[PR]当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
はじめに
今回は夏の高温にさらされる水槽にはエアレーションがあったほうが良いという話。
どうも水中の酸素量が魚の生存と関係しているっぽいということに気づきました。
今回は夏の水槽管理の一つの手法について述べていきます。
夏を経て気づいたこと
まず我が家の水槽に起こった出来事から。
近年温暖化で猛暑になる年が増えています。
私の住む地域でも夏は35度超えが頻繁に起こります。
水槽の水温は上がりすぎないほうが良いのですが、電気代のこともあり、夏のシーズン中ずっと冷房をつけていることができません。
どうしても外出中は冷房を止めることがあるのです。
そんな水槽でグッピーを飼っていた中、夏シーズンが終わるとやはりグッピーが減りました。
しかし減ったのはグッピーだけで、他の水槽のコリドラスは減りませんでした。
グッピーが弱いからだと考えていましたが、コリドラスも特別強いというわけではありません。
どうしてだろうと考えて水槽を観察してみました。
するとグッピーが減った水槽だけ水中ポンプ式の投げ込みフィルターのみで運営されていました。
そして他の水槽にはエアレーションか外掛式ろ過器が設置されていました。
酸素量が鍵っぽい
水中ポンプ式投げ込みフィルターというのはこういうやつです。
外部ろ過器を水中に沈めたような製品なのですが、エアレーションがないのでCO2が逃げにくく、水草の育成には便利なフィルターです。
要するにエアレーションが無いので酸素の供給も減るんです。
外掛け式ろ過器は水面にバシャバシャと水が落ちるので酸素の供給があります。
この水中ポンプのフィルターよりは酸素の供給があるでしょう。
そこで酸素に狙いをつけて、数が減ったグッピーの水槽にエアレーション起動の投げ込み式フィルターを導入しました。
水作とかGEXとかの安いやつです。
すると夏シーズン、日中のエアコンなしでもグッピーがほとんど減らなくなりました。
どうやらエアレーション、つまり水中の酸素量とグッピーの生存には関係があるようです。
高山病で例えてみる水中酸素量の変化
山登りでいきなり高所に行くと、酸素濃度の変化から体調が悪くなることがあります。
これを高山病といいます。
高山病には山酔いというものがあります。
山酔い(AMS)は一番よく見られる症状で、1200~1800mの高度でも発症し、2700m以上の高さに急にのぼったときによくおきます。症状は二日酔に似ていて、頭痛や倦怠感があり食欲が無く、吐き気があり時には嘔吐します。
参考:医療法人彩新会, 高山病で死なないために, 閲覧日:2023-01-12
試しに高山病発生の可能性がある標高1500mでの酸素濃度について考えてみます。
気圧と高度のおおよその関係
高度、気圧の順
0m(海面) 1013hpa1,500m 850hPa
ベルシステム24, 気象病に関する気象用語, 閲覧日:2023-01-12
酸素濃度は気圧に比例して大きくなるので標高1500mの場所の酸素濃度は平地の標高0mの濃度に比べて
850/1013=0.84
つまり84%になるということです。
次に水槽の水温変化による酸素濃度の変化を計算してみます。
水中の飽和溶存酸素量と水温の関係
25℃→8.11[mg/L]
36℃→6.94[mg/L]
参考:株式会社エム・システム技研, 溶存酸素計のはなし, 閲覧日:2023-01-12
36℃の水中のマックスの酸素量は25℃の水中のマックスの酸素量に対して
6.94/8.11=0.86
つまり86%になるということです。
高山病の数値より2%高いので、少し標高を下げてみます。
標高が100m下がると気圧は約10hPa上がるので標高1300mで気圧870hPaとすると
870/1013=0.86
つまり86%になります。
標高1300mは山酔いの可能性のある高度です。
水中で高山病並の酸素量の低下がある
上で計算したように水温が春・秋・冬の25℃程度から夏の36℃まで上がると、水中酸素量の上限は人間が高山病を引き起こすくらいまで減少します。
それが2ヶ月くらい続くわけです。
魚と人間は一概に同じ議論をすることはできないのですが、魚に何らかの影響があると考えるのは完全に誤りではないと考えられます。
事実私の水槽ではエアレーションしたらグッピーの減少が止まり、減少しない水槽ではエアレーションなどの水中酸素量を増やす対策が行われていました。
夏はエアレーションしてみるとよいかも
まとめると夏の高水温の水槽の中は酸素が不足しやすい。
だからエアレーションするといいかも。
という内容でした。
なんか魚が夏を過ぎると減るんだよな。
そう感じたら試してみてはいかがでしょうか。