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今回はタイガープレコの飼育方法について網羅的に解説するという内容です。
タイガープレコとは
タイガープレコとはコロンビアタイガー、ベネズエラタイガーとも呼ばれる南米の川に生息する小型プレコです。
プレコの中では小型のプレコに分類されます。
最大の大きさで8cm程度です。
キングロイヤルペコルティアなどの「キンペコ」系が15cm程度まで成長するのに比べれば小さいです。
色々な名前のタイガープレコとその大きさ
タイガープレコとして流通しているのは一匹1500円くらいで売られている比較的安価で最大体長が8cm程度のプレコのことです。
しかしながら熱帯魚通販大手のcharm楽天市場店を閲覧してみると、色々なタイガープレコが存在します。
例えばトカンチンスニュータイガー・プレコ。最大体長12cm程度。
次はグレータイガー・プレコ。最大体長12cm程度。
次がクィーンインペリアルタイガー・プレコ。最大体長12cm程度。
だいたい普通のタイガープレコが8cm程度の最大体長なのに対して、これらの「タイガープレコ」が名前に入っているけどちょっと模様が違うタイガープレコは最大体長12cm程度のものが多いです。
飼育するときの水槽に30cm規格水槽などを選んで複数飼育しようと考えると窮屈すぎてうまくいかない場合があるので注意しましょう。
タイガープレコの大きさについて
タイガープレコは8cm程度なので、30cmキューブ水槽くらいの水槽でも飼育可能です。
プレコを飼うときに注意しなければいけないのが、プレコとひとくくりにすると痛い目にあうということです。
上で紹介した普通のタイガープレコか、「なんちゃらタイガープレコ」ならあまり問題にならないのですが、プレコは大きくなる種類が多い魚です。
charm楽天市場店プレコのページならプレコの大きさごとに分類されているので、このページの「15cm以下(小型種)」「15~30cm(中型種)」「30cm以上(大型種)」のリンクをチェックしてみてください。
大型種だと30cm以上、中型種でも30cm程度まで成長するので、通販で送られてきたときは5cmくらいで小さいと感じても、30cm水槽とか45cm水槽で飼育しているうちに大きくなりすぎて飼えなくなった、となる人が結構いるようです。
ペットショップのアクアリウムコーナーでもプレコが売られていますが、水槽の中では大して大きくないので飼えそうだと思って家に連れ帰って2年後、巨大化して大変な思いをするということもあり得ます。
プレコを購入する際は必ずそのプレコが何センチまで成長するか確認してから飼いましょう。
30cmキューブ水槽くらいの大きさの水槽で飼えるのはタイガープレコ3匹程度と考えられます。
参考になりそうな法則として以下のような考え方があります。
「水容量1Lに対して魚の標準体調1cm」
詳細は以下の記事をご覧ください。
この法則によると、30cmキューブ水槽は水量約25Lなので、8cmのプレコなら3匹で24L程度必要となり、3匹なら何とか飼えると見通しを立てることが可能です。
クィーンインペリアルタイガー・プレコなら12cm程度なので2匹で24L程度となり、2匹ならなんとか飼えるとなります。(あくまで目安です)
以下水槽の規格と飼育可能なタイガープレコの目安です。
水槽 | サイズ | 水量 | タイガープレコ許容量 |
30cmキューブ水槽 | 30×30×30cm | 約25L | 3匹 |
45cm規格水槽 | 45×24×30cm | 約29~31L | 3~4匹 |
60cm規格水槽 | 60×30×36cm | 約59L | 7匹 |
タイガープレコの混泳
基本的に小型プレコなら同種・多種問わず混泳可能です。タイガープレコも基本的に他の種類の魚との混泳が可能です。
エンゼルフィッシュは苦手のようです。エンゼルフィッシュって他の魚を突くので、相性が悪いのでしょうね。
ディスカスや大型の魚との混泳もよくないようです。
タイガープレコならコリドラスやカラシンとの混泳がおすすめです。

上の我が家のタイガープレコ水槽では45cm規格水槽でタイガープレコ4匹に対してカージナルテトラ10匹程度、白コリ3匹との混泳がうまくいっています。
ネオンドワーフレインボーも写真に写っていますが、どうも縄張り争いをする魚のようで、次第にタイガープレコを追いかけるようになったので別水槽に隔離しました。
3~4cm程度の魚でも同種で縄張り争いをするような魚の場合、ちょっと表に出てきたタイガープレコを縄張りへの侵入者と勘違いして攻撃する場合があるので、混泳はカラシンとコリドラスくらいにしておいたほうがいいと思います。同種で縄張り争いをしないおとなしい魚との混泳が向いています。
いきなり低水温になるのは苦手
私の過去の経験を書いてみます。
30cmキューブ水槽にタイガープレコを3匹飼っていました。
問題だったのが夏。水槽用クーラーで水槽を冷却していました。
でも水槽用クーラーって、高水温を27℃くらいにしなきゃいけないので、基本的に吐き出し口から出てくる水って27℃より低い温度で出てくるんですよ。
しかも冷たい水は比重の関係で水槽の底に溜まります。
そしてプレコは基本的に水槽の底のほうにいることが多いので、27℃設定でクーラーを動かしていると25℃とか24℃の水が当たるんです。
一般に水温差ショックと呼ばれる水温の急激な変動で体調を崩す問題では「プラスマイナス2℃」を超えるとまずいと言われています。
30℃の水温を27℃にしようと水槽用クーラーをつけると、25℃くらいの水が直接プレコに当たってしまって、水温差5℃です。
そのせいもあったと思います。プレコはだんだんエサを食べなくなって、そのまま元気がなくなっていきました。
基本的にプレコに水槽用クーラーを入れると水槽の底の温度を頻繁に確認する必要があり大変なので、私は部屋のエアコンを使って部屋ごと冷却するようにしています。
タイガープレコ水槽の水流と水中の酸素
以下で詳細に解説しています。
簡単に言うと、タイガープレコの生息場所は岩に川の水流が当たって泡がシュワシュワしているような場所と言われています。
つまり水中に溶け込んだ酸素が豊富な場所で暮らしていると思われます。
水中の酸素量を増やす方法は基本的に二つです。
- エアレーションでシュワシュワする
- 水面付近に水流を作って再曝気効果で水中に空気中の酸素を取り込む
このうち再曝気に関しては以下の記事で解説しました。
つまりエアレーションしつつ水面付近に流れを作ればよいでしょう。
我が家のタイガープレコ水槽では以下のようにしています。

水面のちょっと下に水中ポンプで水流を作り、その吐き出し口の直下にエアストーンでエアレーションしています。
泡が水中を舞います。これでエアレーションと水面付近の流れを作ることができ、酸素の問題は解決すると思われます。
キンペコ系を大量に飼育するならエアレーションをさらに強めて、水流もさらに強めるほうがいいらしいですが、45cm水槽でタイガープレコを4匹飼うくらいなら、エーハイムコンパクトオン300くらいの水流で何とかなります。
コンパクトオン300には50Hz用と60Hz用の二種類が存在します。お住いの住所の電気の周波数(50Hzか60Hzか)を確認の上お求めください。
タイガープレコ水槽には隠れる場所を作ろう
詳細は以下の記事で解説しています。
簡単に言うとタイガープレコなどの小型プレコは基本的に岩と岩の隙間に隠れて暮らしていると言われているので、石で隙間を作ってあげてそこに隠れてもらうといいと思われます。

こんな感じの隙間を作ると我が家の場合は高確率で隠れてくれました。こんな感じにすれば横から隠れているところが観察できるので飼っていて楽しいです。
以下の石のセットなら「大」の石が必ず一つ入っているので、一緒についてくる「中」と「小」の石で高さや隙間を簡単に作ることができます。
ガラスだけのベアタンクに石を入れるとガラスが割れるので砂も敷いたほうがいいです。
タイガープレコの水質
基本的に中性付近のpHを好みます。
水槽は放っておくと硝化作用でpHが自然に下がっていきます。
プレコを4匹も飼っているとエサもそれなりに必要で、そのエサがpHを下げていくので、週一回の水換えではちょっと足りないです。
週二回は水換えをしてpHを中性に戻すお世話が必要です。
感覚だけでpHをコントロールするのは難しいので私は以下のpH測定液を使っています。そこそこのコスパです。安すぎるものはちょっと心配なので、住友化学園芸から出ている商品なので信頼性はあるかと思われます。
また水温は20℃から28℃程度と言われています。普通の熱帯魚用のオートヒーターで飼えます。
ただし上で解説したように、急に冷えるような飼育をすると弱るので、あまり水温の変動がないように飼育しましょう。20℃までいけるから、水温30℃から25℃くらいに下げてもいいでしょ、とやると水温ショックで弱るので注意しましょう。
タイガープレコのろ過
基本的に水槽容量に合ったフィルターを使えば大丈夫です。
要するに投入するエサの量をどれだけろ過できるかという問題なので、コリタブ4つとメダカフレークくらいなら外掛け式フィルターでもいいです。
ただし外掛けフィルターはある程度のろ過力を維持しようとするとろ過マットを定期的に交換する必要があるので(改造すればその限りではないですが…)生物ろ過が強い上部式か外部式が欲しいところです。
以下45cm水槽まで使える外部フィルターです。外部フィルターの老舗のエーハイムのものなら間違いないです。以下の商品はろ材が最初から入っているものになります。これ一個を買えば済むので便利です。
上部式ならかなりお安くできますが、フレーム付きのごつい水槽向けです。ろ材は最初からついてきます。
タイガープレコのエサ
基本的に一匹だけの飼育の場合、プラティに与えていたメダカフレークの残って沈んだものだけでも飼育できていました。
ただしさすがに4匹飼うと心配なので、我が家ではメダカフレークとコリタブ4粒で維持しています。
タイガープレコは基本的に色々食べるのでプレコ専用のエサでなくても維持できます。
心配ならプレコ専用のエサが売っているのでそれでもよいです。
ちょっとお高いですけど、より食いつきがいいと言われているエサもあります。
タイガープレコの水草
タイガープレコは柔らかい水草を食べることがあるので、ちょっと硬い水草を植えたほうがいいでしょう。
我が家の環境ではアヌビアスナナとミクロソリウムセミナローで林を作って隠れ家にしています。
上の二つは根を深く張らないので、砂の上に置いておくだけで維持できるので便利です。
タイガープレコの繁殖
タイガープレコは複数匹で飼育すると繁殖が狙えます。
繁殖を狙うならプレコハウスを一つくらい入れておきましょう。
プレコハウスで産卵が行われ、オスが卵を守ります。
一週間ほどで孵化して少し成長するとプレコハウスから出てくるので、それを回収して別水槽で飼うといいでしょう。
別水槽にはエアレーションと小さな流木を入れておけばいいと思います。
GEXのヒーターならうっかり防止機能付きで、稼働中にうっかり水槽の外に出して安全装置が作動しても再使用可能です。
ただしおそらく白いモヤ(カビ)との戦いになるはずなので頑張って毎日水換えと掃除をしましょう。
まとめ【タイガープレコの性質を理解してお世話をしましょう】
今回はタイガープレコの飼育方法について網羅的に解説しました。
水流で泡が舞う水槽は見ていて楽しいですよ。
タイガープレコの特徴を理解して元気なプレコを飼いましょう。

酸素濃度は特に気をつけましょう