水槽アイテム・生体紹介

外掛けフィルターでCO2が漏れる?→外掛け式外部フィルター使おう

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今回は外掛けフィルターで水草水槽をやりたいときCO2が漏れるのでどうにかならないかという内容を解説します。

外掛けフィルターではCO2が逃げがち

自然現象から考えてみる

例えば海水にたくさんCO2が溶けている場合、CO2は空気中に放出されます。

以下の文献(1)ではCO2フラックスと呼ばれる液体と気体(海や川と大気)のCO2の交換量に関する研究がなされていて、河川のCO2の移動に関して以下のように述べられています。

大和川河口域は,冬のみCO2の吸収源で,冬以外はCO2の放出の場であった.

遠藤 徹, 今吉 紘頌, 原田 範子, 水質連続モニタリングによる大和川河口域におけるCO2交換特性の把握, 土木学会論文集B2(海岸工学)/75 巻 (2019) 2 号

このCO2フラックス(Fとします)の計算式は文献(2)から以下のようなものとなっています。

\(F=k_L S\Delta pCO_2\)

文献(2):津守 博通, 杉原 裕司, 増田 章, 風波気液界面を通しての二酸化炭素交換量の測定, 海岸工学論文集/50 巻 (2003)

ここでkLがCO2交換係数と呼ばれるCO2の交換量を左右する係数、Sが水中のCO2の溶解度、\(\Delta pCO_2\)が気液界面を挾んでのCO2分圧差でこの圧力差で大気中への放出か、海水などへの吸収かが左右されます。

CO2分圧差は文献2の場合、水をCO2で曝気したときに水中のCO2の分圧が水中の分圧より高い傾向がありました。つまり水中から大気中への放出となります。

ただし文献1にあるように、常に水中から大気へではなく、大気から水中へという場合もあります。

今回は文献2のCO2の曝気を水草水槽での水中へのCO2の添加ととらえ、分圧差は水中から大気への放出と考えます。

結局何が言いたいかというと、CO2フラックスの式から以下の内容が言えるということです。

  • CO2交換係数が高ければよくCO2が放出される
  • 水中に溶けているCO2が多ければCO2はよく放出される

ではCO2交換係数が高いのはどんなときかというと、以下のような場合に高くなります(参考:文献(1)と文献(2))。

気体の風速が強い

水温の影響もありますが、主な要因は気体の速度です。

つまり水流が強く流れていれば相対的に気体が速く動くのでCO2が放出しやすく、またCO2を添加すればするほど水中のCO2の溶解度が増えてCO2の放出が増えるということになります。

外掛けフィルターを空気に触れさせなければCO2は逃げない

外掛けフィルターで空気と触れる面はどうしても水が流れてしまうので、これを何とかする方法はほとんどありません。

また外掛けフィルター内にCO2を添加しても、結局CO2が溶けてすぐに空気に触れて逃げていってしまうので、水槽内で添加するとかフィルター内で添加するというのはあまり意味のない議論と思われます。

結局外掛けフィルターの水を空気に触れさせないようにするしか根本的な解決策はないと思われます。

CO2は無料で添加する方法がないので、コストをかける以上、大気中への放出以上にたくさん添加すればいいという話にはならないですし。もったいないので。そんなことするとCO2にかける余分なコストで外部フィルターが買えてしまいます。

じゃあ外部フィルターみたいな外掛けフィルターはないの?→実はある

この問題を解決する外掛けフィルター型の外部フィルターが存在します。

それが以下の製品。45cm水槽まで使えるOASE フィルトスマート60。

ただし外掛けするためのハンガーは別売りで人気がありすぎてAmazonでは欠品が多いです。charm楽天市場店ならたまに入荷していたりします。


Oase フィルトスマート60用ホルダー 外部フィルター 45cm水槽 アクアリウム 小型水槽 横置き 水草 関東当日便

じゃあ外部フィルター買えばいいじゃん、と思うかもしれませんが、外掛けするメリットもあるのです。

  • 水槽台の下に収納スペースがない場合有利
  • 水槽台の脇にスペースがない場合有利

どういうことかというと、水槽台は基本的に下に外部フィルターを収納する場所が設けられているのですが、専用の水槽台ではない水槽台の場合この空間が無い場合もあり、そういうとき水槽さえ設置できれば設置できる外掛け式外部フィルターは有利です。

専用水槽台は観賞用に人が立った時に見やすいようにできていて、背が高く、地震に弱い傾向があります。

低い水槽台に水槽を設置したい場合もあるでしょう。こういうとき外掛け式外部フィルターが選択肢に挙がってきます。

またこれは水槽の脇にスペースがない場合も同様で、例えば水槽台は台の上のスペースに水槽がピッタリ収まるように台の部分に余分なスペースがありません。

つまり水槽脇に外部フィルターを設置するためには30cmキューブ水槽に45cm水槽用の台を使うなどしないと脇にフィルターが置けません。

外掛け式なら「置く」ではなく「かける」ので置くスペースがいらないため、30cmキューブ水槽用の台に30cmキューブ水槽を置いてそこにフィルターを設置するということができます。

まとめ【外掛けフィルター使いたい時にCO2が逃げるなら外掛け式外部フィルターにするのも一手】

今回は水草水槽をやりたいとき外掛けフィルターでCO2が逃げないようにできないか、という内容で解説しました。

ちょっと通常の外掛けフィルターの場合根本的に逃げないようにはしにくいので、多少お高いですが外掛け式の外部フィルターを購入するといいんじゃないでしょうか。

外部フィルターが使えないかもよく検討しましょう。外部フィルターを床置きするという方法もあります

また安価に水草水槽をやりたいなら水中フィルターという手もあります。水槽内は多少狭くなりますが、45cm水槽くらいなら許容できるかもしれません。