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今回はメダカの水流はどのくらいがいいのかという話題を解説します。
メダカに水流が必要か否かというのは多くのアクアリストが「賛成派」と「反対派」に分かれて解説しています。
水流があったほうがいい、という意見は概ね以下に集約されます。
水流はご法度である、とする意見は概ね以下に集約されます。
賛否両論あるメダカの水流問題ですが、結局のところ「程度」の問題だと思われます。
メダカに関しては様々な研究が存在し、その中でも今回の話を説明できそうな研究が存在します。以下の文献(1)から引用を掲載します。
端ほか(2001)の実験によると,メダカが自由に泳いだり,定位したりすることが可能な流速は20 cm/sが限界である。
〔……〕
メダカの生息地における水流は穏やかであり,全17地点の流速が20 cm/s以下で,その内16地点(94.1%)の流速が10 cm/s以下であった(図2)。
〔……〕
つまり,水流の穏やかな地点が必ずしも浅いわけではなかった。
〔……〕
メダカの生息地ではほとんどの地点で水路内に植生が確認された一方,非生息場所では植物が高い割合で確認されることはなかった。辻井・上田(2003)や上月ほか(2000)は,植物によって流速が低減されること,さらに,植物はメダカの隠れ家や産卵場所として重要な役割を担うことを報告している
(1) 松本 一範, 岡林 裕泰, 高松市内におけるミナミメダカの生息に関わる環境要因, 香川大学 学術雑誌・学外紀要・定期刊行物等掲載論文・記事 香川生物 第49号 (2022年6月)
文献(1)の図3を読み取ると、たしかにメダカの生息地の水深は浅いですが、非生息地でも浅いところもあるから絶対メダカには浅い水深が良いとは言い切れません。
ただし、メダカの生息地の特徴として浅い水深があるので、無視してよい要素とは限らないようです。
文献(1)からメダカに限界の水流速度は20 cm/s程度と考えられます。またできれば10 cm/s以下が良いようですね。
また流速が減少する植生によって一時的ではあるでしょうけど、メダカが休息をとっている可能性が示唆されるので、常に水流があるのがベストとは言い切れないようです。たまに休める水流が弱い場所をメダカが好む可能性が示唆されます。
以上を踏まえると、メダカと水流に関しては以下のような話になるでしょう。
また私の過去記事で風だけでどのくらい酸素が供給されるのか計算した記事が以下です。

風速6mという結構強い風が一日の1/3吹けば8Lの水槽で6匹程度が酸欠にならずに飼育できる数であるという目安の計算結果となりました。
当然ながら風があれば多少水面の水は動くので、水面が完全に動かない、つまり水流ゼロだと止水で飼育した場合にあんまり好ましくない結果になるでしょう。酸欠になりやすくなります。
ここでふと思うのが、フィルターとか水流ポンプって流速何センチメートルなのかということ。
30cmキューブ水槽から45cm規格水槽くらいを対象に考えてみます。
参考として「エーハイムコンパクトオン NEW 300 50Hz」を考えます。エーハイムの水中ポンプの最弱モデルで、一般的な30cmキューブ水槽くらいで使える外部フィルターの流速もこんなもんでしょう。
この機種の流量はカタログ値から170~300L/hとなります。
これだけだとわからないので、実際の吐き出し口の径を考えます。まあ12/16のホースが取り付けられるのと、実際に我が家にあるものを目視して直径1cm程度でしょう。
直径1cmの円の面積は0.5×0.5×3.14=0.785[cm2]
これが170Lの水で何センチ押し出されるのかですが、1Lが1000cm3なので170L=170,000cm3となり、170,000[cm3]÷0.785[cm2]≒216561[cm]
これが1時間の話だったので、1秒の世界に直すために1[h]=3600[s]で割ると、216561/3600≒60[cm/s]となります。
つまりこの辺がメダカに外部フィルターを使ってはいけないという話の根拠のようですね。
明らかに10cm/sの流速を超えています。
ただし、このような水流でも、例えば外部フィルターならナチュラルフローパイプなどで水流を弱めるとか、水流をガラス壁面にぶつけるとかすればかなり水流が分散します。

そのような環境ならおそらく10cm/sを超えないくらいになるのでしょう。
もちろん上の計算も水中ポンプの吐き出し口の一番強い最初の部分の話であって、水中ポンプの水流が反対側のガラス壁面に到達するくらいになると、水の抵抗によって大きく減速するはずなので、それなりの大きさの水槽であれば特に問題ないのでしょう。おそらくメダカが強い水流を学習して、うまい感じに水流の強い部分を避けていると思われます。
強い水流がご法度とはいえ、例えば水面に水流の元があって、水槽の底の方はあまり水が流れていないとか、水面にしても、水流が水槽を一周してきたらかなり減速していて、メダカが特に問題なく泳げているスペースが多いなら、特に問題なく飼えるというのも一定程度正しいと思われます。
また文献(1)にあるように、流木とか石とか水草が適度に植わっていると水流が弱まり、メダカの休憩スペースとして機能するので、こうしたグッズとか水草を人工水草でもいいので入れてあげると、適度に休憩できる空間が作れて良いと思います。特にやや大きめの水槽の場合は、隠れ家としても良いでしょう。
結論としては水流があったとしても水槽の中に一定程度、水流がかなり弱いかほとんどないくらいのエリアができているなら大きな問題にはなりにくいです。
とはいえ、メダカと言っても元気なメダカもいれば、導入直後で弱ったメダカもいます。
弱っていれば当然水流が強い部分に引き寄せられて強い水流を食らって弱ってそのまま落ちてしまうなんてこともありえなくはないです。
メダカの様子を見てみて、たまに休める空間があるか、水流に向かって泳いでいるときにフラつきや流れに負けている様子はないか常に確認して、強い水流だと判断したら水流を弱める工夫があったほうがいいでしょう。
メダカが落ちてしまう色々な原因に関してまとめている以下の記事もご覧ください。

ちなみに我が家はこんな水槽でメダカを飼育しています。

典型的な30cm S水槽です。
ロカボーイSとスポンジフィルターでろ過を行い、金魚用の18℃固定ヒーターを入れています。
グリーンウォーター系の濁りが強かったのでヒメタニシを5匹入れています。照明を入れていないのですが、それでもグリーンウォーターになってしまったんですよね。

餌は普通の粒状のメダカ用のフードで、その他にヒメタニシ用にヒカリのプレコタブレットを割って少量与えています。
最初、エアーポンプが水心のSSPP-3Sで、普通に二つのフィルターに繋いだらメダカがフラついたので、水心の流量調整を行って、最弱にしたらなんとか丁度良い吐き出し水になりました。
この構成でも上手く行きましたが、よりロカボーイの下からの水流対策をしたいならパワーアップパイプを使いましょう。

今回はメダカの水流はどのくらいがいいのかという話題を解説しました。
水流はあってもいいですが、強すぎないのが基本です。

なんにせよ、水槽の形や大きさ、水流を生み出す機器の水流強さなどに依存するので、様子を見ながら調整しましょう