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今回は藍藻を食べる生体としてヒメタニシを紹介するという内容です。
以前メダカのフンを食べてくれる生体としてヒメタニシをご紹介しました。
ヒメタニシの濾過摂食という性質は藍藻(アオコ)にも有効なので、藍藻対策でヒメタニシを利用してみてはどうでしょうかという話をします。
藍藻は発生すると手作業で剥がして水中に散らばった残骸をきれいにスポイトで除去するのが非常に面倒なコケです。
ヒメタニシがある程度フンとしてまとめてくれれば掃除のハードルがかなり下がると思います。
貝類の濾過摂食と藍藻
貝類の中には濾過摂食という仕組みで水中の魚のフンからできるデトリタスや藍藻(アオコ)を摂食しまとめてフン(擬糞)として排出する性質があるものがいます。
また、湖沼に生息する二枚貝類は植物プランクトンを濾過摂食する11)が、イシガイは岸際に分布する傾向があることが報告されている12)。
菅原 巧太朗, 藤林 恵, 遠田 幸生, 荒木 美穂, 岡野 邦宏, 宮田 直幸, 富栄養化湖沼の浅い沿岸域における藍藻類の日周鉛直移動と栄養塩動態の関係, 日本水処理生物学会誌/55 巻 (2019) 2 号
3)水質浄化を目的として大型二枚貝を用いて植物プランクトンを除去する場合,擬糞となったラン藻類が再懸濁することがないよう,擬糞を回収する必要がある。
西尾 孝之, 大島 詔, 北野 雅昭, 二枚貝を用いたアオコの繁殖した都市公園池の水質改善の試みにおける擬糞回収の有効性評価,日本水処理生物学会誌/50 巻 (2014) 1 号
「植物プランクトン=藍藻」として扱われているので、藍藻を濾過摂食によって擬糞として排出する能力が濾過摂食する貝類にはあると考えられます。
実際濾過摂食の能力を持ったヒメタニシを緑色の飼育水に入れると多少時間がかかるものの次第に透明になっているというのは我が家の水槽でも確認できたので、ヒメタニシにも藍藻の濾過摂食能力があると考えられます。
上の研究はアオコに対する研究なのでベッタリした藍藻とは違いますが、藍藻はアオコの仲間なので、ベッタリした藍藻も食べると思われます。
実際我が家では藍藻のツンとした匂いがするメダカ鉢に2匹のヒメタニシを入れてみましたが、数週間で匂いがほとんどしなくなりました。ある程度効果があると思います。
どのくらい入れればいいのか
経験上、30cmキューブ水槽に3匹くらい入れておくといいと思います。各水槽サイズと水量の目安は以下を参考にしてください。
水槽 | サイズ | 水量 |
30cmキューブ水槽 | 30×30×30cm | 約22〜24L |
45cm規格水槽 | 45×27×30cm | 約28~31L |
60cm規格水槽 | 60×30×36cm | 約55〜59L |
60cm水槽なら5〜6匹入れるといいと思います。まあ景観の問題もあるので、予防的に入れるならもう少し少なくてもよいでしょう。
貝のフンを取り除かないとあまり意味ない
上の参考にした研究では擬糞中の藍藻は死滅しないという結果が出ているので、擬糞を放置すると藍藻は再び増殖します。
ただ擬糞にする過程でベッタリした藍藻が、掃除しやすいベッタリしないフンとして排出されるので、それを見つけ次第取り除くと藍藻を効率的に除去できるでしょう。
ヒメタニシの飼い方
基本的に魚を飼っている水槽ならエサを与えたりする必要はありません。自然に発生するコケを食べて生存します。
水質は弱酸性から弱アルカリ性まで幅広く適応します。
水温も5℃程度以上を保てばよいです。
複数匹で飼育すると稚貝を産んで繁殖します。
アンモニアなどが増えると殻を閉じます。生存自体はしているので水換えして栄養塩を除去してください。
水草の食害も無いわけではないので貴重な水草を飼育する水槽に入れるのはよく考えましょう。少なめの導入で様子を見たほうが無難です。
他の貝(石巻貝とかフネアマ貝とかラムズホーン)ではダメなの?
石巻貝、フネアマ貝、ラムズホーンは苔取り生体として有名ですが、濾過摂食の能力ははっきりしません。
ちゃんと濾過摂食ができると言われていて入手しやすいのがヒメタニシとなっています。
まとめ【藍藻対策でヒメタニシを入れてみるのもいいかも】
今回は藍藻対策でヒメタニシを導入してみてはどうでしょうかという内容を解説しました。
藍藻は発生すると手作業で剥がして水中に散らばった残骸をきれいにスポイトで除去するのが非常に面倒なコケです。
ヒメタニシがある程度フンとしてまとめてくれれば掃除のハードルがかなり下がると思います。

緑色に濁った水の透明化にも役立ちます