水槽アイテム・生体紹介

水草水槽のフィルターは何がいい?外部以外のおすすめも紹介

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今回は水草水槽のフィルターは何がいいのか、外部フィルター以外に選択肢がないのかという話題に関する解説です。

水草水槽と言ったら外部フィルターです

基本的に本格的な水草水槽をやるなら外部フィルターが優れています。

  • CO2が逃げにくい
  • 水槽内にろ過槽が無いので、水槽にたくさんレイアウト素材(水草や石や流木)を入れることができる
  • ろ過力が高いので魚を入れていても安心

CO2はろ過フィルターがろ過する過程で吸い込んだ水が空気に触れると逃げてしまいます。

簡単に言うと水に気流が当たるとそこからCO2が逃げていくという理論があり、フィルターを流れる水が空気に触れると相対的に空気が流れているのと同じ状態になり、CO2が逃げてしまうのです(以下の参考1と2より)。

参考1:津守 博通, 杉原 裕司, 増田 章, 風波気液界面を通しての二酸化炭素交換量の測定, 海岸工学論文集/50 巻 (2003)

参考2:遠藤 徹, 今吉 紘頌, 原田 範子, 水質連続モニタリングによる大和川河口域におけるCO2交換特性の把握, 土木学会論文集B2(海岸工学)/75 巻 (2019) 2 号

外部フィルターは水中で汲み上げた飼育水が空気に触れずにフィルター内に送られて、空気に触れずに水中に戻されるのでCO2の放出が「あまり」ありません。

「あまり」と書いたのは、吐き出し口が水面近くだとそこに流れができてそこからCO2が逃げるからです。水草水槽では吐き出し口をやや水面より下にするのがベターです。

また外部フィルターだと水槽内が広く使えるというのもメリットです。

ろ過槽が水槽外にあるので、水槽内にたくさんの素材を入れることができます。

そして外部フィルターのろ過槽に相当するあの大きなバケツを見ればわかるように、ろ材がたくさん入るのでろ過力が高いです。水草水槽には魚を入れますから、ろ過力が高ければ魚の健康にもプラスに働きます。

以下おすすめの外部フィルター特集です。30cmキューブ水槽、45cm規格水槽、60cm規格水槽別におすすめの外部フィルターをご紹介しています。

水槽の横に外部フィルターを設置したい場合はそれ専用の機種が必要です。

外部フィルターのデメリット

とはいえ外部フィルターは完璧なフィルターかというとデメリットもあります。

  • 高額
  • 水漏れ
  • メンテナンス性悪い

なんと言っても外部フィルターは高額です。他の外掛けフィルターとか上部フィルターに比べて水漏れ対策のために厳重にシーリングしないといけないので、水が漏れないように作りが厳重になって高額になってしまいます。

またホースも適切に格納しないと、グラグラ毎日動かすような状態では簡単に水漏れします。

一度置いて水漏れしないならホースには極力触らないような運営が求められます。

さらにメンテナンス性も他のフィルターよりは面倒です。フィルターを止めて、ろ過槽をバケツや風呂場に持っていって蓋を開けないと床が水浸しになります。その過程でホースを触りすぎると再セットしたら水漏れ…なんてことも結構あります。

これらの問題点から外部フィルター以外のフィルターを選択するというのも一つの方法となります。

外部フィルター以外に水草水槽で使えるフィルター

ここからは外部フィルター以外で水草水槽に使えるフィルターをご紹介します。

水中フィルター

水中フィルターはろ過力がそれほど高くはないですが、60cm水槽までなら使える機種が存在するので外部フィルターの代替になるフィルターです。

水中フィルター特集も過去にやったのでそちらもご覧ください。

まず水中フィルターのメリット。

  • CO2が逃げにくい
  • 水漏れの心配皆無
  • 静音
  • 安価

まず水中フィルターは水中で吸い込んだ飼育水が水中でろ過されて、水中に吐き出されるので、ろ過の過程で飼育水が空気に触れにくいです。

そのためCO2の漏れが少なく、水草水槽に使えます。

またフィルター全体がすべて水槽の中にあるので、水漏れする心配がありません。

そして水中モーター方式で水を吸い込むのでエアーリフト式の投げ込みフィルターなどよりかなり静音です。

外部フィルターも結局駆動には水中モーターを使うので静音性では水中フィルターも外部フィルターも変わりません。

さらに外部フィルターより基本的に安価です。

しかしながら水中フィルターには弱点もあります。

  • ろ過力は外部フィルターより劣る
  • 水槽内が狭くなる
  • フィルターを隠すのが難しいのでコンテストに出すような水草水槽には不向き

外部フィルター並のろ過力を得ようとするとどうしてもフィルター本体を大きくするしか無く、そうなると魚の遊泳スペースが減るので本体を大きくできません。

ただ水中フィルターの適合水槽の水量、つまりフィルターごとに設定している水量の目安を守って適切なモデルを選択すれば60cm水槽くらいまで使える水中フィルターもあります。ろ過力も適合水槽の水量を守ればそれほど心配いらないです。

水草水槽では魚を大量に入れるということは少ないので水中フィルターのろ過力でも十分と思われます。

しかしながらデメリットがあって、それはフィルター本体が水中にあるので水槽内が狭くなり遊泳スペースが減る点と、フィルターを隠すのが難しいのでコンテストに出すような本格的な水草水槽には不向きという点。

45cm水槽、30cmキューブ水槽あたりにインテリアとしてではなく、「水草を育成する」という目的で導入するのがいいかと思います。

以下水槽サイズごとにおすすめする水中フィルターをご紹介します。

水槽サイズ水量
30cmキューブ水槽30×30×30cm約22〜24L
45cm規格水槽45×27×30cm約29~31L
60cm規格水槽60×30×36cm約59L

30cmキューブ水槽〜45cm規格水槽までならサイレントフレックスミニがおすすめです。

45cm水槽まで対応し、ろ過マットも外掛けフィルター用としてホームセンターなどでも流通しているバイオパックジュニアが使えます。

また付属のアタッチメントを利用することで、水槽用クーラーと連結することもでき、ろ過を行いながら水槽用クーラーを使うことも可能です。

60cm規格水槽ならスペースパワーフィット[PRO]L2が良いでしょう。

55Lまで使えるので60cm規格水槽に使えます。

ろ過槽も比較的大きく、付属のろ材ケースに自分でサブストラットプロなどを詰めることも可能です。

もう少し少ない容量で販売されているものもあります。

その他小型水槽向けの水中フィルター特集なんかもやっています。小型水槽で水草水槽をやりたい時の参考にどうでしょうか。

底面フィルター(水中ポンプ駆動)

底面フィルターの中にはエアーリフト式ではなく水中ポンプで駆動するタイプと水中フィルターと連結して駆動するタイプが存在します。このタイプなら循環する水が空気に触れにくいのでCO2が逃げにくいです。

メリットは以下となっています。

  • 底砂を大量に敷けばろ過力はかなり高い
  • 水中フィルターのろ過力不足を補える
  • 魚の遊泳スペースを邪魔しない(水中ポンプ駆動式の場合)

底砂全体がろ材になるのでろ過力は砂を大量に敷けば強くなります。

また水中フィルターは大きくないモデルを選んで底面フィルターと連結すれば遊泳スペースをあまり圧迫せずに水中フィルターと底面フィルターのダブルろ過でろ過力が十分になります。

また水中フィルターと連結せず付属の水中ポンプ駆動タイプを選べば遊泳スペースがさらに広くなります。

デメリットは以下となります。

  • 水草が成長してきて根がよく張った状態になると目詰まりする
  • 水中フィルターとの連結方式の場合水中フィルターが水槽内で結構場所を取る
  • 細かい砂系の底砂が使えない(フィルターのスリットから砂が落ちてしまう)

まず底床を利用してろ過するので、そこに水草の根が侵入します。そしてよく水草が茂ったなあくらいのタイミングで根が飽和状態になって底面フィルターが目詰まりし、水草掘り返しとか底砂のソイルのリセットとなります。

ここがあんまりよくないんですよね。ちょうどいいタイミングでリセットになるので。

あまり根を張らない水草を選べば回避できますけど、そうすると育成できる水草の種類がかなり限定されてしまってあんまり楽しくないです。

基本的に水草水槽をやりたいなら水中フィルターだけで水槽を回したほうがいいと思います。今回はあくまでこんなこともできるよ、という内容で解説しています。

30cmキューブ水槽なら以下の水中ポンプ式がいいでしょう。

45cm規格水槽〜60cm規格水槽なら以下の製品がおすすめ。

ニッソー マイクロパワーは水中ポンプが水面付近に付いているので、メンテナンス性が良いです。たまに底板の高さに水中ポンプがあるモデルがあるんですけど、これだとメンテナンスのたびに砂を掘り起こさないといけないのです。

次が水中フィルターと底面フィルターの連結をする場合。スペースパワーフィットプラスSを使います。

ボトムフィルターはSなら30cmキューブ水槽、Mなら45cm〜60cm水槽に使えます。

GEXの製品でも同じことができます。マルチベースフィルターSなら30cmキューブ水槽まで、Lなら45cm~60cm水槽まで対応です。

あまり根を張らない水草でいいなら例えば以下のような水草が存在します。

我が家のアクアリウムの主役になっているミクロソリウムセミナローです。

低光量でCO2なしで生育し、活着性が強いので底砂に植えなくても勝手に増える。使い勝手がよいです。

アヌビアスナナの仲間のランケオラータはアヌビアスナナより葉っぱがかっこいいのに、陰性水草で低光量、CO2なしで生育します。背が高くなるので後景向けです。

水草水槽に向かないフィルターとその理由

水草水槽に向かないフィルターとその理由をここから解説します。

外掛けフィルター

外掛けフィルターはその構造上吸い上げた水が吐き出し口から出る時に空気に触れるのでCO2は漏れます。

外掛けフィルターでもCO2を多めに添加すれば物量でなんとかなるみたいですけど、CO2を無駄にするのであまりおすすめはしません。

上部フィルター

上部フィルターも外掛けフィルター同様に吸い上げた水が空気に触れるのでCO2が漏れます。

投げ込みフィルターとスポンジフィルター

投げ込みフィルターとスポンジフィルターは基本的にエアーリフト式なのでエアレーションする時にCO2が漏れます。

まとめ【水草水槽のフィルターは外部・水中・水中駆動底面】

今回は水草水槽向けのフィルターをご紹介しました。

安価に水草水槽をやってみたいなら、景観を圧迫するデメリットさえ許容できるなら水中フィルターがいいんじゃないでしょうか。

予算があるならやっぱり外部フィルターが一番ですよ