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今回はメダカにおすすめのろ過装置について解説します。
室内なら無理せずフィルターを入れたほうがいいです。ここでは室外の場合を考えます。
重要な視点は「生物ろ過」ができるかどうかです。
外飼いでグリーンウォーターを利用するならフィルター不要な場合が多いです。
グリーンウォーターとはメダカを飼育している水が植物プランクトンによって緑色になっている状態のことで、青水とも呼ばれます。
グリーンウォーターには二種類あって、珪藻類中心の場合はメダカに有益、藍藻類中心の場合はアオコと呼ばれて有害となります。
藍藻類は刺激臭と毒素を発生させるので、こうなると「失敗」です。
詳しいやり方は他のブログなどを見てください。私は自然にそうなった場合以外難しすぎてやっていません。
ただうまくグリーンウォーターを作ると水中の硝酸塩などをうまいこと吸収してくれる(一応光合成をする植物の仲間なので)ため水換えを頻繁にやらなくても何とかなる場合があります。フィルターも不要です。アンモニウムイオンを植物プランクトンが直接吸収するからです。
植物プランクトンは通常、水に溶けているアンモニウムイオンや、硝酸イオンを体内に取り込んで利用します。
厚岸町役場環境林務課 厚岸水鳥観察館, 厚岸湾表層におけるプランクトン群集による溶存有機窒素の生成に関する研究
水槽内の窒素系化合物はエサ→アンモニウムイオン→亜硝酸イオン→硝酸イオンと変化していき、アンモニウムイオン>亜硝酸イオン>硝酸イオンの順に毒性が強くなりますが、アンモニウムイオンの段階で植物プランクトンが吸収してくれるためグリーンウォーターならフィルターが無くてもなんとかなります。
外飼いの透明な水で上からメダカを鑑賞しながら飼うような場合は、エサの量や底砂などに注意すればフィルターなしでも飼えないことはないです。その場合エサの投入量に対して硝酸塩がどのくらい増えるのかという視点が重要です。
上の記事で簡単に計算してみましたが簡単に再掲します。
47.6Lの水の入った水槽に合計64gの餌を投入し,硝酸イオン濃度は300ppmに達していることから,水槽容量をW(L),餌(テトラミン)の投入質量をF(g)とすると,得られる硝酸イオン濃度C\(_{NO3}\)(ppm)は次式で表される。
C\(_{NO3}\) =0.193F/W×1000
松林 勝志, 中川 文寛, 半田 真帆, 小坂 敏文, 三谷 知世, 218 汚水を出さない魚と野菜の同時生産(アクアポニックス)システムに関する研究 : アクアポニックスシステム稼働前の硝化サイクルの確立(安定化・無害化及び循環型廃棄物処理技術,資源循環・廃棄物処理技術), 環境工学総合シンポジウム講演論文集/2007.17 巻 (2007).
4.5Lの水槽でメダカ10匹という過密飼育でしたが、その時のエサの量は約0.05gです。一匹あたり0.005g程度となるでしょう。
メダカ7匹にだいたい10Lの水量が必要です。エサの量は0.005✕7=0.035g。
一般的なメダカ飼育容器は10Lくらいを基準にすればいいので、これを踏まえて上の硝酸塩の計算式に代入すると以下となります。
C\(_{NO3}\) =0.193✕0.035÷10×1000≒0.676ppm
上の硝酸塩濃度の記事の中で週一回1/3の水換えをしているときの硝酸塩濃度の収束値は以下となります。
一日の硝酸塩濃度の増加量k[ppm]を考えると硝酸塩濃度Nは
N=14k
となります。
これに0.676ppmを代入すると
N=14✕0.676≒9.5ppm
一般に硝酸塩濃度は9ppm(9[mg/L])以下が良いと言われています。以前の記事では25ppmとしましたが、他の文献などを見ていると9ppmくらいらしいです。
◎水産用水基準:淡水域の硝酸態窒素は 9mg/L 以下、海域では 7mg/L 以下。硝酸態窒素は、水産生物に対する毒性は強くはありません。
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 法人本部, 安富 亮平・今田 和史, 養魚環境水の適否の判定に用いた水質分析項目, 魚と水 Uo to Mizu (49-1) :13-22, 2012
これを踏まえると、10Lの水槽に7匹くらいのメダカを飼っているなら、週一回1/3の水換えをするだけで硝酸塩濃度は適切な値にだいたい維持できます。
また硝化を適切に行うには硝化菌(亜硝酸菌と硝酸菌)が適切に繁殖している必要があり、例えばプラ容器に水だけ入れてそこにエサを与えるだけだと硝化菌が繁殖する場所が無いので(フィルターを入れればそこに住み着くのですが…)、硝化菌の働きが鈍って有毒なアンモニウムイオンや亜硝酸イオンがそのままになりよろしくありません。
大磯砂などを入れると硝化菌が住み着くので少量でも入れておくと良いでしょう。
このようにろ過装置(フィルター)なしで外飼いでメダカを飼うなら、大磯砂を入れておけば硝化が適切に行われ、硝化の最終物質である硝酸塩も適切な値に維持できるので、フィルター無しでもなんとかなる可能性が高いです。
また外飼いの場合酸素の供給も考える必要があります。理想はエアレーション(ブクブク)をやることですが、無くても風が吹いているならなんとかなる場合も多いでしょう。
また立ち上げ初期は硝化がうまく働かないので、適切な間隔で水換えをしたほうがいいでしょう。
室内飼いでは、風による水面からの酸素供給がほとんどないので最低でもエアレーションと大磯砂の組み合わせが必要です。
酸素濃度を適切に保ち、生物ろ過を適切に行うには酸素の供給源(エアエーション)とろ過バクテリア(硝化菌)の住処が必要だからです。グリーンウォーターを室内で保てばうまくいくかもしれませんが、それだと水槽内が全く見えないので鑑賞する意味が無くなってしまいます。
ただできればフィルターを入れたほうが生物ろ過は安定します。
ほとんどのろ過装置(フィルター)は「生物ろ過」の能力があるため、その視点ではフィルターは何でもいいのですが、「吐き出し流量」を考えないとメダカによくありません。
強すぎる吐き出し量だとそれに逆らってメダカが泳いでしまい、体力を奪われてメダカが死んでしまいます。
特に外部フィルターだと吐き出し流量が強すぎてメダカの体力を奪われやすいので注意が必要です。
ここからは代表的な3つの水槽(30cmキューブ水槽、45cm規格水槽、60cm規格水槽)に対しておすすめのフィルターをご紹介します。
フィルターを選ぶ時は「水槽何リットル」という視点が重要なので、水槽の水量を挙げておきます。
水槽 | サイズ | 水量 |
30cmキューブ水槽 | 30×30×30cm | 約22〜24L |
45cm規格水槽 | 45×27×30cm | 約29~31L |
60cm規格水槽 | 60×30×36cm | 約59L |
投げ込みフィルターかスポンジフィルターがおすすめです。
これら2つは「エアーリフト式」といってエアーポンプのエアーが水槽内を立ち上る勢いでフィルターに通水するので、ろ過と酸素供給が両方できるため、エアレーションだけ別途する必要がありません。
ロカボーイSなら23Lまで対応しているので30cmキューブ水槽に使えます。
ろ過マットは消耗品ですが、より長期間使えるストロングスポンジもあります。
スポンジの目が荒すぎるという意見もありますが、YouTuberの方の動画によるとそれなりに硝化は行われるようです。
またエアーが上に立ち上る勢いが結構あるので、それにメダカが振り回されるように見えるときがあります。
エアーの勢いを減少させるためにロカボーイパワーアップパイプを利用するのも有効です。
エアーポンプは水心がおすすめ。色々使ってきましたが、結局これが一番静音で吐き出し流量が十分確保できると感じています。
水心はSSPP-3SとSSPP-7Sがあるのですが、やや高額な3Sの方が流量調整機能がついているので、「エアーの量が強すぎて弱めたい」という場合でも柔軟に対応可能なので3Sを我が家では使っています。
エアチューブはオールシリコンタイプがおすすめ。固くなりにくいので長期的なコスパは良いです。
またエアーリフト式のフィルターには「スポンジフィルター」もあります。
テトラツインビリーフィルターなら45cm水槽まで使えるので、30cmキューブ水槽にも使えます。
汚れてきた場合もスポンジが2つあり、片方ずつ掃除できるのでバクテリアが一気になくなる状況を回避しやすいです。
エアーリフト式はエアーポンプの音がうるさいです。寝室などでは致命的な場合があるので、その場合は外掛けフィルターか水中フィルターがいいでしょう。水中ポンプ駆動なのでエアーポンプより静音です。
外掛けフィルターでも水中フィルターでも「水面付近に流れができれば」酸素供給は行われます。
吐き出し水が水面を揺らしているか確認して使ってください。
もし水面付近の流れが弱ければエアレーションも考えましょう。
45cm規格水槽も30cmキューブ水槽同様投げ込みフィルターかスポンジフィルターがろ過と酸素供給の両方ができていいでしょう。
ストロングスポンジもあります。
スポンジフィルターでもいいです。
寝室なら外掛けフィルターか水中フィルターがおすすめ。
外部フィルターを選択してもいいですが、やや高価ではあります。
水槽内を広く使いたいなら外部フィルターでもいいですが、基本的に流量が強いので流量調節機能付きのタイプを選択して、弱めの吐き出し量で酸素供給のために水面を揺らしてください。
また基本的に上のアクアコンパクト2004だとオールガラス水槽という枠なし水槽でのみ使用可能です。
60cm規格水槽だとたくさんのメダカを飼育可能です。
投げ込みフィルターでもスポンジフィルターでもいいです。
60cm規格水槽なら外掛けフィルターと水中フィルターは以下の記事を参考にしてください。
外部フィルターでも良いでしょう。水槽台を使うなら収納場所の問題も解決します。
外部フィルターのおすすめはエーハイム。昔からの老舗です。2213も有名ですが、呼び水の仕方が簡単でろ材コンテナ付きでろ材の管理が簡単な2234をおすすめします。
ナチュラルフローパイプを付けて水流を弱めればメダカにも使えるでしょう。
ただ流量が弱まれば酸素供給が弱まるので別途エアレーションが必要かもしれません。油膜が出るようなら酸素不足なのでエアレーションを足してください。
メダカが水面をパクパクしていたり鼻上げしているような場合も酸欠なのでエアレーションを追加してください。
メダカの記事を色々書いているのでよろしければ参考にしてみてください。
今回はメダカのろ過装置について解説しました。
外飼いなら電源の問題もあるので特にろ過装置無しでも飼うことは可能です。
室内飼いなら色々な選択肢があるので参考にしてみてください。
水流強さと吐き出し口の位置に気をつけましょう。弱めで水面付近に流れを作るのが基本です