水槽トラブル・飼育方法

熱帯魚水槽用の26℃固定ヒーターが26℃にならない?【多少の誤差は許容しよう】

水槽トラブル・飼育方法

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今回は熱帯魚用のオートヒーターが26℃固定式なのに26℃にならないという話題に関する内容です。

それ、誤差の範囲かもしれません

まず26℃固定式などの「温度固定式ヒーター」は「誤差」があります。

誤差の範囲内でだいたい26℃程度を維持するのが26℃固定式ヒーターの機能なのです。

例えばGEXの「熱帯魚元気 オートヒーター80」の場合、公式ページに測定精度±1.5℃とあります。

参考1:GEX, 熱帯魚元気 オートヒーター80

つまり誤差が±1.5℃あるので、24.5℃のときもあれば、27.5℃のときもあるということです。

少なくてもこの範囲なら正常に稼働しているので、あまり慌てずにいましょう。

熱帯魚とはいえ、カージナルテトラなら20℃から28℃、コリドラスステルバイなら20℃から27℃の範囲で生活できます。

参考2:charm楽天市場店

水温が急激に下がらない限り熱帯魚はある程度耐えられます。±2℃以上いきなり変わると温度ショックが発生する可能性が高まりますが、緩やかに25℃くらいになったならそれほど心配する必要はないでしょう。

誤差以上に水温が温まらないときは?

おそらく制御装置が作動している

いつまでたっても水温が20℃程度にしかならない場合は水中ではなく空中でヒーターの電源コードを差し込んでしまって、「空焚き」が発生したために制御装置が通電を遮断している可能性があります。

空焚きというのはヒーターを空中で温めたときに発生する現象です。

ヒーターは水中では温まりにくい水を加熱するので表面温度は数十度にしかなりませんが、空中では簡単に温まる(というか温める対象が無い)ので300℃程度まで表面温度が上昇する可能性があります。

そうするとヒーターカバーも溶けますし、さらに過熱すると火災の原因にもなってしまいます。

そこで観賞魚用のヒーターには空焚き防止制御装置が組み込まれていて、空焚きのような急激な温度上昇を感知して電流が流れないような遮断機能が搭載されています。

この空焚き防止機能は以下の二つのタイプが存在し、前者の場合制御機能が働いても再使用可能となっています。

  • 空焚きセンサーと温度ヒューズの二段階制御
  • 温度ヒューズのみの制御

空焚きセンサーと温度ヒューズの二段階制御で有名なのはGEXのヒーターです。

参考3:GEX, ~安全のその先を目指して~ 特許取得の新構造ヒーターを開発

二段階制御で空焚きセンサーが最初に通電のオンオフを行うため、この機能内に収まる使い方をすれば再使用が可能です。それでもあまりにも温度が上がると二段階目の温度ヒューズが作動して、作動すると再使用不可になります。

次が温度ヒューズだけの場合。温度ヒューズはある温度以上になると物理的に線が切れます。スイッチ方式ではないので、これが切れると再使用不可となりヒーターは廃棄して新しいものを買ってくるしかありません。

二段階制御の場合、ヒーター温度が下がれば再使用可能な場合があるので、コンセントに繋がずに水中にしばらく沈めてヒーターが冷えてからコンセントを入れて様子をみてください。

二段階制御ではない温度ヒューズのみのヒーターの場合、再使用はできません。

そういうヒーターの場合、この次の章で解説する「ヒーター容量が水槽に合っていない」「設置する場所が悪い」を読んでから、新しいものを買うかヒーターを買い足すか考えてみましょう。

ヒーター容量が水槽に合っていない

ヒーターには「適合水槽のサイズ」が存在します。

よく消費電力20Wとか80Wという表記がヒーターパッケージに書かれています。

そこで注意してパッケージを見てみると「適合水槽:水容量約26L以下」とか「適合水槽:約12L以下」とか書かれています。

小さいワット数のヒーターは最大でもその出力でしか水槽の水を加熱できません。

ライターの火で25mプールを温めようとするような話になります。

つまり小さい容量(ワット数)のヒーターを適合水槽以上の大きさ、水量の水槽に使うといつまでたっても焼け石に水状態になって水温が上がりません。

水温がいつまでたっても上昇しない場合は、ヒーターの適合水槽を確認して、小さすぎるヒーター容量になっていないか確認してみてください。

容量が足りなければ容量が水槽サイズに合ったヒーターに買い替えましょう。

以下に代表的な3つの大きさの水槽の水量の目安を載せておきます。

水槽サイズ水量
30cmキューブ水槽30×30×30cm約25L
45cm規格水槽45×24×30cm約29L
60cm規格水槽60×30×36cm約59L

設置する場所が悪い

ヒーターは基本的に水槽の底の方に設置します。

これは温かい水は軽いので水槽の上の方に集まる、冷たい水は重いので水槽の下に集まるという性質が関係しています。

ヒーターが水槽の水面付近にあると、ヒーターが空中に露出して空焚きの危険が高まるだけでなく、水槽の水面付近の上の部分の水だけを温めてしまうのです。

温かく軽い水が水面付近にあると、下にもぐる力がないので、いつまでたっても水槽の下に熱が伝わりません。

逆に水槽の底の方にヒーターを設置すると、温まった軽い水が上昇して、冷たい重い水が底の方に集まるので、ヒーターが冷たい水を再び温めるので全体がより均一に温まるようになります。(自然対流と言います)

ヒーターの設置位置も考えてみてください。温度計が水槽の底にある場合低い温度を示しがちです。

ヒーターの近くで温度を測ってみるなどの対策も、ヒーターが稼働しているかどうかの確認になります。

またどうしても水槽の中間くらいの高さに設置したいなどの場合は、フィルターの吐き出し口近くに設置して、水を強制的に循環しているフィルターの流れに温めた水を乗せるといいでしょう。

ヒーターの寿命

ヒーターは電子制御ですので、電子機器の劣化などで壊れる場合があります。

寿命を迎えたヒーターは使えなくなるので新しいものを買いましょう。

まとめ【26℃固定と言えども誤差はある】

今回は26℃固定式の観賞魚用ヒーターが26℃ピッタリにならないという内容で解説しました。

誤差はあるので、ヒーターの商品サイトや説明書を読んでみて、誤差の範囲を確認してみましょう。

どうにも今回挙げたパターンに合致しないけど温まらない場合は寿命の場合もあるので新しいものを買ったほうがいいと思われます。

予備のヒーターを買っておくのが基本です