィットプラスという水中フィルターと組み合わせることが可能で、これだとエアレーション稼働ではないためCO2が逃げないので、水草水槽に向いています。安価に水草水槽を運営できる水中フィルターだけでろ過しようと思うと大きなモデルが必要になってしまい、水槽内が狭くなりがちですが、底面フィルターと組み合わせることで底床という大きなろ材が使え、水中フィルターのメリットであるCO2が漏れにくいという利点も活かせ、なおかつ小さな水中フィルターで良いので組み合わせるとかなりパワーアップします。

GEX

GEXマルチベースフィルターLも普通の底面フィルターです。

水作同様水中フィルターとの接続が可能で、水草水槽のろ過力強化に役立ちます。

ニッソー

ニッソーバイオフィルターはエアーリフト駆動の定番底面フィルターです。

水中フィルターとの連結などは前提に作られていないようですが、エアーリフト式で通常の使い方をするなら十分な性能です。

チョイス

チョイスから出ているF.cubeは底面フィルターの掃除しにくいというデメリットをかなり改善させた製品です。

これ単体で使うと60cm水槽全体をカバーするのは難しいですが、例えば砂利を敷いている水槽にソイルの要素を追加したいというときなどに重宝します。

ソイルをこのフィルターに詰めて底面ろ過をする、そして60cm水槽なのでこれを設置する場所がある。するとどうなるかというと、ソイルの弱酸性の軟水化作用を享受しつつ、底床には砂利を敷くことが可能です。ベアタンクでもいい。

しかも掃除するときはこのユニットごと簡単に取り出せて、またソイルを詰めて水槽に投げ込めば良い。

掃除のたびにソイルや砂利をひっくり返さないと中が詰まっていく通常の底面フィルターのデメリットがかなり改善されます。砂利を敷けばホースでガシガシ砂利から汚れを吸い出すことも可能となります。

例えばエビ水槽なんかでは弱酸性のほうがいいので、掃除しやすさと弱酸性化のメリットを両方享受できるということになり、かなり使える製品となっています。

専用台を使うと下にスペースを作ることも可能となり、コリドラスなどの水底に遊泳スペースが必要になる魚が広々と泳げます。掃除のしやすい底面フィルターという立ち位置は何かと有益です。あくまでサブフィルターとしてですがね。これだけで使わずに何かしらのフィルターと組み合わせたほうがろ過力の面では良いでしょう。

水中フィルター

水中フィルターは外部フィルターを使わずに安価に水草水槽を維持したいというときに選択肢に挙がってくるフィルターです。

小さい水槽向けの製品が多く60cm水槽には単体で使用するのは難しい面がありますが、外部フィルターのサブフィルターと連結できたり、底面フィルターと連結できたりするので、60cm水槽の補強という面で使える製品となっています。

テトラ

テトラの60cm水槽向けの水中フィルターはサイレントフレックスとなります。

これ単体で60cm水槽対応です。ただし、私はミニタイプを付属のアタッチメントを利用してホースに接続し、外部フィルターのサブフィルターを使っていました。

この構成だと、通常のエーハイムのクラシックフィルターは水槽の下にしか設置できませんが、給水がサイレントフレックスの水中モーターになり、水槽の横に置ける状態になります。

またホースに繋げばクーラーなどの動力に使うことも可能です。以下の動画はミニタイプですが、通常のサイレントフレックスでも使えると思います。ホースの径が合わなければ色々な変換コネクタも売っていますしね。

なおキスゴムで水槽の角に設置するのですが、この隙間に魚が入り込んで弱るという話をたまに聞くので、ご自身でスポンジを詰めるとか工夫が必要かもしれません。

GEX

イーロカはどちらかというと上のテトラのように外部フィルターやクーラーの水中ポンプとしての役割で重宝すると思います。

これだけで90cm水槽まで行けるとあるので、私は試したことがありませんが、チャレンジするなら自己責任でお願いします。

水作

底面フィルターのところで登場したパワーフィットプラスのPRO向け製品です。60cm水槽まで対応で、付属のろ材ケースに自分好みのろ材を詰めることが可能となっています。

例えばここにサブストラットプロなどを詰めれば生物ろ過が大幅に強化されます。

サブストラットプロは高いよというときは、もう少し量が少ないものも売っています。

コーナーに設置するので投げ込みフィルターのようにコリドラスの遊泳スペースが無くならないのもいいですね。

飼いたい魚別60cm水槽おすすめのフィルター

ここからは魚別に60cmで飼うならこのフィルターがいいんじゃないかな、という話をします。

なお飼い方は人それぞれで今回の構成がベストとは言い切れません。あくまで一つの目安として参考にしていただければと思います。

また飼育難易度が高い魚は今回扱いませんでした。代表的な魚を60cm水槽で飼うならどういうフィルターがいいかという話となります。

グッピーやプラティ、カージナルテトラ

60cm水槽でこれらの魚を飼育するなら正直「なんでもいい」です。

外部フィルターでも投げ込みフィルターでも飼えるでしょう。

コストをかけていいなら外部フィルターにすると良いでしょう。ろ過力が高く、水草水槽との相性も良いです。

カージナルテトラを群泳させたりすると、水草水槽にしたくなるので、水草水槽と相性の良いろ過力の高い外部フィルターならよりカージナルテトラやグッピーが映えると思います。

もしコストを抑えて飼育したいならスポンジフィルターを選択して、ロカボーイのストロングスポンジを入れておけばろ過とエアレーションが同時にできて良いと思います。これだけでも物理・生物ろ過ができるので十分です。濁りが強いならロカボーイのゼオライトマットなどを使えばゼオライトと活性炭が入っていてちょっと時間はかかるかもしれませんが透明になりやすいと思います。

その場合エアーポンプの吐き出し口が2つ必要になるので、分岐弁を使って分岐させるといいでしょう。

分岐させるとエアーの量も半分になるので、エア量調整ダイヤルのある水心のSSPP-3Sを使うといいかもしれません。ちょっと強くすれば2つのフィルターに使えるでしょう。

小型プレコ

小型プレコとして60cm水槽に入れたいのがペコルティア系の縞模様のプレコ。

キンペコと呼ばれるキングロイヤルペコルティアが有名ですが、他にもクイーンインペリアルタイガープレコなんかもきれいでいいですね。

ただ高いのでお財布に余裕がないけどたくさん飼育したいならタイガープレコがいいでしょう。地味な色ですが、この隠れがちな魚をちゃんと「見える」レイアウトにすると、隠れているところが観察できて楽しいです。

小型プレコの飼育方法は以下にまとめてあります。ご一読ください。

肝心のフィルターですが、プレコには水流が必要という性質から、コストをかけていいなら外部フィルターの強力なやつを選択します。

もし低コストで運営したいなら、外掛けフィルターを改造して、水中ポンプを追加します。

コンパクトオン300では45cm水槽でちょうどよいくらいなので、60cm水槽ならワンランク上のコンパクトオン600が良いでしょう。

レインボースネークヘッド

30cm水槽の記事ではそのポテンシャルを狭すぎて活かしきれないスネークヘッドですが、60cm水槽なら悠々と泳げます。

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肝心のフィルターですが、資金に余裕があるなら外部フィルターがいいでしょう。アカムシなんかを与えることになり、基本的に飼育水が汚れます。それをろ過しないといけないので、ある程度ろ過力が必要です。

呼び水簡単でろ過コンテナも3つあり、ろ過力も高いです。エココンフォートシリーズにはこれより一つ小さい2232というものもあるのですが、スネークヘッドの水の汚れ具合もあるので2234を選択するといいと思います。

低コストで運営したいなら、上部フィルターがいいんじゃないでしょうか。

上部フィルターが金魚飼育で重宝されるのはろ過力の高さとコスパです。金魚はたくさん食べてたくさん糞をするのでろ過力が必要なのです。

同じ理屈で飼育水が汚れがちなスネークヘッドに上部フィルターを使うといいんじゃないかと思います。

水草水槽にすると上部フィルターでは水槽の水面の半分に光が当たらなくなるので、そのときは外掛けフィルターを改造するか、頑張って外部フィルターにするといいでしょう。

金魚

金魚もどんな金魚を飼育するかで選択肢が変わります。

琉金やらんちゅうなどの丸い金魚なら強い水流が悪影響を与える(水流でふらついて体力を奪われる)ので水流を弱めたり、そもそも水流が出にくいフィルターを選択します。

外部フィルターを使いたいなら以下の記事にまとめてあるのでご一読ください。

一番コスパがいいのは上部フィルターです。

金魚に上部フィルターは定番の組み合わせです。ろ過力も高く、フィルター代も安く済みます。それでいて吐き出し口の水流がそれほど強くないので金魚との相性が良いのです。

正直ロカボーイでも飼育可能です。

コリドラス

60cm水槽ならたくさんコリドラスが飼育できます。10〜15匹くらい入れても大丈夫です。

ステルバイは結構品薄みたいな状況なので、ベネズエラオレンジなんかも私は最近飼っていますね。

我が家の構成はこの記事冒頭で説明したようにVX-60とテトラツインブリラントフィルターです。エアレーションもかねてのスポンジフィルターと生物ろ過強化のための外部フィルターです。

やはり外部フィルターが一個稼働しているというのは安心感が違いますね。スポンジフィルターだけで一応カタログ的には十分なのですが、いかんせん15匹いますからちょっと「これでいいんだろうか」みたいに感じることがありました。外部フィルターを入れることでかなり安心して水槽を眺められるようになりました。

なんとなく水流は強くなくていいかな〜と思ってナチュラルフローパイプに繋いでいます。

スポンジフィルターは昔から使っているテトラのツインブリラントフィルター。

正直これ一個で60cm水槽は行けるんですけど、一応生体数が多いので補強的に外部フィルターを入れています。

当ブログではコリドラスの繁殖なんかも扱っています。まだまだプロのレベルは遠く彼方ですが、一応初期育成まで(体長1cmくらいにする段階まで)は安定して育てられるようになってきました。

コリドラスの育て方は以下の記事も参考にしていただけますと幸いに存じます。

まとめ【60cmおすすめのフィルター】

今回は60cm水槽に使うフィルターを網羅的に解説しました。

各フィルターともライナップから60cm水槽可のフィルターを選べば大抵はなんとかなります。

60cm水槽は比較的大きな水槽なので、色々な構成にできます。

今回の記事で概要を掴んだらご自身で構成を考えてみるのも楽しいと思いますよ。

結局見た目とか予算で決まってくる感じではありますね