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今回はメダカの飼育で水深はどのくらいがいいのか、という問題の解説になります。
浅すぎはそれほど問題ではない
以下の文献によると、メダカを5cm, 10cm, 15cmの水深で飼育した場合、水深に関係なく15℃以上なら問題ないそうです。
(1)飼育実験より,メダカ水槽の水温 15℃以上では個体差があるものの,水深に関係なく生存率が高かった.
(1) 織田 敏史,伊藤 健吾,千家 正照, メダカとカダヤシの環境変化に対する適応性の比較, H23 農業農村工学会大会講演会講演要旨集
つまり浅すぎは問題なく、15cmくらいまでは大丈夫と言えそうです。
深すぎはよくない
我が家のメダカ飼育容器は大きければ安定するだろうと深くて広い容器にメダカを放したところ、元気がなくなりました。水深は約30cm。
逆に13cmくらいの水深のメダカ鉢のメダカは生きています。
諸説ありますが、水深が深すぎると水圧がかかりすぎて、メダカへのダメージが大きくなって元気がなくなるという考え方があります。
メダカは本来水深の浅い場所で生息しています。
つまり水深が深すぎる場所で生息しやすくはできていないのではないか、という説が正しいんじゃないかと私は思っています。
つまり水深は深すぎてもダメっぽいというのが私の経験上言えることです。
じゃあどのくらいの水深がいいのか【15cm~20cmまでがよさそう】
文献(1)によると、15cmまでは生存率がよいとあります。
つまり一番よい水深は15cmまでは確定、30cmくらいは良くなかったとなりますが、メダカ専用メダカ鉢の水深は13cm付近です。
水深が深すぎるのはよくないようだ、という話をしましたが、そう考えるとメダカの水深は15cm以下にしておいたほうがよさそうと考えられます。
ただし誤解があるとアレなので追加すると、30cmの高さがある水槽で飼ってはいけないというわけではありません。
30cmの水深というのは40cmくらいの高さの水槽でメダカが底にいる状態で水面からメダカまでの距離が30cm程度は良くないようだという話です。
30cmキューブ水槽くらいなら底の砂で底上げされていますし、水槽の高さギリギリまでは水を入れないので水深は20cmちょっとでしょう。
秋の水槽底の低水温をフィルターやエアレーションで水が循環するようにすれば30cmキューブ水槽でもいけると思います。強すぎない循環にはするようにしましょう。
実際我が家でも30cmキューブ水槽、水深20cmくらいでも特に問題なくメダカが生存しています。
このことから水深20cmくらいなら生存率に特に影響がないのではないか、と考えました。
実際に30cm以上の水深で飼えないわけではない
我が家の環境では30cm程度の深い水深で生存率が高くなかったという結果ではありました。
ただしメダカが好む水深というのは個体差も大きく、メダカ関係の文献でも結果に結構ばらつきがあります。
以下の文献では自然界のメダカは60cm~80cm程度の環境でも生存していたとあります。
(2)一恩 英二, 上田 哲行, 河北潟地域の農業用水路における背水区間とメダカの分布範囲について, 農業土木学会論文集/2004 巻 (2004) 234 号.
上の文献で注意しなければいけないのは、メダカが分布している水深が60cm~80cmの区域は流速が遅い場所であるということです。
一般的な30cmキューブ水槽や60cm規格水槽の水深20cm~40cm程度の結果でも同様に水流が遅い場所に自然界のメダカは分布しているので、以下のようなことが言えそうです。
メダカは30cmキューブ水槽や60cm規格水槽で飼育できる可能性が高いが、水流は遅くする必要がある
境界となる流速は文献(2)の図6を参考に読み取ると10cm/sくらいとなります。
ただし我が家での飼育結果では水深30cmより13cmのメダカのほうが生存率が良かったということです。
誤解無きように再度言いますが、30cmキューブ水槽でメダカ飼育に成功しているアクアリストはたくさんいますし、60cm規格水槽でメダカを繁殖させている愛好家の方もたくさんいます。水槽でメダカは飼えないというわけではありません。
また水深・水温・流速などの複合要因も作用するということも述べておきます。
ここまでをまとめると以下の表のようなことが言えそうです。
水深 | おすすめ度 | 備考 |
15cmまで | ◎ | 文献で飼育可能性が裏付けられている |
15cm~20cm | ○ | 我が家で生存率高い |
20cm~30cm | ○ | 他のアクアリストでの生存情報多い |
30cm以上 | △ | 飼育可能性が無いわけではないが我が家では生存率低い |
ヒーターを入れたほうがいいかも
外気温30℃くらいの水温は、加温していなければ28℃くらいです。
水温ショックがプラスマイナス2℃以上で起きやすいことを考えると、水温28度くらいの場合、26℃設定のオートヒーターを入れるといいかもしれません。
メダカの生育適温は15℃から30℃くらいと思われます。
この目安は1日中その水温で固定すればメダカが元気に維持できる目安を示しているに過ぎません。
メダカヒーターは23℃設定のものが一般的なので、メダカヒーターを9月に冷え込んできたからと導入しても、23℃に冷えるまで作動しないので、水温28℃から23℃まで変化してしまい水温ショックが発生しやすくなります。
つまり水温がプラスマイナス2℃以上変化する9月の秋くらいの気候では水温を高温に維持できるヒーターを入れないと水温差が朝方冷え込んで大きくなりメダカの元気がなくなってしまいます。
この現象への対応策を考えたので以下の記事もご覧ください。
9月に入ってメダカの元気がなくなるときは水深を疑ってみるのも一つ
今回は9月に入ってメダカの元気がなくなってきたらメダカ飼育水槽の水深とヒーターを考えてみてはどうでしょうかという話をしました。
水深は20cmくらいまでならおすすめ、30cm以上だと心配、20cm~30cmでも飼えないことはない、という感じ。
水槽が深いからといって水槽での飼育をあきらめる必要はないですよ