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今回はプレコの水流に関する内容です。
プレコってどうやって飼うの?
そもそもプレコ飼育で気を付けるべき他の熱帯魚と違う点とは何かというと以下となります。
- 水流を作る
- 水中の酸素を増やす
- 隠れる場所を作る
- 泡を舞わせる(スポット模様の種類の場合)
- pHを中性に維持するために換水を高頻度にする
繁殖を考えるならこれのほかにプレコの産卵筒などを入れます。
今回は私が飼育した経験のあるタイガープレコくらいの大きさの小型プレコの話を中心にしていきます。
各要素に関する解説
まず小型プレコが生息しているのは渓流の岩と岩の隙間みたいな場所です。そこでは当然岩に川の流れがぶつかってシュワシュワ気泡が大量発生し、酸素も常にエアレーションされているようなものなので水中の酸素濃度も高いです。
こういうところにプレコは住んでいるのでエアレーションをするとか、水面付近で水流を作って水面を揺らして再曝気効果で水中に大量の酸素を溶け込ませる必要があります。
結局以下の理由で水流は作るべきです。
- エアーを舞わせてプレコを安心させる
- 水面付近の再曝気を促進させて水中の酸素濃度を上げる
エアーを舞わせるのはスポット模様のプレコの模様は水中の泡の保護色という説があるからです。保護色が活かせる環境のほうがプレコが安心する可能性があります。これについては後述します。
また再曝気が促進されれば水中の酸素濃度が上がり、プレコが暮らしている現地の南米の河のような高濃度の酸素が溶け込んでいる環境に近づけることができます。
再曝気は水面付近に速い流れがあれば促進されるので水面付近に水中ポンプで流れを作ることが有効です。
また岩場に隠れる習性があるので隠れる場所が必要です。
石や流木で隙間を作るようなレイアウトが求められます。
特に複数飼育の場合、隠れる場所がプレコの総数より少ないと縄張り争いをする可能性があるので、争いに負けた個体が隠れられず衰弱する可能性があるため隠れる場所はたくさん作っておきましょう。
また以下のアクアリウムのプロの動画で触れているのですが、キンペコ系は岩場の石の保護色、スポットが入っているドット模様のプレコは渓流の泡の保護色と考えられます。
この説を支持する視点で書いていきます。
すると水中に泡がシュワシュワ舞っていればドット模様のプレコは安心すると思われます。
また中性くらいのpHを好みます。水槽内は放っておくと硝化作用でpHが下がっていくので、pH6とかにしておくとあまりよろしくありません。
週二回くらいは水換えするようにしてpHを中性に戻すお世話が必要です。
pHは面倒でも定期的に測りましょう。私は農業用のpH測定液を使っています。
タイガープレコ飼育での過去の過ち
私は過去に30cm水槽でタイガープレコを3匹飼育していたことがあるのですが、あまり長生きさせられませんでした。
当時を振り返ると以下のような管理をしていました。
- ベアタンク
- 水槽用クーラーで夏は冷却
- 岩や流木は無しでプレコの土管だけ複数設置
- エアレーションなし
- 水中ポンプは水槽用クーラーを使わないときだけ使用
水槽の水が高温にならないようにとクーラーの設定温度はかなり低くしていて、吐き出し口は水面付近でしたけど冷たい水は水槽の底に溜まるわけで、そこにプレコがジーっとしていたんですよね。
次第にエサを食べなくなってそのまま…。
プレコは少し高水温で飼うとよい(27~28℃くらい)と聞きますが、それを裏付けてしまう結果です。
つまり冷えた水をダイレクトにプレコに当てるのはダメということです。
ベアタンクで管理を楽にしようと流木を入れずプレコ用の土管をいくつか入れておいたんですけど隠れなかったんですよね。
今にしてみれば岩場の隙間に隠れるのだから、プレコハウスは隠れる場所ではなかったのでしょう。これもプレコのストレスになっていたと思われます。
エアレーション無しも致命的ですよね。酸素がたくさん必要な魚なのに酸素が足りないんですから。
酸素供給で大事な水面付近の水流も水槽用クーラーで弱められていたのでたいした酸素供給効果がなかったものと思われます。
この経験から水中ポンプの水流は水面付近に豊富に供給されるべきで、弱い水流で水をちょっと混ぜるような用途で終わらせないのが大切です。特に酸素が豊富に必要なプレコの場合は。
新しい知識を基に実際にタイガープレコを4匹飼ってみた
今回のタイガープレコ水槽は以下の点に注意して構成しました。
- 石をたくさん入れて隠れる場所を作る
- 石を入れるためにベアタンクをやめて砂を敷く(水槽を石で傷つけないため)
- エアレーションの泡を水中ポンプで舞わせる
- 水中ポンプの水流で水面を揺らす
- コリドラスとカラシンを入れてプレコがビビッて出てこない状況を緩和
- 産卵もワンチャンあるかもと期待してプレコ用の土管を入れる
- 30cm水槽より余裕を持たせるために45cm水槽で飼育
- 夏は水槽用クーラーではなく人間用のエアコンで冷却
- 水換えは最低でも週二回実施
泡はドット柄のプレコならたくさん必要でしょうけど、タイガープレコはドット柄ではないので今回は水中により酸素を溶け込ませるという視点で泡を舞わせることにしました。なので舞う泡の量は少なめです。
これらに注意して構成した水槽が以下となります。
ちゃんと石の間にプレコが隠れている様子が見えたときは感激しましたよ。
夜は水槽中をプレコが泳ぎ回っていました。それにも感動しました。
水槽の冷却は設定温度より低めの水が出てくる水槽用クーラーではなく人間用のエアコンを使って飼育環境そのものを冷却する方式にしました。そのほうが水温の変動はよりマイルドになります。
ちなみにエサはコリタブを多めに入れました。
キャットとかの動物性のエサも必要という説もあるのですが、魚の死骸を掃除するというところが根拠のようです。
でも結局熱帯魚のエサって基本魚粉、つまり魚を加工したものですよね。
過去にタイガープレコを一匹だけ他水槽で飼っていたことがあるのですが、メダカフレークだけで生きていたんです。
つまり混泳しているカラシン用のメダカフレークとコリドラスタブレットでいけるんじゃないか、という視点でコリタブとメダカフレークにしました。普通に食べていましたよ。
フィルターも通常の外掛けフィルターをちょっと改造してウールマットを多めに追加したものを使用しました。
この水槽、もともとはカラシンとコリドラスの水槽だったのです。エサを入れるとガンガンpHが下がっていくのでろ過はある程度完成していると判断してフィルターの追加はせず外掛けフィルターだけでろ過を行います。まあ週二回水換えするわけで、水はきれいになると思います。
この水槽の構成は以下です。
- テトラAT-50:フィルター
- エーハイムコンパクトオン300:水中ポンプ
- フレームなし45cm規格水槽
エアレーションの泡を水中ポンプで舞わせて、水面にも水中ポンプの水流で揺れを作って酸素を供給しています。
水中ポンプは50Hzと60Hz用に分かれている場合が多いのでお住まいの地域の電気の周波数を確認してお求めください。アクアコンパクト300の吐き出し量は170~350L/hくらいです。
外掛けフィルターの吐き出し水が水面に落ちて発生する気泡も水中ポンプの水流で舞わせています。
以下の写真のように水中ポンプの吐き出し口の直下にエアーストーンでエアレーションすることで、泡に水流がぶつかり水中に泡が拡散されます。ちなみに吐き出し口のパーツはカミハタのRioシリーズの水中ポンプの流用品です。別になくてもいいです。コンパクトオン300だけで十分です。
まとめ【プレコに水流は必要だし他にも色々注意点がある】
今回はプレコに水流が必要なのか、という点を中心にそのほかに注意する点などを総合的に解説しました。
プレコ飼育は色々と気を付ける点がありますが、今回は前よりももっと長生きさせたいですね。
酸素とpHに特に注意が必要です