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今回はグッピーのオスがなかなか産まれないときがあるかもしれないという話題に関する内容です。
雌雄の見分けが可能になるのは生後1ヶ月後
産まれたばかりのグッピーの稚魚は基本的に雌雄の判別ができません。同じ見た目です。
一般に雌雄の判別がギリギリできるのが生後1ヶ月後と言われています。
オスの場合そのくらいのタイミングでだんだん尾びれに模様が入ってくるので「オスっぽい」個体がわかってきます。
つまりまず焦らずに1ヶ月待ちましょう。
水温でオスとメスの産仔数が変わる
温度環境19℃のグループの雌では,配偶後60日目までに産子した個体はいなかった(図1)。24℃,および28℃のグループでは,それぞれ10個体全ての雌が産子した。
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温度環境28℃のグループの雌は,温度環境24℃のグループの雌と比較して有意に雄偏りに子を産んでいた(Mann-WhitneyUtest,P<0.0001;図2)。
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また,温度環境24℃のグループの雌に比べ,温度環境28℃のグループの雌の方が産んだ子の数が多かった。
工藤宏美, 狩野賢司, グッピーの産子形質に対する温度環境の影響, 東京学芸大学紀要. 自然科学系, 2011
グッピーは水温に応じて産仔数が変化します。水温が高いほうが産子数が増えます。
また水温が高いほうがオスが生まれる割合が増えます。
オスが生まれる割合は28℃くらいで高くなり、24℃くらいでは少なくなります。
つまり例えばすごい寒波がやってきていて水槽用ヒーターの加熱が追いつかないような状況になると26℃設定のヒーターでも実際の水温は24℃くらいになる可能性があり、そういうときはオスの生まれる割合が減ってオスが産まれてこないという状況が有りえます。
その場合ヒーターを補助でもう一個入れるとか、ヒーターのグレードをワンランク上げて30cmキューブ水槽対応のヒーターから60cm水槽対応のヒーターに変更するなどの対策が有効と思われます。
夏も人間用のクーラーの設定温度が低すぎると水温が24℃くらいになってオスが産まれにくい状況が有りえますので、夏でも26℃〜28℃くらいに設定できるヒーターを入れるとか、人間用クーラーの設定温度を上げるとかして水温を調整するとオスが産まれやすくなるかもしれません。
オスの死亡率はメスより高い
Up to 5 individuals, older than 60 days, from each of the strains were collected and held in thermally regulated 500 ml conical beakers, initially adjusted at 23℃. The water temperature in the conical beakers ware decreased at the rate of 0.5℃ per 10 min to 12℃.
藤尾 芳久, 中嶋 正道, 長浜 靖明, グッピーの低温耐性遺伝子の発見, The Japanese journal of genetics Genetics Society of Japan 65巻4号 1990年
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The survival rate of females was higher than that of males in each of the strains.
グッピーを23℃から12℃まで10分ごとに0.5℃ずつ下げていった実験によると、どの系統のグッピーもメスの生存率が高かったという文献が存在します。
つまりメスは低温耐性が強いと言えます。
恒温水槽の水温は浸漬開始時を 23℃とし、 3時間後に 37℃になるように12分で 1℃ずつ上昇させた。
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次に大型と小型を一緒にして、雌雄間の高温耐性の比較を行った (Fig.2)。Fig.2は雄よりも雌の方が死亡するまでの時間が長く、雌が雄よりも高温耐性が強いことを示している。
藤沢公忠・中嶋正道・藤尾芳久, グッピーにおける高温耐性の系統差について, 水産育種26(1998)
さらに高温耐性もメスのほうが強いという文献があります。
つまりグッピーは基本的にメスのほうが低温・高温両方で強いと言えます。
このことから、適温(24℃から28℃位の間)で飼育していればオスでも生存できますが、猛暑や大寒波などの何らかの原因で水温が高すぎ・低すぎになったときにオスが優先的に死亡する可能性が高いので、水温変化が大きい夏や冬に気づいたらメスだけが生き残っていたという場合が有りえます。
つまり水温変化が大きくなっていないか水温をこまめにチェックして、暑すぎるなら水槽用クーラーや人間用クーラーを使う、寒すぎるならヒーターのグレードをワンランク上げるような対策が有効と思われます。
おすすめクーラーとヒーター
クーラーは家に一日中いる場合は凍らせたペットボトルでもなんとかなる場合があります。
ただ働いている・学校がある場合はその手法が使えません。そのため水槽用クーラーか人間用クーラーが必要になる場合が多いです。
ゼンスイのカケルは外掛式の30cmキューブ水槽くらいまで使えるペルチェ式クーラーです。通水用の外部フィルターなどが不要なので簡単に使えます。水量が同じくらいの45cm規格水槽くらいまでは行けると思います。周囲温度35℃で45cm規格水槽くらいの水槽で29℃を維持するくらいの能力があります(水中ポンプで水の循環を良くした場合です)。
60cm水槽だとZC-100αがおすすめです。
コンプレッサー式なのでペルチェ式より消費電力が低めで、例えばカケルが消費電力75W程度で30cmキューブ水槽の25Lくらいまで対応のところ、ZC-100αが112Wで100Lまで対応しています。つまり1L辺りの消費電力で言えばカケルが約3W/L、ZC-100αが1.12W/Lとなり、効率が良くなっています。
ZC-100αを動かす水中ポンプはcharm楽天市場店【ZC-100α】の情報によるとコンパクトオン600となっています。50Hz用と60Hz用があるのでお住まいの電気の周波数を確認してから検討してください。
次がヒーターです。
30cmキューブ水槽用のヒーターで手軽なオートヒーターを使うとして、ワンランク上の加熱能力があるのは以下の製品がいいと思います。
SH120は48Lまで対応なので、25L〜30Lとなる30cmキューブ水槽と45cm規格水槽なら結構余裕があります。安全装置が2段階入っていて、普通は1段階目が作動して、1段階目なら再使用可能です。
60cm規格水槽向けのワンランク上のヒーターでは以下が良いと思います。
SH160はSH120の上位機種ですが、64Lまで対応しているので59L程度の60cm規格水槽に使えます。
ただこのレベルの出力のヒーターになると上位機種がなくなってくるので、SH160を2つ水槽に入れる対策をとったほうが現実的です。
その場合消費電力が2つの合計で320W程度になってしまうので、タコ足配線だと消費電力が上がりすぎる場合があるので電源タップの総消費電力をよく考えて使ってください。
また上のオートヒーターは26℃固定ですが、28℃でオスを多めに産めるような環境にしたいというときはサーモスタット付きの温度可変式ヒーターを使いましょう。
まずは30cmキューブ水槽から45cm規格水槽向けの温度可変ヒーター。
次が60cm規格水槽向けの温度可変ヒーター。
温度可変なので28℃くらいに設定しましょう。
まとめ【グッピーはオスが弱いので水温に気をつけて!】
今回はグッピーのオスが産まれにくい時があるという話題について主に水温の影響を解説しました。
水温が低いとオスが産まれにくくなる、水温が高すぎ・低すぎではオスが死亡しやすくなるということが有りえますので、適切な水温管理が重要です。

水温計をこまめにチェックするといいかもしれません