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今回は水槽のエアレーションの泡は細かいほうがいいのかという話題に関する解説です。
泡は細かいほうが酸素がよく溶け込む
単純に水中をエアレーションの泡が移動することによる水中への酸素供給を考えてみます。
詳細な計算は以下の記事で行っています。
酸素の溶け込みやすさを決める係数KLaの式の分子は気泡径の1/4乗、分母は気泡径の3/2乗なので、全体では1/4-3/2=-5/4乗に比例、つまり気泡径の5/4乗に反比例することになり、気泡径が小さいほうがKLaは大きくなる、つまり小さい気泡径のほうが酸素の溶出速度は速いと言えます。
ただし細かい泡は水面付近の再曝気ではマイナス
水面付近に水面の乱れや流れがあると再曝気と呼ばれる現象で水面へ大気から酸素が供給されます。
以下の記事で計算していますが、気泡の上への流速は気泡径の1/2乗に比例するので、気泡径が大きければそれだけ上への上昇スピードが上がり、水面付近の流速が速くなるので再曝気が促進されます。
とはいえ、一般に気泡径が小さいほうがよく酸素が溶け込むというのは現象としてあるので、今回は細かい泡のほうが酸素が良く溶け込むと考えます。
CASE-C2のMB発生装置単独(以下,MB単独)の場合は,エアストーンより細かな微細気泡を供給することで約12倍のDO増加効果を発揮した.
木俣陽一, 京藤敏達, 歌川紀之, エアレーションによるDO増加過程に気泡径および水質が及ぼす影響の研究, 水工学論文集/51 巻 (2007)
気泡径が小さいエアストーン
気泡径が小さいほうが酸素は良く溶け込むという話をしてきたので、ここからは細かい泡が出るエアストーンをご紹介します。
とりあえず「スドー」か「いぶき」あたりを選んでおけば細かい泡が出ます。
スドーだと以下のようなものがあります。
スドーの場合商品説明で「空孔長250μm以下、空孔率約35%を実現しました。」という文言が多いので泡の細かさは比較しにくいですが、同じくらいの細かさは担保されているようです。
いぶきの場合は「#100」とか「#180」という区分けがされており、#の後の数字が大きいほうが細かい泡が出ます。
適合吐出し量を満たすエアーポンプでおすすめは以下の水心です。
エアーチューブもそろえましょう。
追記【気泡径があまりにも細かいと問題になる可能性がある】
詳細は以下の記事で解説していますが、気泡径が小さすぎるとダメな魚種がある(イソギンチャクなど)可能性があり、魚ごとにこれ以上細かい泡だと問題になるという気泡径が存在する可能性があります。
ただし、市販されている通常のエアストーンを使用していれば大きな問題は無いと思われます。
まとめ【細かい泡で水中の酸素を増やそう】
今回はエアレーションの泡は小さい気泡のほうがいいのかという話題を解説しました。
細かいほうが酸素は良く溶け込むので、細かい泡の出るエアストーンを選んでみるといいかもしれません。
エアレーションは油膜対策にもなるので水草水槽以外なら基本的にやっておいたほうがいいですよ