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今回は水槽の水換えのしすぎの是非について解説します。
水換えってどういう頻度で行えばいいのか悩みますよね。
週一回1/3がいいと言われていますけど、それだと一週間待つ間にコケがたくさん生えて美観が損なわれたり、なんか魚の調子が悪いなんてこともあります。
週一回1/3でいいのか、もっと高頻度で換えたほうがいいのか。そういうお悩みの指針になるような解説をしていきます。
まず水換えのしすぎは良くないという主張を整理します。
ここからは上の主張に対する対策などの解説です。
確かに飼育水の中にもバクテリアがそれなりにいますから、大量に水換えしてしまうとそれがごっそりいなくなってしまって、ろ過バクテリアが減少するというのはあるでしょう。
ただ水槽で濾過バクテリアが住み着いているのって、砂利の表面とかフィルターのろ材部分なんです。

つまり水換えの量が多くても、砂利をゴシゴシ洗ったり、フィルターのろ材をジャブジャブ塩素入りの水道水で洗ったりしなければバクテリアの減少はそこまで深刻にはならないでしょう。
つまり水換えのときにフィルターとか砂利掃除を一生懸命やらなければ大量・高頻度の水換えはそれほど気にする必要は無いと思われます。
要するに生物ろ過の基盤があるかどうかという話です。
これは確かにあり得ます。
というのも水換えで特に気をつけるべきは「pH」です。
水温は給湯器を使うことで飼育水と同じくらいに調整できるのでいいのですが、pHが大幅に変動すると「pHショック」を魚は引き起こしてしまいます。
pHショックとはpH差が1以上違うくらいの環境にいきなり移されると発症するショック症状のことでこれを避けるために魚を水槽に導入するときに丁寧な水換えが必要なんです。

一般に水槽のpHは「硝化」と呼ばれる生物ろ過が行われることで下がっていきます。

例えばエサが多い水槽だと硝化によるpHの下降が大きくなり、それを全量水換えなどでpH5.5くらいの環境から一気に水道水のpHであるpH7.0くらいにしてしまうと、pHショックが引き起こされて魚が弱ったりする危険性があります。
この変動を抑えるために水換えは飼育水の1/3の量で行いましょうという話になってきます。一気にpHが変わらないようにするわけです。
ただ「pHが低くなった水槽の全量を」一気に水換えするのが良くないだけであり、以下の場合にはあまり問題ない場合もあります。
実際毎日少量の水換えをするというテクニックは存在します。

少量の水換えでも硝酸塩はそれほど蓄積されないという話を上の記事で解説しています。
pHも下がる前にちょっとずつ水換えで中性付近に戻っていくので、毎日水換えしたいなら少量を毎日行うと良いでしょう。一週間に一回の水換えだとpHが下がってから一気に中性付近に戻すので、毎日こまめに水換えするとpHの変動も小さくなります。
またディスカスの飼育なんかだと2日に一回全量の水換えとかは普通に行われます。

ディスカスは動物性のエサをたくさん食べるためフンも多くなり、残ったエサなども飼育水を汚します。
汚れるということはそれだけ汚れは分解されて、アンモニア→亜硝酸塩→硝酸塩という過程を経てpHの低下と硝酸塩の蓄積を引き起こします。
これを一週間待ってから水換えしようとすると、pHが下がりすぎて硝酸塩も蓄積しすぎてかえって魚によくありません。
なので汚れる前にたくさん水換えするわけです。
するとpHはずっと水道水のpH7.0付近を維持できるし、アンモニアなども硝酸塩になる前に水槽の外に運び出せるので水質も一定になります。
水道代だけ多くかかってしまいますが、テクニックとして毎日大量の水換えをするという手法は存在します。
少量毎日水換えでpHと硝酸塩を測ってみて許容量をオーバーしてしまうなら、水換え量を増やします。
例えば週一回では水質が悪くなるから週2回とかの高頻度に水換えしても、結局pHが下がって硝酸塩が多量に蓄積されているなら生物ろ過は完成しているので、フィルターのろ材を洗浄したり、砂利をゴシゴシ洗ったりしなければ(プロホースでガサゴソやったくらいではバクテリアは減りません)特に問題ないでしょう。
結局週2回でも硝酸塩とpHが適切な値に収まっているならあまり心配することはないでしょう。
まあ硬度とかに注意しないといけない魚の場合は硬度を調整する何らかの工夫が必要かもしれませんが。
これは確かにあります。
水温ショックと呼ばれる魚が弱るショック症状があり、プラスマイナス2℃の水温の急変で魚は弱ることがあります。
だから水合わせはちゃんとやりましょうとなるのです。

例えば「ヒーターが入っているから冷たい水道水をカルキ抜きしてそのまま水槽にいれちゃえ」みたいなことをするとヒーターが飼育水を温める間に魚は低水温にさらされて水温ショックを起こします。
弱い魚はこの時点で復帰不可となりそのまま死んでしまうことがあります。
逆に水槽用クーラーがついているから給湯器で38℃くらいのお湯を入れてもクーラーが冷やしてくれるみたいな考え方で熱いお湯を水槽に入れるとこれまた水温ショックになります。
水換えのときに水温を飼育水に合わせるのは大切なことなのでちゃんとやりましょう。
カルキ抜きも忘れずに。
茶ゴケは水槽立ち上げ初期のバクテリアが少ない時期に多く発生すると言われています。茶ゴケは珪藻の一種です。
まあ我が家では普通に立ち上げ1年とかの水槽でも発生していますが…。
一応「そうなんじゃないか」という仮説はあって、以下の文献が参考になります。
そのため, N. palea がアオコに接触する機会 は少ないと想定されるが, 著者らは湖沼から採取した Microcystis 群体から N. palea を検出しており, 両者が同 所的に存在しうることを確認している.
〔……〕
比増殖速度はpH 6.0, 7.0, 8.0, 9.0 でそれ ぞれ0.49, 0.64, 0.72, 0.68 day-1となり, pH 6.0 とpH 7.0, 8.0, 9.0 の比増殖速度に有意な差が認められた(Tukey’s test, p <0.01).
〔……〕
一方, Cyclotella sp. 24)や Fragilaria crotonensis17)の至適条件はそれぞれpH 6.0, pH 6.5~7.0 付近であり, N. palea と異なっていた.
(1) 渡邉 俊介, 大隈 一輝, PODIAPEN Tannen Naythen, 藤林 恵, 井芹 寧, 郝 愛民, 久場 隆広, 応用生態工学的アオコ対策法に向けた珪藻Nitzschia paleaの至適増殖条件の検討, 土木学会論文集G(環境)/76 巻 (2020) 7 号
また(1)の図-1より窒素濃度が高いほどN. palea(珪藻の一種)は増殖します。
つまり以下のような性質を持つ珪藻が普通の湖沼にいるということです。
これを水槽の生物ろ過の発達段階で考えてみると、立ち上げ初期の段階では硝化菌が少ないので硝化も起きにくく、pHが下がりません。中性付近です。でもエサとなるアンモニウムイオンとかはよく発生している環境ですよね。つまり窒素はあるわけです。
そして生物ろ過が完成すると硝化が活発に行われるので水槽のpHが下がります。
つまり立ち上げ初期の水槽というのは珪藻が発生しやすい環境と言えなくもない状況になります。そして生物ろ過が完成するとpHの低下と共に珪藻の増殖は鈍くなるわけです。
確かに(1)の文献では珪藻ごとに好むpHが違って、低pHでも繁殖するものがいるとあります。
これは我が家の水槽で珪藻が生物ろ過が出来上がっている環境で繁殖する状況を表しているような気がします。
つまり我が家の珪藻は低pHに適応した種類の珪藻で、水槽立ち上げ初期によく見られる珪藻では無いのでしょう。
まあ(1)の窒素源は硝酸態窒素なのでアンモニウムイオンとはちょっと違うのですが、植物がアンモニウムイオンを窒素源に使うことを考えれば珪藻も光合成をする生き物なのでアンモニウムイオンを使えるんじゃないかと思うんですよね。
つまり高頻度で大量の水換えをする環境というのは、pHが中性付近で維持されますし、ろ過が効いていれば硝酸塩が発生しますし、効いていなくてもアンモニウムイオンが発生するので、窒素とpHの条件がピッタリはまるような珪藻が増殖しやすいのではないかと思われます。
対策としてはソイルとかでpHを下げればいいような気がしますけど、それでも低pHに適応した珪藻が発生しますし、珪藻はガラスにくっつきますから、あまり悩まずにスクレイパーで定期的に落とすのがいいんじゃないでしょうか。
スクレイパーはプラスチック製のほうがガラスを傷つけないので重宝します。
これも当たらずも遠からずみたいな感じですね。
確かに毎日大量の水換えをしていれば、硝化サイクルを作るためのアンモニウムイオンが減少するので硝化菌の増殖も遅れ、生物ろ過の完成は遅れます。
じゃあ毎日水換えしないほうがいいのか、と言われるとそうでもないのです。

詳しくは上の記事で解説していますが、生物ろ過が完成するまではアンモニウムイオンと亜硝酸イオンが増加するタイミングがあり、それは生物ろ過が完成するまでの道筋の最初の頃です。
このタイミングで水換えをしないで放置するとアンモニウムイオンと亜硝酸イオンが水中に残留し続けるのでそこに魚を入れておくとこれらのイオンの毒性にやられて魚が死んでしまいます。
なので生物ろ過を完成させる道筋の中で、特に最初の頃というのは水換え頻度を上げて、それなりの量を水換えしたほうがいいです。
詳しいタイミングは上の記事をご覧ください。
なお生物ろ過そのものの詳細な解説は以下の記事でやっているのでよろしければご覧ください。

これもある程度正しいです。
グリーンウォーターはメダカや金魚にとって常にエサが自分の周りにあるような状況なので、大きく育てたいときは重宝します。
グリーンウォーターのときに大量に水換えをすると、グリーンウォーターが薄まります。つまり勢力が弱まるということです。
勢力が弱まると、他の藻類が勢力を伸ばす危険性があり、アオコ(基本的に有毒な藻類)とかが勢力を伸ばすことがあります。
グリーンウォーターの場合、エサが分解されて発生するアンモニウムイオンなんかをグリーンウォーターを作る藻類が消費してくれるので、あまり生物ろ過が云々と気をつける必要がないです。
なので基本はグリーンウォーターのときはたくさん、高頻度で水換えする必要はなくて、かえってグリーンウォーターの環境が壊れやすくなるので水換えしすぎないほうがよいでしょう。週一回1/3くらいでいいと思います。
水換えのしすぎが良いのか悪いのかまとめると以下のようになります。
今回は水槽の水換えのしすぎの是非について解説しました。
状況によって適切な頻度と量があるのが水換えの難しさです。
基本は週一回1/3の量を水換えすればいいですが、状況によって良かったり悪かったりするので今回の記事を参考にしてみてください。

基本は週一回1/3量で良いときが多いです