エアレーションがうるさい時の対策

今回はエアレーションがうるさいというときの対策について解説します。

結論：現在の構造ではこれ以上の改善は無理っぽい

その理由はいくつかあったのですが、すでに現在のエアー吐出の構造で考えると、「静音性」の構造上のメーカー間の競争は限界に達している、という判断がありました。

GEX, 「音」が静かなエアーポンプを求めて…サイレントフォース開発秘話

大手のアクアリウムメーカーのGEXさんの情報なので、おそらく現在のダイヤフラム方式のエアーポンプはこれ以上稼働音を小さくするのは無理っぽいですね。

ダイヤフラム方式というのは磁石を用いてダイヤフラムというゴムを変形させて吸気と排気を行ってエアーを供給する方式です。

ほとんどのメーカーのエアーポンプはダイヤフラム方式です。

各アクアリウムメーカーから様々な「静音」エアーポンプが販売されていますが、もうあまり差はないと考えて良いでしょう。

ダイヤフラム方式の王者「水心」

ダイヤフラム方式で色々私もエアーポンプを使ってきましたが、水作の水心を超える静音性のエアーポンプは無いように思います。

これもある程度ブーンという音はするのですが、唯一寝室でかろうじて使えるエアーポンプです。

ダイヤフラム方式の騒音がこれ以上下がらないことを考慮すると、おそらく今後もダイヤフラム方式を採用する限りこれ以上の静音性は期待できないでしょう。

ピエゾ素子方式も出てきているが…

ニッソーからMUTEシリーズのエアーポンプが販売されています。ピエゾ素子を使った新方式のエアーポンプです。

確かに静音です。騒音の大きさで言えば水心より小さいです。

ただこれもやや高い「チー」って感じの音はします。寝室だとベッドとMUTEの間に水槽とか家具があればなんとか寝れるかなくらい。

また吐き出し出力がかなり小さく、MUTE Sでギリギリ、ロカボーイSが一つ稼働できるかなくらい。

スポンジフィルターを普通に稼働させたいならMUTE D、分岐させて使いたいならMUTE DC600でギリギリ2つくらいのチューブに対応くらいですね。スポンジフィルターもDC600が必要かもしれないレベル。

そもそも水心SSPP-3Sが吐き出し量3000ml/分、DC600で600ml/分なので、SSPP-3Sを最弱くらいで使ってもDC600と同程度でしょう。

そして残念ながら価格が高い。水心SSPP-3Sが1900円くらいなのですが、MUTEはSで2000円程度、Dで2800円程度、DC600に至っては6000円です。

コスパを考えると水心に軍配が上がりますね。

MUTE DC600の出力で水心SSPP-3Sくらいの価格になるとまたゲーム・チェンジになるんですけど、まだそこまでにはなっていない感じです。

本体の振動が床に伝播する騒音への対策

GEXのサイレントフォースは床や棚に直置きしても床に振動が伝わりにくいエアーポンプです。

エアーポンプにはゴム足がついていて、それでも床のビビリ音を低減してくれるのですが、これは2つのダイヤフラムを使ってそれが騒音を打ち消すという発想のエアーポンプで私も使いましたが、確かに棚にそのまま置いてもビビリ音はほとんどなかったです。

ただしダイヤフラム方式なので、水心ほどの小さなブーン音は得られず、結局寝室のベッドと水槽の間に棚を置いてようやく眠れるかなくらい。

確かに低騒音なんだけど、劇的に低騒音というのは、やはりダイヤフラム方式の壁を超えられていないという結果です。

まあそれはGEXも公式ブログで言及していますしね。

また同じようなことをしたいなら昔からやられている「S字フックでポンプを紐に吊るす」とか「100均の人工芝とか防振ゴムなどを敷く」という対策も有効です。

水心とかにこれをやるとまあ、そこそこ我慢できるくらいには静かになります。

エアレーションの効果

エアレーションがうるさいからと言ってエアレーションが無いというのはそれはそれでリスクがあります。

油膜の防止

油膜は有機物の膜なので、水中のバクテリアが分解してくれます。

このバクテリアは酸素で活動する好気性バクテリアなので、エアレーションによって油膜の分解が促進されます。

エアレーションと油膜に関しては以下の記事をご覧ください。

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濁りの除去

油膜同様、水槽の濁りは基本的に有機物の粒なので、バクテリアをうまく繁殖させればより濁りの除去に役立ちます。

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生体への酸素の供給

当然ながら生体への酸素供給の意味でエアレーションは重要です。

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生物ろ過の促進

生物ろ過には硝化が重要なのですが、硝化菌は酸素で活動する好気性バクテリアなので、エアレーションすることで生物ろ過を強化できます。

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まとめ【エアレーションがうるさいときの対策など】

今回はエアレーションがうるさいというときの対策について解説しました。

基本的に静音を売りにするエアーポンプ、特に水心あたりを使うとまず静音になりますよ、という話でした。

また床や棚に置いたときはサイレントフォースなどを利用するか、人工芝とか防振マットなどを100均で購入して敷いてみてはいかがでしょうか。

ただダイヤフラム方式を採用する限り、水心以上の静音エアーポンプは当分出てこないでしょう。