60cm水槽で始める金魚の飼育【匹数・フィルター・底砂など】

2025年7月25日

今回は60cm規格水槽での金魚飼育に関して全般的なことを解説します。

60cm規格水槽では金魚は何匹飼える？

詳しくは上の記事でやりましたが、大きく2つの説が存在します。

①体長1cmに飼育水1L
②体長1cmに飼育水2L

アクアリウムの分野では「体長1cmに対して飼育水1Lが必要」という経験則が存在します。文献では以下の観賞魚用品の大手GEXが参加した東京大学との共同研究があります。

「水容量10Lに対して体長100mm」の目安が2-5尾飼育で成立するが, 一方で1尾飼育では許容量を超過することになる。このことから, 複数の魚を飼育する場合には「水容量1Lに対して魚の標準体調1cm」がひとつの大まかな目安になると言えよう。
吉田恵史郎, 金子豊二著, キンギョ Carassius auratusを用いた観賞魚を健全に飼育できる最大許容密度の推定, 日本水産学会誌/89 巻 (2023) 1 号 p. 65-67.

とは言え「体長1cmに対して飼育水2L」という説も有名です。

金魚の酸素消費量と外飼いのエアレーションなしの飼育容器に供給される酸素の量の兼ね合いから10cmまでの体長なら「体長1cmに飼育水1L」、15cm以上の体長なら「体長1cmに飼育水2L」の法則が適用できます。

小さめの金魚なら①の説、大きめの金魚なら②の説を考えると良いと思います。

水槽	サイズ	水量
30cmキューブ水槽	30×30×30cm	約22〜24L
45cm規格水槽	45×27×30cm	約29～31L
60cm規格水槽	60×30×36cm	約59L

60cm規格水槽なら水量は約60Lなので、体長5cmの金魚なら①の説から12匹、体長10cmの金魚なら①の説から6匹、体長15cmの金魚なら②の説から2匹となります。ただ、体長10cmの金魚は結構大きいので「体長1cmに飼育水1.5L」くらいと考えて、4匹くらいにしておいたほうがいいかもしれません。

ただ金魚は飼育する容器の大きさに応じて体長を調整する（小さくはならないですが…）性質があると言われており、過密に飼育すると大きくならないこともありますし、余裕をもたせて飼育すると大きくなることもあります。

たくさん飼育する場合は大きくなっても水槽を増やせるような準備が必要です。

60cm水槽何がいい？

基本的に以下の三種類があります。

フレームあり水槽
フレームなし水槽
タライ

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フレームあり水槽はフレームなし水槽（オールガラス水槽）に比べて強度があるので上部フィルターとの相性が良いです。

上部フィルターは価格に対してろ過力が高い反面、重いので普通はフレームあり水槽を使います。

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フレームなし水槽は見た目がきれいでレイアウトもしやすい水槽です。

上部フィルターさえ乗せなければ強度的にも問題ありません。

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タライで金魚を飼育する人も結構います。

我が家もメインの金魚水槽はタライです。

タライのメリットとしては「割れにくい」「ガラス水槽より安価（1800円くらいです）」「フレームのシリコンの劣化が無い」など色々あります。外掛けフィルターは使えませんが投げ込みフィルターで十分です。我が家はロカボーイMにストロングスポンジのみの構成で長年飼育できています。

上から金魚を見れればいいよというときはいかがでしょうか。

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また60cm水槽は水を入れると重いので水槽台があったほうが何かと安心です。

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初心者向けじゃない金魚は？

基本的に丸っこい金魚は転覆病になりやすく、やや難しいと思われます。

ただじゃあ丸くない金魚なら安全かというと結構難しかったりするので一概に難しいかどうか述べるのは困難です。種によるというのも多少ありますが飼育テクニックによっても結構変わってきます。

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金魚におすすめのフィルターは？

基本的に「60cm水槽まで」とか「60Lまで」とかフィルターの説明に書いてあるのでそれを守っていれば特に問題ないです。

以下で色々なフィルターの60cm水槽用のものをご紹介します。

ただ上部フィルターだけは重いのでフレームあり水槽をおすすめします。

上部フィルター

ろ過力に対して価格が低く、金魚の定番フィルターです。

水槽の上半分を覆うので照明の光が半減します。水草水槽では使いにくいですが、金魚は水草水槽にすることはあまり無いので特に問題ないことが多いです。

水草食べちゃいますからね。キンギョソウ（食べられても生えてくる）とかミクロソリウム（硬いので食べにくい）なんかだといいですけどそれくらいしか入れられないですし。

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外掛けフィルター

60cmで外掛けフィルターを使いたい場合上の記事にまとめてあります。

注意点としては改造してセラミックろ材を詰めすぎると重すぎてガラスが割れる可能性がゼロではないこと。

詳しくは上の記事をご覧ください。軽いろ材をご紹介しています。

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外部フィルター

外部フィルターでも金魚を飼育している方はおられます。

注意点としては「水流が結構強い」こと。琉金などの丸い金魚は大きな尾びれに水流が当たるとふらついて体力を削られます。

シャワーパイプをガラス面に向けるとかでもいいですが、一番確実なのが「ナチュラルフローパイプ」などの水流を拡散させるパーツを使うこと。

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詳しくは上の記事をご覧ください。水流を弱めることで金魚を飼うのにちょうどいい水流になるでしょう。

投げ込みフィルター

投げ込みフィルターでも金魚は飼育できます。タライなどにも設置できるので用途は広いです。

60cm水槽ならロカボーイMあたりがいいでしょう。

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スポンジフィルター

スポンジフィルターには「投げ込み式」と「ガラス面設置式」の二種類あります。

どちらでも金魚は飼育できます。

投げ込み式なら以下がおすすめ。100Lまで使えます。

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ガラス面設置式なら以下がおすすめ。

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エアーポンプなどは以下がおすすめ。比較的静音です。

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底面フィルター

底面フィルターは水槽の底砂がろ材になるちょっと変わったフィルターです。一般に大磯砂などの粒の大きな砂利かソイルを使います。価格としては外部フィルターよりは安価という感じです。

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金魚は底砂を突く習性があるので、ソイルだと粒が崩れてあまりよくないので、大磯砂にするといいでしょう。3cmくらいの厚みに敷きます。

大磯砂を3cmの厚みに敷くとして、3cmの厚みで30cmキューブ水槽なら4.5kg、45cm水槽なら6.1kg、60cm水槽なら9.1kg程度あればいいでしょう。

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底面フィルターは水中フィルターと連結すると水草水槽対応かつろ過力アップになるのですが、普通に底床だけがろ材となるエアーリフト式でも十分ろ過できるので、金魚ならエアレーションも可能なエアーリフト式にするといいでしょう。

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水中フィルター

水中フィルターも外部フィルターよりは安価にろ過ができます。

水槽内に全て収まるので水槽内が多少狭くなりますが、スポンジフィルター程度の大きさなので特に問題はありません。

おすすめはスペースパワーフィットL2です。60cm水槽まで対応するろ過力の高い機種です。流量調節つまみ付きで水流が強すぎても調整可能です。

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なぜスポンジフィルターではなく水中フィルターを使うのかというと、エアーリフト式のフィルターはエアーポンプの「ブーン」という音がそれなりにします。

水中フィルターは水中ポンプで駆動するので、エアーポンプより静音性が高いのです。

また底面フィルターなどでは田砂などの粒の細かい砂は構造上目詰まりして使えないのですが、水中フィルターなら底砂が何であれ使えるので幅広い底砂から金魚を飼育することができます。

金魚の底砂

詳しくは上の記事で解説していますが、基本的に「砂利」がいいですね。

金魚は砂利を口に含んでコケなどを舐め取る本能があり、それを満たしてあげられるということと、掃除がしやすいことなどが砂利のメリットです。

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プロホースでたまにガシガシ砂を掃除しましょう。

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その他にも色付きの砂利などもあります。

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その他の砂利は以下の記事をご覧ください。

水換えは週一回1/3の基本を守ろう

硝酸イオンの排出のために水換えは必要です。

基本的に週一回1/3の水換えをしましょう。

ひと月に一回でいいので底砂をプロホースで掃除しましょう。

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カルキ抜きを忘れずに。

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ヒーターを入れましょう

上の記事で解説しましたが、白点病の予防目的で25℃以上を維持する場合もありますが、金魚用のオートヒーターで18℃を維持するでも十分飼育できます。

60cm水槽ならSH120がちょうどよいです。

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ヒーターを入れるメリットは「中途半端な冬眠を防ぐ」ということ。

特に室内飼いの場合、寒いとはいえ室内なので中途半端な冬眠になりがちです。

するとエサも必要だし水換えも必要だし、かといって中途半端に冬眠しているので水換えの刺激で弱るしで良いことがあまりありません。

ヒーターは電気代がかかりますが、冬の金魚飼育が楽になるのでヒーターを使うことをおすすめします。

一応冬だけ断熱バックスクリーンを貼るという手もあります。30%ほどの節電になるようです。

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金魚の水草

基本的にグッピーと適正pHがかぶるので、グッピー向けの水草がよいでしょう。

一応おすすめの水草もご紹介します。キンギョソウか硬めのミクロソリウムの仲間がいいと思います。

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金魚のエサ

上の記事で詳細に解説しているのですが、ここでもおすすめをご紹介します。

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アイドルは昔からある定番のエサでコスパの良さと栄養価のバランスの良さから我が家でもすり潰して金魚に与えています。

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金魚元気プロバイオフードは「色揚げ」成分配合の割に安いエサです。乳酸菌・酵母菌・納豆菌配合で消化吸収にも配慮しています。

エサと金魚の色揚げに関しては以下の記事をご覧ください。

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パラクリアは7種類のハーブ配合のエサで、エラ病などの治療・予防効果があるとされています。最近YouTubeなどでも解説する動画が多く上がっています。

全部をこのエサにする必要はありません。

早急な効果を得るには、本品を100％で与えてください。１日に魚体重の約2％摂餌できた場合は約3週間、1％の場合は約4週間後には十分な効果が期待できます。予防には、他のフードとの併用が可能です。本品を1日に与えるフードの1/4以上の重量となるように継続して与えてください。（参考：商品説明より）

1/4くらい普段のエサを置き換えると効果的です。

特に金魚を追加で購入したときにトリートメント用に金魚についている病原菌を除去するのに使うことが多いようです。寄生虫の他魚への移行を防止する効果がある可能性が高いです。

もし野菜を与えたいなら、野菜を配合した安全性がある程度担保できる市販のエサか観賞魚用の「クロレラ」のタブレットがおすすめです。スーパーで買う普通の野菜は残留農薬の危険が無いとは言えないので市販の野菜入りの金魚用のエサを与えたほうが安心です。

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クロレラは単細胞緑藻で、主に湖沼や河川などに生息しています。要するに植物性のエサなので、野菜の代用としていいんじゃないでしょうか。普段のエサにちょっとプラスするといいかもしれませんね。

金魚のライト【強すぎないLEDでOK】

基本的に金魚には照明か、やわらかく差す日光が必要です。

水槽を設置している場所にやわらかな日光が差さないならライトを使いましょう。

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60cm水槽ならGEXのクリアLEDパワー3 600がおすすめ。それなりに明るく、消費電力は17.5Wです。そこそこ省エネの照明です。

金魚どこで買う？

熱帯魚通販大手のcharm系列の楽天店やヤフー店なら指定金額到達で送料無料になるので、ポイントも付きますしいいんじゃないでしょうか。

生体情報も詳しく載っているので、お好きな金魚をどうぞ！

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まとめ【60cm水槽での金魚の飼育】

今回は60cm規格水槽での金魚飼育に関して全般的なことを解説しました。

60cm水槽は大きな金魚も飼える金魚にちょうどよい水槽です。

少なめに飼育して大きくするもよし、多めに飼育して小さめの金魚を眺めるもよし。

とはいえ結構金魚は難しいところもあるので、丁寧なお世話を続けましょう