水槽トラブル・飼育方法

メダカが次々に死んでしまう色々な原因

水槽トラブル・飼育方法

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当サイトでもメダカ関係の記事が増えてきましたが、このあたりでメダカが死んでしまう原因をまとめてみようという趣旨で、私が経験した様々なメダカの死因に関して解説していきます。

メダカ飼育は簡単じゃない

メダカは丈夫で飼いやすいと宣伝されていますが、そんなことは全くありません。

正直めちゃくちゃ難しいです。

特に長生きさせる、繁殖させるとなると難易度が跳ね上がります。

でもメダカ飼育にチャレンジして、メダカが水槽なりメダカ鉢なりで元気に泳ぐ姿はいいものですよね。

今回は私が遭遇したメダカの死因に関してまとめることで、これからメダカを飼育してみようという方が何らかのヒントを得られたらいいな、という目的で書いていきます。

屋内か屋外か

一般的に屋外飼育のほうが簡単と言われています。

これはメダカが太陽光を浴びることで様々な恩恵を得られることや、水槽が風などで揺れることで自然に酸素が容器に供給されることなどが影響しています。

太陽光の恩恵

紫外線はビタミンの生成に関わる波長の光で太陽光にそれなりに含まれており、人工のLEDライトなどにはあまり含まれていません。

人間でも皮膚に日光を当てる日光浴をすることでビタミンが生成されて健康になる、という話を聞きます。

メダカも多少はビタミンを生成しますが、直接日光に当たるとビタミンを生成するというよりは、餌となるプランクトンが日光の紫外線に当たって生成したビタミンを体内に取り込むことでビタミンを吸収してより健康になるという話のようです。

まず,ある種の魚類肝臓中に多量に存在するD3の由来はプランクトンを起点とする食物連鎖による生物濃縮であることが判明し,長年の謎の解明に終止符を打った.

竹内 敦子, 魚類を中心としたビタミンDの比較生物学, ビタミン/68 巻 (1994) 2 号

つまり日光に当たる屋外飼育ではプランクトンが発生することでビタミンを摂取していることなどが健康を維持するのに役立っているために屋内飼育より飼育しやすいということもあるようです。

じゃあ屋内で窓辺の日光を当ててあげればいいじゃないか、という視点で我が家でもやってみましたが、確かに屋内の暗いところ、下駄箱の上にライトを当てて水槽で飼うよりは飼育難易度は下がりました。

ただ、これから述べていきますが、日光以外の様々な要因でメダカ飼育を安定させるのは難しかったのです。

風の影響

風が吹くと水面は揺れますし、流れができます。

すると再曝気と呼ばれる効果で水中に酸素がよく溶け込みます。

屋内飼育では風が発生しにくいので、再曝気があまり起こらずに酸素が足りなくなるという可能性が出てくるので、屋内でエアレーションなしで水に動きがない場合メダカ飼育の難易度が上がってしまいます。

メダカの様々な死因

ここからは我が家が経験した様々なメダカの死因を述べていきます。メダカ飼育に悩む方の何らかのヒントになりましたら幸いに存じます。

次々に死亡したメダカ飼育容器を消毒しない

これから色々とメダカが死んでしまう原因を述べていきますが、最初にこれを知っておかないといつまでたってもメダカの連続的な死亡が止まりません。

その知るべきことというのは以下です。

次々にメダカが死亡した飼育容器と器具はハイターで消毒する

一般に観賞魚に塩素系漂白剤はご法度というのが基本ですが、メダカが次々に死亡した水槽や鉢、ヒーターやフィルター、エアーストーン、砂利などには死亡したメダカに感染していた病原菌などが付着しています。

これは水道水の塩素くらいでは消毒できず、乾燥にも耐えることが多いため、例えば水槽内のメダカが全滅したから水槽を水道水で丸洗いして、砂利などもよく洗って天日で乾かしたとしても病原菌を死滅させることができず、消毒しない器具や砂利を使いまわすたびにまた病原菌が活性化し、どんな対策をしてもメダカの死亡が止まらない悪循環に陥ります。

我が家では藍藻が大繁殖した水槽で魚の死亡が始まり、おそらくそこで何らかの病原菌が繁殖していたと思われます。

その水槽の砂利を未消毒で様々な水槽や鉢で使い続けた結果、その砂利が入った水槽でのメダカの死亡が止まらず、最終的に発泡スチロールを水槽代わりにして、器具も刷新し、過去の水槽と完全に隔離した環境でメダカを飼育し始めたところ連続死が止まりました。

連続死した水槽の砂利や水槽そのものを使いまわすときは塩素系漂白剤で殺菌消毒しましょう。

そして塩素をよく洗い落として、再スタートしてみてください。残留塩素が心配なら砂利や水槽の使いまわしをやめて完全にすべてが新しい状態で始めてみる、という方法でもかまいません。

なお残留塩素を抜くために、塩素消毒が終わったあとに水道水に用具全部を浸してそこにカルキ抜きを入れて丸一日置いてください。その後よく洗い流します。

またスネールやタニシなどがキャリアになっている可能性もあります。

次の水槽に前の水槽で発生したスネールなどの貝類を再投入するとそれを起点に病原菌が再発生する危険があるので再投入はやめたほうがいいです。

水温管理

水温に関する基本的なことは以下のようになります。

  • 冷やすとダメ
  • 温めるなら早い時期から

過去記事で水槽の水温をペットボトルで下げるという記事を書いたのですが、このやり方でメダカの水槽を冷やすと失敗します。

メダカは35℃の高水温でも元気に耐えることができるので、真夏の炎天下で黒い容器に直射日光を当てるようなことをしない限り、高温でダメになるということはほとんどありません。

夏はすだれや寒冷紗などで太陽光そのものを弱めるくらいの運用で充分です。

下手にペットボトルなどで冷やすと元気がなくなります。

ただしじゃあ冷えることにも耐性があるのか、というと経験上疑問が残ります。

冬はヒーターで加温して冬眠を避ける管理と無加温で屋外で冬眠させる管理の二通りが存在します。

その全体像は以下の記事でまとめました。

ただし水温ショックの視点で、特に秋になってきた段階でメダカ用の比較的低温で動作するヒーターを入れるというのが若干心配です。

この問題については以下の記事でまとめました。

簡単に言うとメダカの水温ショックの目安は「プラスマイナス2℃以上」です。2℃以上の水温差で水温ショックが発生しやすくなり、元気がなくなります。

夏から秋に移行するタイミングは昼間28℃程度に上昇し、朝方23℃程度まで低下します。

これが水温ショックを引き起こしている可能性があります。

秋になってなんだかメダカの死亡が多くなってきたと感じたら水温ショックも疑ってみて、温度可変式のヒーターや26℃固定のオートヒーターなどで対策してみるのもヒントになるかもしれません。

水深が深すぎる

メダカの飼育容器は浅いほうが何かといいです。

水槽でも飼育可能ですが、推奨は20cmくらい、深くても30cmくらいまでにとどめておいたほうがいいと感じています。

上の記事の写真のような深いバケツみたいな容器で飼育していたことがあるのですが、生存率が低かったです。

原因として「水圧の問題」「酸素の問題」が挙げられます。

水深が深いほど水圧が上がってダメージを受けるという可能性もあります。

また上のバケツのような容器だと水面で多少酸素が取り込まれても、水底まで行き渡らない可能性が高く、秋口に昼間暑くなって水槽の下の涼しいところにメダカが移動したり、逆に涼しくなって活性が落ちて水底にじっとするために移動すると酸素の少ない水底に移動することになり、酸欠で死亡するという可能性があります。

ただしろ過器やエアレーションで水槽内の水の循環がきちんと担保されているなら、30cmキューブ水槽や60cm規格水槽くらいの水深なら問題なく飼育可能と思われます。

水流が強すぎる

メダカは基本的に自然界では水流の緩やかな浅い場所に多く分布しています。

(参考1)一恩 英二, 上田 哲行, 河北潟地域の農業用水路における背水区間とメダカの分布範囲について, 農業土木学会論文集/2004 巻 (2004) 234 号.

強すぎる水流はメダカの体力を奪うため、水流は緩やかに、あるいはまったくなくてもかまいません。

ただし屋内飼育で水槽を使う場合、酸素の供給やろ過の兼ね合いでフィルターを使うことが多いと思います。

そのときも外掛けフィルターなら流量調節ダイヤルを調整するとか、投げ込みフィルター(例えばロカボーイ)ならパワーアップパイプをつけて水流を緩やかにするとかしましょう。

エアレーションするときも強すぎない吐出し量にしましょう。

ろ過不足

特に生物ろ過が不安定だとアンモニウムイオンや亜硝酸イオンが水中に蓄積してよくないです。

これを防ぐために低床として大磯砂などを敷くと多少安定します。石の表面にろ過バクテリアが増殖してろ過ができるからです。

ただしメダカ愛好家の方の写真などを見ると、黒っぽいプラ容器に低床なしで飼育していることが多いですよね。

我が家でも発泡スチロールにゴミ袋をかけてそこに飼育水を入れて飼育しています。低床はありません。弱いエアレーションのみの管理です。

水換えさえ定期的に(といってもフィルターは無いので週2回くらい必要です。メダカの状態が良く水の濁りがないなら週一回でもいいです。様子を見ながら行いましょう)行っておけばそれほどろ過に関しては心配いらないというのが感覚的な感想です。

フィルターを使う場合はバクテリアの定着を待つ必要があるので、メダカを買ってきてすぐの状態ではろ過が不安定なので、メダカ導入初期はちょっと多めに水換えするなどで調整しましょう。

pHの変動が大きすぎる

pHが大きく変動するのもメダカにストレスを与えてよくないです。

例えば1か月以上水換えをしていない水槽や鉢で水量のほぼすべてを新しい水に換えるとかやると、pHは水換え前に硝化の作用でかなり下がっているので、新しい水のpHに引っ張られてpHが急激に上がります。

するとpHショックと呼ばれる症状になりやすく、弱ります。

長い間水換えしていない水槽を水換えする場合は1/3程度の水換えを2日おきに2回行うとかしてpHの急激な変動を抑えましょう。

エサを与えすぎているのに、水換えをほとんどしない

エサを与えすぎてメダカが太りすぎるということはあまりないですが、エサを多く与えすぎると残ったエサが腐敗したり分解されて硝酸イオンが多く蓄積したりして水質が悪化しやすくなります。

水質が悪化すると水換えするくらいしか改善策はないので、水換えの頻度が少なすぎるとメダカは弱ります。

エサを多く与えすぎているなら水換え頻度を見直しましょう。

じゃあエサを与えすぎかどうかどうやって判別するんだよ、となりますが、一番いいのは水質調査用の試験紙などを使うのが確実です。

亜硝酸イオン濃度や硝酸塩濃度を測るテスターが販売されています。それで硝酸塩や亜硝酸塩が基準値内かどうか判定すれば水質の悪化を発見できます。

それらを使う予算が無い場合は、pHを基準にするといいと思います。

ろ過ができているのが前提ですが、生物ろ過ができているとその過程でpHが下がるので、pHが6以下になったくらいで水換えするといいと思います。要するにpHが下がっているならそれだけろ過が働いて硝酸イオンが多く発生しているはずだからそのタイミングで水換えしようということです。

水換えして中性(pH7程度)の水道水が水槽に入ればまたpHは中性付近まで上がるので、またpHを測って6以下なら水換えするを繰り返します。だんだんどのくらいの期間でどのくらいpHが下がるかデータが取れるでしょうから、それを利用すればpHを測らなくても水換えのタイミングがつかめるようになります。

白濁りや油膜

水槽の水が白く濁ったり、油膜が張っていたりするのは酸素不足ですのでエアレーションしましょう。

深夜にライトをつけている

一般的にライトを深夜まで点灯した状態で放置して、夜中に消灯するようなことが続くと魚の死亡率は上がります。

メダカも概日時計と呼ばれる生体内の時計のようなものがあると言われており、日長を感じ取っていると考えられています。

これを深夜までライトをつけることで乱すと、メダカは弱ります。

深夜に家にいない場合があるなら照明をタイマー式にすると安心です。

カルキ抜きを忘れる

初歩的なミスとしてカルキ抜きを入れないで水換えするとメダカは弱ります。

水道水中の塩素は魚に有毒なので、中和剤で無毒化しておかないとよくないです。

常に水槽や鉢に水を足すときはカルキ抜きを入れるというのを習慣にしましょう。以下私が使っているエーハイムのカルキ抜きです。エラ保護成分配合で魚に優しくできています。

まとめ【メダカは結構難しい】

今回はメダカの様々な死因に関してまとめました。

色々気を付ける点があってメダカ飼育は大変だ、と思われるかもしれませんが、それらを乗り越えてメダカが元気に泳いでいる様子を見ると達成感や喜びを感じることもできるでしょう。

今回の内容がメダカ飼育における長期飼育などでお悩みの方のヒントになりましたら幸いに存じます。

冬眠中は静かに見守ろう!