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今回は金魚の水温は30度までに抑えたほうがいいのかという話題を解説します。
金魚水槽は夏に高水温になりがちです。
ガラス水槽なんかで飼育せずにプラスチックの桶みたいなもので飼育しているなら水槽用クーラーを付けたりはしないはずですし、人間用クーラーがつけっぱなしという環境も少ないでしょう。
放置していると昨今の猛暑でいつの間にか室温が35度なんてこともあり、水温もそれに引っ張られてそのくらいまで上昇してしまいます。
特に「境目」と言われているのが30度という水温。

詳しくは上の記事でやりましたが、確かに30度というのはある種の「境目」です。
また,急激な水温変化の実験では,実験区 2(30°C) では対照区との間に有意な差は認められなかったもの の,実験区 3 では,40°C 放置中にすべての金魚が横転 し,20°C に戻しても蘇生しなかった。この結果から, 30°C から 40°C までの間に摂餌から死に至るまでの臨界 水温が存在すると考えられ,この水温を詳細に調べることにより,徐々に摂餌が減退していくのか,あるいは突 然に摂餌が止まり死に至るのかが明らかになると考える。
播磨柚葉, 令和4年度春季大会 高校生による研究発表最優秀賞を受賞して「強振動と急激な水温変化が及ぼす金魚摂餌への影響」, 日本水産学会誌/88 巻 (2022) 6 号
今、0℃の水で飼育すると致死温度の上限は27℃であるが、この金魚を25℃の水に順化させると水温37℃まで棲息可能である。
小坂光男, 山根基, 松本 実, 加藤貴英, 松井信夫, 温熱ストレスによる生体機能の修飾, 中京大学体育学論叢 43-1,77-86 2001
上の2つの文献で言っていることをまとめると以下となります。
とはいえ、上の文献は何年間も飼育した結果とは言い難く、長期間37度で維持したらどうなるかとか、30度にしてもそれを長期間夏の間維持して数年後どうなるかとかを実験したわけではないと考えられ、それを踏まえると確かに「30度以下くらいを維持しておいたほうが無難」というのもある程度正しいと思われます。
結論としては「おそらく35度くらいでも問題ない」となります。
我が家のらんちゅうは以下のようなプラスチックの桶に入って夏は廊下に日が当たるけど水槽には直射日光が当たらない日陰くらいの場所で飼育しています。

夏は猛暑日が何日もありましたが、特にクーラーとか凍らせたペットボトルとかをせずに普通に何年も生きています。
この経験からおそらく35度くらいでも一日の最低気温が25度以上くらいの環境なら上の文献のように37度とはいかなくても35度くらいなら大丈夫な印象です。
30度なら確かに大丈夫そうなのですが、そうは言っても注意点はあります。
夏は高水温によって酸素が溶ける限界値である飽和溶存酸素量が減り、水中への酸素供給速度が減少するので酸欠になりますくなります。

基本的にエアレーションすれば酸欠になることはほぼありません。

また上の記事でやりましたが、金魚の呼吸による酸素消費量と水槽にエアレーションがなくて風だけが酸素の供給源だった場合の酸素供給量の兼ね合いから何匹飼えるかと計算してみました。
するとだいたい体長10cmの金魚では体長1cmに対して飼育水1Lの法則、体長15cmの金魚では体長1cmに対して飼育水2Lの法則が適用されるくらいが酸欠にならずにギリギリ飼えるくらいの目安です。
| 水槽 | サイズ | 水量 |
| 30cmキューブ水槽 | 30×30×30cm | 約22〜24L |
| 45cm規格水槽 | 45×27×30cm | 約29~31L |
| 60cm規格水槽 | 60×30×36cm | 約59L |
適正匹数を守ることで酸欠のリスクが減らせます。

基本的にお魚は急冷すると弱りやすいです。
メダカなんかはそれが顕著で、凍らせたペットボトルを小さなメダカ鉢にポンと入れて、水温を4度程度急冷させると弱ります。
金魚も同様と考えられます。
例えば水槽用クーラーを一日の決まった時刻だけ稼働させるのはおすすめしません。水温35度だったから設定温度を28度にして一気に30度以下をキープするとかやると明らかに急冷になるので、金魚に良くないです。
アクアショップだって夏は室内の人間用クーラーで部屋全体を一定温度に保つことで水温も一定に保ちます。
水温を上げたり下げたりしすぎない運営がなされているのです。
水槽用クーラーを使ってもいいですが、急冷には気をつけてください。
実際のところ夏は水温が上がって呼吸量が増えて代謝も活発になります。
参考(1):平間(村山) 幸子, 北野 日出男, キンギョCarassius auratusの呼吸運動(鯉蓋開閉)に与える水温および水中溶存酸素量の影響, 生物教育/37 巻 (1997) 1-2 号
この参考(1)の表1によると1分間の鰓蓋開閉回数[回数/分]の平均値は10℃で60.7±6.9、20℃で110.2±13.5、30℃で148.9±14.2となっています。±のあとの数値は標準偏差です。
水温が上がると金魚の呼吸数は上昇します。
そのため夏はエサの量を増やしたくなるのですが、金魚は胃が無いので与えれば与えるほど食べます。
すると消化不良を起こしやすくなるので、一度にたくさんエサを与えないのが大切。
体力を付けさせようと思うなら餌やりの回数を一日2回だったのを一回のエサの量をちょっと減らして3回にする。
エサの量を増やすなら一度に与える量を増やすのではなく少量を何回も与えるようにしたほうが胃の負担が減って消化不良になりにくいです。
ただ与えるエサの量が増えればそれだけろ過バクテリアへの負担は増加します。
ろ過バクテリアは酸素を必要とするので、できればエアレーションしてあげたほうが生物ろ過が弱らずにたくさんのフンを処理できていいと思います。

我が家はずっとアイドルというエサを与えています。安くて量が多く昔からの定番商品です。
なお生物ろ過に関しては以下の記事で詳細に解説しているのでそちらもご覧ください。

普通に夏を過ごしていれば30度以上に室温は簡単に上昇してしまいます。
これを解決するにはクーラーを使うくらいしか方法はありません。
35度くらいでも大丈夫と判断したならスダレやよしずで遮光しましょう。
しかし室内飼育で30度以下を保つなら水槽用クーラーで水槽を冷却するか人間用クーラーで室内を冷却する必要があります。

急冷には気をつけましょう。水温変化は少ないほうがいいです。
今回は夏の金魚の水温は30度以下にしたほうがいいのかという内容で解説しました。
30度以下に維持するでもいいですが水温変化は少なくしましょう。
35度くらいでもいいように思いますが、そこは飼育者の判断ですね。

30度というのは境目ですが、維持するにはそれなりにテクニックが必要です