上部フィルターにろ材を入れすぎるとどうなる？良いことは無い

今回は上部フィルターにろ材を入れすぎるとどうなるのかという内容で解説します。

上部フィルターにろ材を入れすぎると起きること

上部フィルターにろ材を入れすぎると起きることを以下にまとめます。

流量低下からのろ過能力の低下（物理ろ過・生物ろ過双方で低下する）

まず上部フィルターにろ材を詰めすぎるとそれだけフィルター内に送られた水への抵抗が大きくなって流量が低下します。

ろ材は水流にぶつかるわけで、その量が多ければそれだけ抵抗も増えるわけです。

そうなると流量が低下して、フィルターが水槽から吸い上げる水量が低下します。するとフィルターが集めることができるゴミの量が減るので物理ろ過が弱くなります。

それだけでなく、ろ材を通る水が減るのでそれだけ処理できる水が減り、ろ材を通る水が減り、生物ろ過も弱まります。

生物ろ過が弱まれば、硝化のサイクルも回らなくなり、有毒性の強いアンモニウムイオンや亜硝酸イオンが分解されずに水中にただようことになります。

生物ろ過に関しては以下の記事もご覧ください。

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ゴミも漂うし、有害物質も漂うしで目詰まりはいいことが一つもありません。

ろ材を詰めすぎるとこうしたリスクが発生するので上部フィルターにろ材を入れるときはコンテナの7割くらいに詰める程度にしておきましょう。3割くらいは余裕をもたせたほうがいいです。

バクテリアの働きなど生物ろ過の詳細を解説した以下の記事も参考にしてみてください。

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簡単に言うと、水中の油膜の原因になる有機物というのは好気性バクテリアという酸素で駆動するバクテリアによって分解されます。

そしてこの好気性バクテリアはフィルターのろ材に住み着いています。

それがろ材の詰めすぎによる流量低下によって性能を落とします。

これは流量低下のところと同じような話で、流量低下によってバクテリアに届く水が少なくなれば、それだけバクテリアに送られる小さな油膜の原因となる有機物の量も減って、結果として処理できる有機物が減って、油膜の原因の有機物が処理されずに水中に漂うことになります。

つまりろ材を入れすぎると目詰まりして油膜が発生しやすくなるということです。

流量低下からくる酸欠

上部フィルターは水中に酸素を供給しています。

これは外部フィルターと同じ原理で「再曝気」という現象です。外部フィルターによる再曝気については以下の記事もご覧ください。

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要するに水面付近の流れが水中に酸素を供給します。流れが強いほうが酸素の供給能力が高いです。

上部フィルターにろ材を詰めすぎると流量が低下するので、上部フィルターから吐き出される水流が弱まり、再曝気も弱まるため水中へ供給される酸素の量が減ります。

これは水中の様々な好気性バクテリア（酸素が必要）の働きを弱め、好気性バクテリアは生物ろ過や汚れの分解も担うのでそれらが全部影響を受けて生物ろ過の能力低下と汚れの分解不足を引き起こし良いことがありません。

もちろん酸欠になると魚の呼吸にも影響を与えるのでまずい状況になります。

バクテリア活性の低下からのゴミや汚れの腐敗・白濁り→病気になりやすくなる

湿ったゴミを放置するとどうなるでしょうか。腐敗しますよね。

ゴミは有機物なのでそれが分解するには好気性バクテリアが必要なのですが、ろ材の詰め込み過ぎによる流量低下によって好気性バクテリアの能力が低下するので、ゴミの分解が鈍ってゴミが腐敗していきます。

腐敗は当然魚に良くありません。腐敗した水には様々な病原菌が発生するので魚が病気になりやすくなります。

また白濁りも起きやすくなります。白濁りの原因や対策は以下で解説しました。

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要するに好気性バクテリアが減少することで白濁りは発生します。上部フィルターにろ材を詰めすぎると流量が低下してバクテリアの活性も弱まるので白濁りが発生しやすくなります。

上部フィルターの目詰まりを改善するには

基本的に上部フィルターのろ材コンテナの7割ほどを使うようにして残り3割は余裕スペースとして使わないような詰め方が良いでしょう。

みっちり詰めるとろ過力が上がるように感じますが、かえって流量低下を引き起こしやすくなるので詰めすぎに注意してください。

ろ材の順番はとにかく一番上にウールマットを敷いて大きなゴミを濾し取ってそれを定期的に交換することです。

それだけで流量低下はだいぶ改善されるでしょう。ウールマットは消耗品なので定期的に交換します。

ウールマットの下にハードマット、その下にリングろ材という構成が良いように思います。

コスパの良いリングろ材に関しては以下の記事もご覧ください。

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なお水換えのときに定期的にウールマットの飼育水によるもみ出しも行って目詰まりを解消してください。

その下のハードマットやリングろ材も汚れが詰まっていたら水換えのときに汲み出した飼育水でゆすいで通水性を改善させましょう。

まとめ【上部フィルターのろ材を詰めすぎない】

今回は上部フィルターにろ材を入れすぎるとどうなるのかという内容で解説しました。

目詰まりして流量が低下すると良いことはほぼ無いのでろ材を詰め込みすぎないようにしましょう。