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今回は金魚のアンモニア中毒について解説します。
アンモニア中毒というのは水中のアンモニア濃度が高すぎるときに発生する症状です。
アンモニアはタンパク質の分解過程,具体的にはアミノ酸の脱アミノ反応で生じる有害な物質であり,魚類においては呼吸困難,赤血球減少などの中毒症状を引き起こす(川津 1978).
西川 洋史, 魚類から排出されたアンモニアの観賞魚用アンモニア測定キットによる検出方法の確立と授業実践, 生物教育/60 巻 (2018-2019) 3 号
主に以下のような症状が見られます。
なんとなく呼吸が苦しそうだなとか、見た目に元気がない・異常があるというときはアンモニア中毒の可能性があります。
放っておくと金魚が死んでしまうので見つけたら早期に対応が必要ですし、そうならないために日頃からの予防が大切です。
なお他魚には移りません。ただし発症環境が同じなら他魚でも発生するリスクが高いので早期に水換えなどの対策が必要です。
アンモニア中毒と言うくらいですからアンモニア(アンモニウムイオン)が多すぎるのが原因です。
アンモニアはNH3、アンモニウムイオンはNH4+です。アンモニアとアンモニウムイオンに関しては過去記事で詳細に解説しています。

水中では以下の平衡式が成立しています。
NH3+H2O⇄NH4++OH–
これは化学平衡なので、一方が増えればもう一方も増えます。
つまり魚から排出されるのはアンモニアかアンモニウムイオンのどちらかなのですが、どちらにせよ片方が増えればもう片方も増えます。
またアンモニウムイオンのほうがアンモニアより毒性が低いです。
そしてpHが高いほうがアンモニアとアンモニウムイオンの量の比率はアンモニア側に偏ります。
このことからpHが低い水槽ではアンモニウムイオンが主体だから問題ないみたいな主張がされることがあるのですが、アンモニウムイオンそのものにも毒性があることが指摘されています。
(参考:(学) 根本佳介 1)、幡野亜由美 1)、(正) 庄司良 1)、(正) 山田正人 2)、(正) 成岡朋弘 2) 1) 東京工業高等専門学校、2) 国立環境研究所, 廃棄物処分場浸出水におけるアンモニアの形態変化を考慮した毒性の解析, 第20回廃棄物資源循環学会研究発表会セッションID: D5-1, 2009.)
つまりpHが上昇するときは確かにアンモニア中毒の危険性は高まるのですが、かといって中性以下のpHでもアンモニウムイオンの量が増えればやはりアンモニア中毒は無視できなくなります。
魚は餌を食べたらそれを代謝してアンモニアとして排出します。
また餌の残りなどが水中にあるとそれらは分解されてアンモニアになります。
これらは硝化と呼ばれる生物ろ過によって硝酸イオンまで分解されます。硝化に関しては以下の記事で扱っています。

つまり生物ろ過がよく効いている水槽ではアンモニアは分解されアンモニア中毒は起こりにくくなります。逆に言うと生物ろ過が滞るとアンモニアが分解されないのでアンモニア中毒が起きやすくなります。
なお硝酸イオンは毒性がアンモニアより低いので週一回1/3くらいのペースで水換えしていれば適切な量にコントロールできます。
生物ろ過について詳細に解説した以下の記事も参考にしてみてください。

水槽水量に合ったろ過フィルターの選択とろ材に硝化菌を定着させればアンモニア中毒の危険性は低下します。
水槽のフィルターに関しては当サイトで色々解説してきました。
まず30cmキューブ水槽のおすすめフィルターが以下の記事です。

次が60cm規格水槽のフィルター特集が以下となります。

ただ適切なフィルターを使ってもろ材に硝化菌がいないと生物ろ過は行われません。
硝化菌がろ材に定着するにはだいたい1ヶ月半くらいかかります。
なので水槽立ち上げ初期は硝化菌がフィルターにいないのでアンモニア中毒が起きやすい最も注意するべき時期です。
当サイトでおすすめするのが高頻度水換えです。立ち上げ初期はフィルターの硝化菌を育てつつ、分解が追いつかないアンモニアは手作業の水換えによって排出するということです。それについて解説したのが以下となります。

まただからと言って餌の量が多すぎる・魚が過密すぎるというのも問題です。
餌が多すぎる・魚が過密だとアンモニアの発生量が多くなり、生物ろ過のキャパシティーをオーバーしてアンモニア中毒になりやすくなります。
餌は数分で食べ切れる量を与えるのが基本です。だいたい体型の維持程度でいいなら金魚の体重の1%程度が良いとされています。大きく育てたいなら体重の3%程度が良いと言われています。多すぎると水の傷みも速いので様子を見て少なめから与えましょう。
金魚の適正匹数に関しては以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
30cmキューブ水槽の金魚の適正匹数は以下で解説しています。

45cm規格水槽の金魚の適正匹数は以下で解説しています。

60cm規格水槽の金魚の適正匹数は以下で解説しています。

またゼオライトはアンモニウムイオンの吸着作用が高いので、ゼオライト入りのフィルターや外掛けフィルター・外部フィルター向けのゼオライトをネットに入れてフィルターに入れるという方法もあります。特に水槽立ち上げ初期の硝化菌が少ない時期に有効です。
ゼオライトは吸着限界があるので2週間くらいで新しいものに交換します。
また少し上級者向けのテクニックになりますが「青水」にするという手もあります。
青水になると青水の構成要素である植物プランクトンがアンモニアを栄養として使うのでアンモニア低減に役立ちます。
なお生物ろ過が効いていても定期的な水換えをしないと硝酸イオンが大量に蓄積して魚に有害なので週一回1/3の水換えは必要です。
水換えの目的に関しては以下で解説しています。

また水換えのしすぎの是非に関しては以下で解説しています。

まずは水槽の水を2/3程度水換えします。強制的にアンモニアを排出するということです。
なんかそれでも水が汚い感じならさらにもう一回水換えします。
次に0.5%程度の塩水浴をさせます。
塩水浴をさせると魚の呼吸を助け、体力の回復に役立ちます。
今回は金魚のアンモニア中毒について解説しました。
症状を見つけたらすぐに水換えして様子を見てください。

硝化菌(好気性バクテリア)の定着には酸素が重要なので水草水槽じゃないならエアレーションも適時行うとより安心です。
エアーポンプなら水心がおすすめ。SSPP-3Sならエア量調整機能付きなので水槽サイズに応じて強すぎ弱すぎを調整できます。静音です。
細かい泡が出たほうが酸素の供給には有利なので細かい泡が出るいぶきのエアストーンがおすすめ。
エアチューブはなんでもいいですが、スドーのものなら柔らかいので使いやすいです。