水槽トラブル・飼育方法

グッピー水槽に入れる水草【鍵はpH】

水槽トラブル・飼育方法

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今回はグッピー水槽に入れたい水草について解説します。

グッピーの好む水質

グッピーの飼育に関しては私がどうこう言うよりショップの情報のほうが正確です。(参考:charm楽天市場店国産ミックスグッピー

  • 温度 → 20~28度
  • 水質 → 中性~弱アルカリ性

水温は普通の熱帯魚ヒーターの設定温度である26℃くらいを維持しておけば十分です。

その他の注意点などは以下の記事もご覧ください。国産グッピーと外国産グッピーの混泳は避けたほうが無難です。

問題はpHです。中性から弱アルカリ性を好みます。

一般に水草水槽をやろうと思うとソイルを使うことになります。多くの水草が弱酸性の軟水を好むからです。

つまり普通に水草水槽をやろうと思うとpHが低いためグッピーには最適とは言えない環境で飼育することになってしまいます。

中性から弱アルカリ性で水草を取りいれてグッピーを飼う

中性から弱アルカリ性にするソイルは無いのか

まずpHを弱酸性に変えないソイルは無いのか、というところからお話します。

ソイルの基本的な性質は以下の記事で解説しました。

この中でソイルにはイオン交換によってpHを下げる働きと、ある値のpHを維持しようとするpH緩衝能があることを説明しました。

この働きによってほとんどのソイルはpHが弱酸性に固定されます。

ただ上の記事でも述べましたが、pH緩衝能で固定されるpHには幅が合って、pHが6~8程度になるのが一般的です。

pHは7を中性として、6なら弱酸性、8なら弱アルカリ性です。つまり理論上はpHを中性から弱アルカリ性にする土(ソイル)も存在することになります。

実際に高額ではありますが中性から弱アルカリ性にするグッピー用のソイルというのも販売されています。

これならpHを中性から弱アルカリ性に維持しつつ、ソイルのイオン交換作用が利用できるので、水槽に溜まって欲しくないアンモニウムイオンや亜硝酸イオンや硝酸イオン、リン酸イオンなどを吸着除去してくれます。

リン酸イオンは黒ボク土由来のソイルなら火山灰土なので吸着能力が高いですが、そうでない土でもアルミニウムと鉄は基本的に含まれているので多少はリン酸イオンを吸着すると思われます。

もちろんカルシウムイオンやマグネシウムイオンも吸着するので硬度が下がって軟水化します。

その他にpHを中性から弱アルカリ性にする方法

上のろ材を外掛けフィルターとか外部フィルター、上部フィルターなどに投入しておけばある程度pHを中性から弱アルカリ性にすることが可能です。

また石を入れるとpHを上げる効果があるので、pHの降下を抑制できます。ただ結構pHが上がるのでpHを測りながら使うほうが安全です。

グッピーに適したソイルを使わないなら上の方法も検討してみてください。

中性から弱アルカリ性で育成できる水草

中性付近にpHを維持できるソイルを利用すれば飼育するだけならグッピーに適した環境になります。

しかしながら水草をそのソイルで育成しようとするとまたpHの問題があります。

基本的に水草は弱酸性の軟水を好むものが多く、グッピー専用ソイルの効果で軟水化してもpHが今度は中性から弱アルカリ性になってしまい、pHが合わなくなってしまいよろしくありません。

しかしながら水草の中には中性から弱アルカリ性でも生育可能な種がいます。

それらを利用すればグッピー水槽を水草水槽にすることも可能と思われます。

ここからは中性から弱アルカリ性で育成可能な水草をご紹介します。

なお付け加えておくと水草水槽にはCO2を添加しないといけない水草が多いのですが、CO2を添加するとpHが下がるので、やはりあまりよくありません。

高光量を必要とする水草はCO2の要求量も多く、結局pHが下がってしまうので、普通の水草水槽向けの水草はグッピーとの相性がよくありません。

前置きが長くなりましたが始めていきます。

ミクロソリウムセミナローは我が家でも利用している陰性水草です。この水草の適応pHは5〜7.5とされており、幅広いpHに適応します。

また以下の理由でグッピーの繁殖との相性も良いです。

  • 葉の間に適度な隙間ができ、グッピー稚魚が一時的に隠れる場所になりやすい
  • 陰性水草なので低照度・CO2なしでも育成可能
  • 活着性のため砂に埋める・植える必要がなく、底床の上に置いておくだけで管理できる

稚魚の育成は以下の記事もご覧ください。

我が家ではpHが下がらないように気孔石を入れてpH7くらいで管理していますが、普通にミクロソリウムセミナローが育っています。上のグッピー専用ソイルであるブルカミアGを入れておけば石は不要です。ソイル無しで中性付近に維持したときは石を検討してみてください。かなりボロボロ崩れるので扱いは慎重に。

照明は強力でなくていいので、消費電力も低い(5W程度)以下のコトブキの「フラットLED」をおすすめします。我が家でも使っています。

また陰性水草のアヌビアスナナも同じくらいのpHに対応しているので、前景にワンポイントで導入してみてもいいと思います。

ミクロソリウムもアヌビアスナナもある程度稚魚の隠れ家になりますが、放っておくと全て食べられてしまうので、見つけ次第稚魚ネットに隔離したほうがいいです。汚れやすいので2つあると便利です。

本水槽に稚魚ネットを入れておくとコケが生えて汚くなり、稚魚の生存率も下がっていくので、汚くなったらもう一つの稚魚ネットに交換して、その間に汚くなったネットを塩素系漂白剤で漂白します。残留塩素が心配なら、よくゆすいでからカルキ抜きをバケツに適量入れて一晩浸けてからさらによくゆすぎます。

次の水草に行きます。

アヌビアスナナとは違い少し細長い葉を展開し、背丈30cm程度まで成長する後景向けのアヌビアス・ランケオラータです。

pHは5〜7.5で中性から弱アルカリ性でも生育します。陰性水草なのでCO2不要、低光量OKの水草です。

流木や石に活着させて後景に植えると落ち着いた印象になります。ミクロソリウムセミナローは後景向きですが、結構モサモサボリュームが出てきて圧迫感がある、という時にこちらにするといいかもしれません。

次の水草に行きます。

育成が簡単と言われているバリスネリア・スピラリスです。

CO2添加不要、低光量OK。適応pHは6~7.5でグッピーとの相性も良いです。

ただAmazonのリンクで買うと、現在熱帯魚通販大手charmのページなのに、販売業者が違うという状況になっており、楽天のcharm楽天市場店やヤフーショッピングのcharmヤフー店などのcharm系列が販売するサイトで購入したほうが品質が良いものを入手できる可能性が高まります。Amazonなら多少割高でも出品者をcharmに設定したほうがいいでしょう。

水草自体は後景向きの種で、程よく隙間ができるので稚魚の隠れ家にもなります。あくまで一時的な隠れ家なので、稚魚を見つけたら産卵ネットなどに保護してあげましょう。放置すると稚魚が全て食べられてしまいます。

次の水草に行きます。

マツモです。適応pHは5〜7.5です。CO2不要、低光量OKです。成長が速いので水中の養分を高速で吸収して水質浄化作用が強い水草です。

ただバリスネリア同様、Amazonのリンクだとcharmのページなのに販売業者が違うとなりやすいので、出品者をちゃんとcharmに設定するか、楽天やヤフーショッピングのcharm系列の販売業者から購入したほうがいいでしょう。

最後がアナカリス。

適応pHは6〜7.5。水草の中では珍しいC4植物のような性質を持つ水草で低CO2環境でも光合成能力が高く、CO2無しでもよく成長します。強力な照明にすれば成長スピードは上がりますが、普通の低照度の照明でも育ちます。

密に植えれば稚魚の隠れ家になります。見つけ次第稚魚ネットに保護してください。

まとめ【グッピー飼育で使える水草】

今回はグッピーに使える水草をご紹介しました。

まず水質を中性から弱アルカリ性にするために、専用ソイルか石、pH調整作用のあるろ材を使います。

pHを調節できるようにしたら、中性から弱アルカリ性で生育可能な水草を植えます。

できれば稚魚の隠れ家になるような水草を選びましょう。もし隠れ家なしでグッピーを繁殖させたいなら産卵ボックスを使います。

あとはこまめに掃除します。グッピー飼育ではコケが結構出ます。コケはゴミを絡め取って魚に付着させたりしますし、景観も悪くなるのでこまめに掃除しましょう。

特に問題になるのは黒髭コケ。以下の記事もご覧ください。

水草はpHに気をつけて選びましょう