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今回は最新の外部フィルターに実装されたWi-Fi連動機能について考えてみるという内容です。
私は基本的に低予算アクアリウムでアクアリウムを楽しんでいますが、業界の最新動向もちょっと考えたみたという回となります。
エーハイム プロフェッショナル5e 2274
外部フィルターの老舗エーハイムの最上位モデルに君臨する5eシリーズ。今回はその中でも一番下の2274に関して考えていきます。
90cm水槽まで使えるので60cm規格水槽ならこれを選ぶことになります。
最大の特徴はWi-Fiネットワークに接続して端末から水流が操作が可能になっている点。
4つのモードが使えます。
- コンスタントフローモード:好きな流量に設定可能なモード。設定した流量をキープするように自動制御。ろ材詰まりで流量が落ちてきたらインペラー回転数を調整して流量を維持する
- バイオモード:昼間と夜間の流量が変更できるモード
- パルスモード:一定の間隔で流量の強/弱を変更できるモード。強を何秒、弱を何秒で設定する
- マニュアルモード:自動制御をしないモード。コンスタントフローモードの流量低下時の自動回転数制御をしないモード
ここからは各モードが実際にどんなときに使えるか想像していきます。
コンスタントフローモード
金魚やメダカ飼育に外部フィルターを使いたい
以前の当サイトで金魚に外部フィルターを使うという内容をご紹介しました。
金魚はそれなりに大きいのでエサも糞も多く、水を汚しやすいため、外部フィルターの生物ろ過の良さを生かしてみてはどうでしょう、という内容でした。
外部フィルターなのでろ過槽が水槽の外にあり、水槽内がスッキリして見栄えもよいです。
しかしながら琉金などの丸っこい金魚は遊泳能力が高くなく、強い流れは金魚の体力を奪います。
同じ話はメダカにも適用できて、メダカに強い水流はメダカをフラフラさせて体力を奪ってしまいよくないです。
そこで外部フィルターの吐き出し口の流速を緩めるという必要が出てきて、45cm規格水槽程度に使う外部フィルターならちょっと流量調節ツマミを回すだけで対応可能ですが、60cm規格水槽以上に対応する外部フィルターには流量調節機能がある機種がほぼ無いので、ナチュラルフローパイプなどで流速を弱めるという方法を提案しました。
しかしながら60cm規格水槽から90cm水槽対応の外部フィルターで流量調整機能が初めからついている機種があります。
そうです。このエーハイム プロフェッショナル5e 2274です。
これで流量を微調整しながら金魚がフラフラしない適切な流速を探れば、金魚やメダカに適した流速が実現できます。
ナチュラルフローパイプでも流速は緩やかになりますが、使用する外部フィルターの吐き出し水の流速はマチマチなので、緩めた流速にバラツキが出て緩めたけど強すぎる、緩めたら弱すぎるということになりかねません。
流速を微調整できるというこのコンスタントフローモードは金魚やメダカを大きい水槽で外部フィルターで飼育したいという課題を解決する製品なのです。
同様の議論が水流が強いとあまり良くないディスカスとかグッピーとかベタなどの熱帯魚にも適用できます。
60cm水槽に90cm水槽の強さの水流を作りたい
これとは逆に強い水流を好む魚を飼育するときにも流速の調整ができると便利です。
強い水流を好む魚としてプレコを飼育するなんてときに60cm規格水槽に5e 2274の水流をマックスにするなんてことをすれば、水中ポンプとか水流ポンプを一台減らせるかもしれません。
またキンペコの飼育で水流と強力なろ過が必要になって、いざワンランク上の外部フィルターにしてみたというときに、ちょっと水流が強すぎ、弱すぎでエサがいい位置に溜まらないなんてときにコンスタントフローモードで微調整することでエサが溜まるちょうどいい水流を作ることが可能になるかもしれませんね。
バイオモード
魚は夜間と昼間で行動が異なる種が多いです。例えば河川魚では昼間と夜間で流れに向かって泳ぐ向流行動に違いがあります。
2) 明環境では,どの魚種も従流行動が多い。暗環境になると,向流行動は活発になり,流れにさかのぼっ て向流する行動も多く見られた。
井上 実, 任 為公, 有元 貴文, 河川魚類の明・暗環境における向流行動, 日本水産学会誌/48 巻 (1982) 12 号
夜間に水流に向かって泳ぐ習性の魚に対してバイオモードで夜間の水流を強めるなんてことをすれば、より魚の生態に即した飼育が可能かもしれません。
また観賞魚は基本的に夜間は水流が無い、弱いところで眠る種が多いです。普通に考えてゆっくり眠っているときに強い水流で体がもっていかれるような状況にいたら落ち着いて眠れないですよね。
そういうときにバイオモードで夜間の水流を弱めてあげれば魚の生存率が上がるかもしれません。
パルスモード
サンゴ飼育でのサーキュレーターの間欠運転の代わり
サンゴ飼育では波が寄せたり引いたりするゆらゆらする流れが必要と言われています。
もともと海の中というのはそういうものなので、そういうゆらゆらした流れで生息するサンゴにはそういう流れが必要というわけです。
普通はサーキュレーター(水流ポンプ)のコントローラーを購入して間欠運転をすることでこれを再現するということがやられています。
5e 2274ではパルスモードを活用してこれと似たようなことができると思われます。
なぜ外部フィルターで間欠運転できるといいのかという話ですが、これは「一方通行の波」を極力減らしたいからです。
一方通行の流れというのはサンゴにあまりよくありません。しかし何らかのろ過フィルターは必要であり、ろ過する過程でどうしても水流が生まれます。
しかもほぼすべてのフィルターは一方通行の流れを作り出すので、それがサンゴに良くない影響を及ぼす可能性があります。
パルスモードで間欠運転のようなことができると、水中の流れを発生させるすべての機器で間欠運転が可能になるので、サンゴへのよくない流れを極力減らすことができます。
マニュアルモード
マニュアルモードは電子制御せずに普通の外部フィルターとして5e 2274を使いたいときのモードです。
5e 2274は流れを制御しなくても普通に有能な外部フィルターなので、普通に使いたいときはマニュアルモードでいいや、という人向けのモードです。
そもそもWi-Fiで無線制御する必要があるのか
これは今までにないことが簡単にできるため、アプリで制御するというメリットはあると思います。
例えば45cm水槽くらいまで使える外部フィルターには流量調節ダイヤルが付いていて、それを制御すれば一応流量調整ということは可能です。
しかし一度ダイヤルを回すと頻繁に回すというのはわずらわしいですし、アプリでバーを動かすだけでそれができるというのは、かなり手軽です。
またバイオモードやパルスモードは実際にダイヤルなどの機構でやるのは複雑なメカになってしまい大変なコストになることが予想され、それをやるなら電子制御でプログラム的に制御したほうが簡単です。
覚える方も簡単ですよね。
またじゃあ外部フィルターにモニターをくっつけて、タッチパネルで操作するということも考えられますが、防水の観点や液晶の割れやコストの観点から余計なものがフィルターに物理的にくっついていないほうが安全です。だからこそスマホアプリで制御するようにしているのでしょう。
こうした観点からWi-Fiで制御するというのは理にかなっており、今までにないより生体に適した制御をするという観点で有用な機能と思われます。
まとめ【エーハイム最新機種はかゆいところに手が届くプロ向け機種】
今回はエーハイムの最上位モデルである5e 2274について活用場面などを考えてみました。
高いだけではない輝く場面がある機種ですね。
予算があれば色々なことができるので良い製品です