水槽アイテム・生体紹介

スポンジフィルターの設置位置はどこがいい?【排水口とスポンジ高さ】

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今回はスポンジフィルターの排水口とスポンジの高さはどこがいいのかという内容についての解説です。

スポンジフィルターとは

スポンジフィルターというのはエアーリフト式のろ過器の一種で、エアーが立ち上るときにできる水流でスポンジに通水して、スポンジ内で生物ろ過を行うことで水槽のろ過を担うフィルターです。

上の①のエアーの流れが上方向への流れを作り出し、流れるときに②のスポンジから水を吸い取るのでスポンジに通水でき、スポンジ内にバクテリアが繁殖することで生物ろ過を行います。

水槽内で特に必要なのが生物ろ過です。

有毒性の高いアンモニウムイオンを硝化と呼ばれる反応で毒性の低い硝酸イオンまで変換し、水槽の毒性を下げるのが生物ろ過です。

スポンジフィルターのスポンジには無数の穴が空いており、そこに硝化を担うバクテリアが大量に住み着くことで生物ろ過を行います。

スポンジの位置と吐き出し口(排水口)はどこがいいのか

なんとなく適当に設置してもそれなりにろ過はできますが、どうせならスポンジフィルターの力を最大限発揮させたいものです。

特に悩むのが排水口とスポンジの位置です。

排水口は水面の下がいいのか、水面と同じ位置がいいのか、水面から出したほうがいいのか。

またスポンジは水槽の上のほうがいいのか、下のほうがいいのか。

スポンジフィルターではこの二つ(排水口の位置とスポンジの位置)を変えることができるので、どこら辺がいい位置なのか悩みます。

結論としては以下の位置が良いと思います。

  • 排水口は水面のちょっと下
  • スポンジはなるべく下のほう

どうしてこうなるのかこれから解説します。

排水口は水面のちょっと下がいい

排水口の位置を変えることで変わるのは水面付近の排水口から出た水流の強さです。

排水口が水面より上だと

まず水面より上に排水口を出した場合ですが、これはいったんエアーで作り出された①の流れが水面より上だと重力の影響を受け、上へ重力に逆らって水を持ち上げることになり、逆らった分水流が減少します。つまりフィルター内の水流が弱くなります。

一般にフィルターのろ過力は以下の二点で決まります。

  • ろ材表面積の合計:多いほうがいい
  • ろ材を通る水流の多さ:速く、多いほうがいい

ろ材表面積が多ければろ過バクテリアの住処が増えてたくさんろ過します。

またろ材をたくさん水が通過すれば、それだけバクテリアのエサがたくさん運ばれてくるのでたくさんろ過できます。

水面より上に排水口を出してしまうと水流が減って、ろ材を通る水の量が減るのでろ過力が低下します。

あんまりよくはないですね。

ただし水流を好まないメダカなどの場合は水流を弱めたほうが体力を奪われないので、ろ過力は多少犠牲になりますが、魚にはよいでしょう。

排水口が水面の下すぎると

排水口が水面より下の場合、排水口から出る水流は弱まりません。ろ過力の低下は無いです。

ただし排水口から出るエアーによる水面付近の流れが、横だったものが縦になり、水面で分散します。

エアーが横に流れていたものが上に流れるのでブクブクを上に向かってやっている状態になり、水面で放射状にエアーが広がるので、横に流れていたときよりも水面付近の流れが減少します。

これの何がまずいかというと、水面付近の酸素の供給である再曝気効果が減少します。

水面からの酸素供給というのは、水面付近の流速が速く、乱れているほど効果的になります。

この視点で言えば排水口を水面より下のほうに設置してしまうと水面付近の流れが減少するので、再曝気効果が減少して酸素供給の点からはマイナスです。

排水口を水面と同じ高さにする

結局これが一番いいという結論です。正確には水面ギリギリで排水口が全部埋まるくらいの位置です。

重力に逆らう水の持ち上げによる水流の減少もありませんし、エアーが分散せず横に水面付近を流れていくので、再曝気効果も得られます。

つまりろ過力を最大にしつつ、水槽内へのエアーの供給も最大になるのが水面と同じ高さに排水口を設置した場合ということです。

ただし、経験的に排水口の上半分が空気に触れて、下半分が水中にあるような場合だと、水面付近のエアーのボコボコ感がなくなり、再曝気効果が減少する可能性があります。水面付近の流れは乱れていたほうがいいのです。

そのため私が一番良いと思うのは水面に排水口のトップの位置が接するくらいの位置。つまり排水口が水中にすべて埋まっていて、一番上が水面に接するかそのちょっと下くらいが一番良いと思います。

スポンジの位置は下のほうがいい

水中酸素の循環・均一化という視点でスポンジ位置は下のほうがいいでしょう。

これは外掛けフィルターにも言えるのですが、水面からの酸素供給である再曝気現象は当然ながら水面付近で発生するので、酸素は水面付近のほうがよく溶け込みます。

つまり何らかの方法で上の方の酸素が豊富な水を水槽の下の方に循環させないと水槽の下の方の酸素が減少して底の方で休みたい魚の元気がなくなります。コリドラスなんかは致命的ですね。

メダカもよくありません。寒くて底の方に移動したら酸欠で弱るなんてこともあり得ます。

ここで考えたいのがスポンジや外掛けフィルターの吸水口の位置です。

ここまでの話から、吸水口は下の方にあったほうが、酸素の足りない下の方の水を吸い込んでフィルターで酸素を溶け込ませて水槽に戻しているので、水槽全体での酸素のバラツキが減って均一化します。

あまり神経質になることはないですが、スポンジフィルターの吸水部分であるスポンジは水槽の下の方に設置したほうがよいでしょう。

ちなみにスポンジフィルターのエアーって細かくなくていいの?

エアーの話をしたのでついでに書いておくと、スポンジフィルターのエアーは細かいほうがいいのかという疑問もあるかと思います。

これはフィルター内にエアーストーンがあるロカボーイなどの投げ込みフィルターとエアーストーンが無い場合が多いスポンジフィルターの比較で説明が付きます。

詳細は上の記事で解説していますが要点を解説すると、エアーが細かいほうがエアーが上に立ち上るときに水に接することで溶け込む酸素量は多くなります。

ただし、エアーの細かさである気泡径が小さいと上に立ち上る泡の速度が減少し、水面付近に出てくる泡の速度が減少します。

つまり細かい泡にしすぎると水面付近の再曝気が減少して水中への酸素供給が減ります。

その点を考えているからこそロカボーイのエアーストーンは細かすぎない泡が出るようにできています。

スポンジフィルターの場合、気泡径は細かくないので気泡径による酸素供給能力は高くないですが、その分水面付近の流れが強く、再曝気効果が強いので、酸素の供給能力で劣るわけでもないです。

だからこそ排水口は水面付近にしたほうがいいのです。再曝気効果による酸素供給が最大に得られて、水流も最大でろ過力も最大になるからです。

まとめ【スポンジフィルターの排水口の位置とスポンジ位置の目安】

今回はスポンジフィルターの排水口とスポンジの設置位置はどこが良いのかという話題に対して解説しました。

  • 排水口は水面と同じ高さのちょっと下くらい
  • スポンジは水槽の下のほう

これが良い位置だと思います。

スポンジフィルターを検討するときの参考になりましたら幸いに存じます。

スポンジフィルターでも水槽のろ過は足りるので検討してみてね