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今回は水槽をリセットしないで管理する構成について解説します。
リセットしないで管理したい
ソイルで水草水槽をやっているといつか必要になる「リセット」。
そのままソイルを洗って再設置することもできますが、ソイルのイオン交換とpH緩衝能力が失われるのでソイルの意味がなくなってしまいます。

ソイルの性能が必要な水槽の場合やはり定期的なリセットは不可避です。
そのような現代、ソイルを使い捨てするようなスタイルではなく、「水槽を長期維持したい」という考え方もあるかと思います。
今回はソイルではなく「大磯砂」「田砂」と「陰性水草」を中心とした構成でリセットせずに長期間水槽を維持する方法をお話します。
リセットが必要になる理由
そもそもどうしてリセットが必要になるのでしょうか。
主な原因を以下にまとめてみます。
- 底砂の能力がなくなった(ソイルの場合)
- 底砂に黒髭コケがはびこっている
- 水草の根が張っているエリアの底砂掃除ができない
- 水槽のガラス壁面ギリギリに水草を植えたためにガラスが磨けない
- 石や流木、水草の周囲にゴミが溜まっている
- 石や流木、水草にコケ(茶ゴケ・黒髭コケ)がはびこっている
とりあえずこのくらいにしておきましょう。要するに「掃除不可」の場所が出てくることと、「ソイルの寿命」という2つの要因でリセットが必要になるのです。
リセットが必要になる要因をすべて解決した水槽構成
こうしたリセットの原因をすべて除外した水槽で一番簡単なのは「ベアタンク」です。底砂を入れず、水草も入れない、石も流木もないろ過とヒーターだけの水槽です。
確かにこれならリセットは不要ですが、殺風景なのであまり見た目がよくありません。
そこで今回は「水草」「底砂」を入れたベアタンクよりは見た目がにぎやかな構成でリセット不要となる構成をお伝えします。
45cm規格水槽を前提にお話しますが、適宜30cmキューブ水槽や60cm規格水槽に読み替えてご利用ください。

最終的にこんな感じになります。
底砂は大磯砂か田砂にする
まず底砂から。
底砂は「大磯砂」か「田砂」にします。田砂は田砂に類似する砂なら他のものでもかまいません。砂は3cm程度の厚みがあればよいです。
大磯砂の量は3cmくらいの厚さに敷くと仮定して、3cmの厚みで30cmキューブ水槽なら4.5kg、45cm水槽なら6.1kg、60cm水槽なら9.1kg程度あればいいでしょう。
3cmの厚さに敷くとして30cmキューブ水槽なら2.7L程度、45cm水槽なら3.6L程度、60cm水槽なら5.4L程度あればいいです。

田砂は1kg辺り約0.6リットルと商品説明にあるので、3cmの厚みで30cmキューブ水槽なら4.5kg、45cm水槽なら6kg、60cm水槽なら9kg程度あればいいでしょう。
田砂が高いというときは以下のような砂もあります。
底砂に大磯砂か田砂を選択するのには理由があります。
- 大磯砂:プロホースで砂の中を掃除しやすい。表面に生えた黒髭コケを除去する方法が存在する
- 田砂:プロホースでギリギリ掃除できる。表面に黒髭コケが生えない
底砂はソイルでも大磯砂でも表面に黒髭コケが生えてきます。
私は色々な方法を考え、実践してきましたが、最終的に底砂表面に生えた黒髭コケを除去する確実な方法は以下の2つでした。
- サイアミーズに食べてもらう
- 底砂の表面を魚用ネットで取り出して酢で枯らしてから再投入する
やり方は以下の記事をご覧ください。


サイアミーズはコリドラスと相性が悪いです。基本的にコリドラスがいじめられて弱ります。
そこでサイアミーズが入っていない水槽で底砂表面の黒髭コケを除去しようとすると表面をバケツに移して酢で枯らすくらいしか方法がありません。
ただこの手法を実行すれば、ほぼ確実に除去できるので、この方法が使える大磯砂を使うと砂の表面の黒髭コケはなんとかなります。ソイルだと粒が崩れて良くないので(嫌気性環境で硫化水槽発生・崩れたソイルが舞う)長期維持したいなら大磯砂かそもそも黒髭コケが表面に生えにくい田砂を利用することになります。
これで「1」と「2」の要素が解決します。
追記【酢を直接黒髭コケに吹きかけてはいけない】
私は昔から結構水槽の中の黒髭コケに酢をスポイトで直接吹きかけて枯らしていたのですが、最近ちょっと多めに酢を吹きかけたら、水槽が白濁りになって魚がパクパクして元気がなくなるという大失敗をしました。
そのときの酢の量は30mLくらい。大きめのスポイト2杯くらいです。これで水槽大失敗となりました。
酢にはバクテリアを死滅させる殺菌作用があり、酸なのでpHを下げる作用もあります。
入れ過ぎはよくないです。直接酢を黒髭コケに吹きかけるのはやめておきましょう。
また大磯砂の表面の黒髭コケを枯らしたあとの大磯砂はよくきれいな水でゆすぐ、スポンジを酢に浸した後のスポンジもきれいな水でよくゆすいで、なるべく酢を水槽に戻さないのを徹底してください。
また酢を使ったものを水槽に戻した後は、微妙に残っている酢の成分は良い作用がほぼ無いので、酢の残りが水槽に入るときは直後に水換えをしてさらに酢を薄めると良いでしょう。
水槽内のインテリアは活着性陰性水草のみにする
我が家ではミクロソリウムセミナローを利用しています。
ミクロソリウムの仲間やアヌビアスの仲間は「陰性水草」と呼ばれており、低光量、低栄養でもゆっくり生育し、活着性があるため砂に植えて根を伸ばす必要がありません。活着している間は根は水中にむき出しですよね。
つまり水槽の底砂の上にポンと置いておくだけで維持できるのです。別に流木や石に活着させなくてよいのです。
この性質を利用して砂に植えない水草管理をすることで以下のような恩恵があります。
- 底砂掃除をするときだけ水草を取り出して水草の下の底砂を掃除できる「3の解決」
- 水槽掃除のときにガラス付近の水草を取り出してガラス磨きが可能「4の解決」
- 水草の周りにゴミが溜まっても取り出してそのエリアの掃除が可能「5の解決」
- 黒髭コケが水草表面に付着しても水草を取り出してサイアミーズ水槽に入れれば黒髭コケを除去できる「6の解決」
この手法により、「3」「4」「5」「6」が一気に解決します。
「6」に関しては以下の記事をご覧ください。サイアミーズ専用水槽の構築方法も解説しています。

日々のお手入れ
当然ながらリセットしなくてよいと言っても日々のメンテナンスは必要です。
水換え
水換えはソイルを使わないのでイオン交換も何もないため定期的にする必要があります。

水槽の蓋なども定期的に歯ブラシなどで磨いてください。コケまみれでは不衛生ですし、光の透過率も下がってライトの効率も下がり水槽が暗くなります。
またガラス面はスクレイパーで水換えのときに磨いてコケ落としをします。水槽の見栄えに直結するので毎回ちゃんとやりましょう。
底砂の掃除
2ヶ月に一回くらいは底砂をプロホースなどでガサゴソと掃除します。デトリタスが溜まってそれが病原菌などの温床や目詰まりの原因になるからです。目詰まりすると嫌気性環境で硫化水槽の発生なども懸念されます。
これをやりたいからこそ崩れやすいソイルではなく、大磯砂か田砂を使います。
フィルター磨きと掃除
フィルターの掃除は「ろ材の掃除」と「吐き出し口などのコケ落とし」があります。




ろ材の掃除は上の記事をご覧ください。ここでは「吐き出し口などのコケ落とし」を解説します。
特に外掛けフィルターや投げ込みフィルター、外部フィルターは黒髭コケが吐き出し口付近に生えてきます。
これを定期的に歯ブラシなどで除去したほうが魚が健康に過ごせますし水槽の見栄えも向上します。定期的に水槽からフィルターを外してコケの生えた部分を磨きましょう。
黒髭コケには様々な汚れが絡まるのでそこが病原菌などの温床になる可能性があります。除去したほうがいいでしょう。
緑色の普通のコケも水に触れる場所なら自然に生えてくるので歯ブラシなどで除去しましょう。見栄えがいいほうが水槽を管理するモチベーションも上がります。
エアーチューブ類・ヒーターのコケ落とし
エアーチューブやエアーストーンなどの水中にある物体には黒髭コケが生えてきます。
これをたまに水槽から出して磨いて黒髭コケを除去します。
またエアーストーンやヒーターは3倍の酢に浸して10分くらい置いておけば赤く枯れるので枯れたら水槽に戻します。枯れた黒髭コケは魚が食べます。余裕を持って30分程度は浸したほうがいいかもしれません。

まとめ【水槽のすべてがメンテナンスできればリセットは不要】
今回解説した内容をすべて実行すれば水槽のすべての要素を定期的に掃除できるのでリセットする必要がなくなります。
ちゃんとメンテナンスすれば長期維持できると思います。
流木や石はメンテナンスできないことはないですが、入れれば入れるだけ手間が増えて定期的なメンテナンスの負荷は増大するので注意しましょう。
リセットでソイルを毎回ゴミに出すよりは、環境にいいのではないでしょうか。魚をリセットするためにネットで捕獲してバケツに入れるという手間も減ります。
今回の内容がなにかのお役に立ちましたら幸いに存じます。

水槽をきれいに掃除して維持しようという意志が重要です