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45cm水槽でのコリドラス飼育【何匹?飼いやすい種類?飼い方?】

今回は45cm規格水槽でコリドラスを飼育するときの「適正飼育数」と「飼うのが簡単な種類と難しい種類」「45cm規格水槽でのコリドラスの飼い方」という3つの視点で解説します。
そもそも45cm水槽では何匹までコリドラスが飼えるのか
ろ過の能力や水換え頻度の影響を受けます。ろ過の能力が低いフィルターでたまにしか水換えしないような飼育方法ですと当然ながらあまりたくさんは飼えません。
かといって「ろ過力の高いフィルター」と「高頻度水換え」をしたらめちゃくちゃたくさん飼えるのかと言えば上限は存在します。
その上限を決めているのが「水量」です。45cm規格水槽の水量は以下のように決まっています。45cm規格水槽ならだいたい30Lと考えて良いでしょう。
水槽 | サイズ | 水量 |
30cmキューブ水槽 | 30×30×30cm | 約22〜24L |
45cm規格水槽 | 45×27×30cm | 約29~31L |
60cm規格水槽 | 60×30×36cm | 約59L |
アクアリウムの分野では「体長1cmに対して飼育水1Lが必要」という経験則が存在します。文献では以下の観賞魚用品の大手GEXが参加した東京大学との共同研究があります。
「水容量10Lに対して体長100mm」の目安が2-5尾飼育で成立するが, 一方で1尾飼育では許容量を超過することになる。このことから, 複数の魚を飼育する場合には「水容量1Lに対して魚の標準体調1cm」がひとつの大まかな目安になると言えよう。
吉田恵史郎, 金子豊二著, キンギョ Carassius auratusを用いた観賞魚を健全に飼育できる最大許容密度の推定, 日本水産学会誌/89 巻 (2023) 1 号 p. 65-67.
これ、長年色々な種類の熱帯魚や金魚を飼育していますけど、ある程度正しいです。これを守らずに過密飼育するとだんだんこの適正数になるようにポツポツ落ちていって適正数に落ち着いていってしまいます。
というわけでいくらろ過を強化しても、水換え頻度を上げてもこの適正数は守るようにしましょう。
ではコリドラスの適正数はどのくらいかというと、だいたい体長4cmで計算することが多いです。
すると30L÷4cm=7.5匹くらいとなります。7匹から8匹くらいが限界と考えられます。
実際我が家では30cmキューブ水槽(水量23Lと仮定)でコリドラスステルバイとベネズエラブラックを4匹ずつ合計8匹飼っています。体長は3cmくらい。23L÷3cm=7.7匹くらい。やっぱり適正数に収束しています。10匹くらい飼育していたのですが、頑張って飼育しても結局適正数に落ち着いてしまいました。
このことから45cm規格水槽でも大きくなるのを考慮すれば8匹くらい、もしまだコリドラスが小さくて様子を見たいなら3cm体長と考えて30L÷3=10匹。10匹くらいを上限に導入してみるといいんじゃないでしょうか。
- 体長3cmのコリドラスを導入する場合→10匹くらい
- 体長4cmの成魚を飼育する場合→8匹くらい
これが大まかな基準となります。
30cmキューブ水槽より45cm規格水槽が優れている点
水量的には30cmキューブ水槽でも45cm規格水槽でも水量に大きな開きはありません。
ただ45cm規格水槽で飼育するとメリットがある場合があります。それが「底面の広さ」です。
30cmキューブ水槽は立方体なので底面は30cm✕30cm=900cm2です。
これに対して45cm規格水槽なら底面は45cm×27cm=1215cm2です。1.35倍ほど45cm規格水槽のほうが30cmキューブ水槽より底面が広いと言えます。
これの意味ですが、「遊泳スペースが増えてコリドラスのストレスが軽減される」というのがあります。
やはりカラシン系のネオンテトラとかグッピーだと水槽を立体的に使えて上下左右泳げるのでいいのですが、コリドラスは水槽の底に生きる魚なので底面積がコリドラスの泳ぎを決定します。
そのためHigh水槽みたいな縦に長い水槽より横に広い水槽の底面積が広い水槽のほうが伸び伸び泳げるのでコリドラスにとってはいいでしょう。
なので30cmキューブ水槽でも十分飼育可能ですが、水槽の設置面積がある程度とれるなら45cm規格水槽のほうがコリドラスにとってはいいと思われます。
飼いやすいコリドラスと飼いにくいコリドラス
コリドラスは種類によって難易度が大きく変わる魚です。
過去にコリドラスの難易度について述べた記事を書きました。

主な難易度を決定する要素は「pH」と「そもそもめちゃくちゃ難しい」という2軸です。pHについては以下の記事で述べました。

ここではそれをまとめます。
飼育が簡単なコリドラス
まずは簡単な種類。
飼育方法はステルバイの飼育方法を参考にしてください。

飼育難易度がMAXのコリドラス
次がめちゃくちゃ難しい種類。
- コリドラスsp.アルア
- コリドラスベネズエラブラック
ベネズエラとついていますが、「ブラック」は「オレンジ」と難易度の次元が違います。安易に「ベネズエラブラック」に手を出さないほうがいいです。
pHを低く保つ工夫が必要なコリドラス
次がpHを低めにしないと飼いにくい種類。
pHを下げるためにソイルを利用することになりますが詳細は以下の記事をご覧ください。底面フィルターの記事ですがそれ以外のフィルターでもソイルを使えばいいだけです。

飼育が容易ではないけど激ムズでもないコリドラス
最後に上のどれにも当てはまらない「ちょっとむずかしい種類」。
これらの種類は「飼育は容易」と言われていますが、少し間違うと落ちます。
この「ちょっと難しい種類」の育成方法を述べます。ただこれをやっても「コリドラスパンダ」だけはうまく飼えません。私も原因がわからないので、当サイトでは初心者には飼育をおすすめしません。難しい種です。
以下の項目を徹底的に改善して、pHも7.0〜6.0の範囲を守ります。
- 水換え
- 底砂の掃除
- 黒髭コケの除去
- 水草のボリュームを小さくする
- 石の撤去
- 汚れをスポイトで吸い出す
詳細は以下の記事をご覧ください。

pHが下がりすぎていたら水換えをして中性付近の水道水をカルキ抜きしたもので低いpHを薄めます。
あとはなるべくレイアウトをシンプルにして「水槽のすべての要素を掃除できるようにする」ということを心がけてください。以下の「リセットがいらない水槽」に関する記事も参考にしてみてください。

基本的な45cm水槽でのコリドラスの飼い方
ここでは「飼育が容易なコリドラス」を対象に基本的な飼育方法を述べていきます。
水槽【オールガラスかフレームか】
水槽にはフレームの付いているフレーム付き水槽とフレームがないシリコンのみで接合された「フレームレス水槽・オールガラス水槽」という二種類があります。
どちらでも飼育は可能です。見た目で良さそうな方を採用しましょう。フレーム付き水槽のほうが若干大きくて奥行きが30cmあります。フレームが付いている分丈夫ではあります。上部フィルターを乗せたいなら重くなるのでフレーム付き水槽のほうがいいでしょう。
水槽台【あったほうが何かといい】
普通の棚の上に乗せることも可能ですが、水槽は重くなるので(30Lの水が入ると単純に30kgですよね)耐荷重をちゃんとクリアしている水槽台のほうが何かと便利です。
「GEX アクアラック ウッド 450WH」は耐荷重:約100kg以下となっていて45cm規格水槽が十分乗せられます。少し見た目を良くしたいなら外部フィルターを使うとよりスタイリッシュな水槽になるでしょう。
その場合でも下のキャビネット部分に外部フィルターを格納できて便利です。水槽の掃除用具などもしまえます。

底砂【基本的に田砂系の細かい砂】
底砂は田砂系の細かい砂か大磯砂を利用します。ソイルに関しては上の「低pHを好むコリドラス」の項目をご覧ください。
田砂系の粒が小さな底砂はコリドラスが砂を突く習性があるので、髭を傷つけにくく適しています。
また大磯砂でも普通に販売されているものは角が尖っていないのでそれほど気にする必要はありません。
田砂は1kg辺り約0.6リットルと商品説明にあるので、3cmの厚みで30cmキューブ水槽なら4.5kg、45cm水槽なら6kg、60cm水槽なら9kg程度あればいいでしょう。
3cmの厚さに敷くとして30cmキューブ水槽なら2.7L程度、45cm水槽なら3.6L程度、60cm水槽なら5.4L程度あればいいです。
大磯砂の量は3cmくらいの厚さに敷くと仮定して、3cmの厚みで30cmキューブ水槽なら4.5kg、45cm水槽なら6.1kg、60cm水槽なら9.1kg程度あればいいでしょう。
なお3cmの厚さというのは「水草を植える場合」「石を入れる場合」の話です。水草を植えるための深さ、石を入れたときに底のガラスを割らないための緩衝材として3cm程度の厚みが必要なのです。
陰性水草と呼ばれる低光量で育つミクロソリウムやアヌビアスの仲間なら根を土に張らずに活着性があるので水槽の上に植えずにポンと置いておくだけで維持できます。
陰性水草を選択して石を入れなければ砂の厚みは1cmもあれば十分です。その場合上の砂の量の3分の1の量を準備すればよくなり、より経済的になります。
定番の田砂。粒の重みと粒径がちょうどよく、プロホースでの砂掃除もしやすいです。
粒の小さな砂として「コリドラサンド」もいいでしょう。コリドラスのための底砂です。
大磯砂でも十分飼育可能です。
我が家の大磯砂で維持している45cm規格水槽です。

コリドラス8匹くらいを維持しています。髭が大磯砂でちぎれるということは全くありません。
30cmキューブ水槽ではベネズエラオレンジ4匹、ステルバイ4匹のコリドラスだけの水槽を維持しています。こちらは砂掃除のメンテナンスを削減するために砂の厚みは5mmから1cmとしています。

フィルター【底面フィルター以外ならなんでもいい】
45cm規格水槽は30cmキューブ水槽と水量があまり変わらないので30cmキューブ水槽のフィルターを参考にしてみてください。

底面フィルターにしたいときは以下の記事をご覧ください。あえて底面フィルターを選ぶ意味はあまりありません。

今回は入門種を育てるというテーマなので「外掛けフィルター」「スポンジフィルター」「水中フィルター」という3種類をご紹介します。外部フィルターより安価に導入でき、ろ過力も十分です。
まずは外掛けフィルター。テトラのAT-50がおすすめです。
呼び水不要でセットして電源を入れるだけで水を吸い上げます。呼び水必要な機種だとろ過槽に計量カップで水を入れてからスタートする手間がかかります。
また色が黒いのでコケが目立ちません。以前は白メインのカラーリングだったので、ポンプの部分にコケがどんどん付着してそれが週一回の水換えの前に無視できない汚さになっていました。最近黒のカラーリングに変わって弱点が改善されています。
また外掛けフィルターは生物ろ過では弱いです。カートリッジを定期的に交換する必要があり、ろ過バクテリアが定着する前にリセットされるからです。
我が家では「改造」という外部フィルターのろ材を詰める方法を採用しています。詳細は以下をご覧ください。

次がスポンジフィルター。スポンジフィルターでろ過はできるのかと思われるかもしれませんが十分できます。

私も以前はスポンジフィルターだけで45cm規格水槽でコリドラスを維持していました。
おすすめはテトラの「ツインブリラントフィルター」。これ一つで60cm規格水槽までこなします。
エアーポンプとエアーチューブは「水心」と「スドー」の組み合わせがいいでしょう。水心は静音ですし、スドーのものはチューブが固くなりにくいです。
最後が水中フィルター。

45cm規格水槽なら以下のものがいいでしょう。テトラのサイレントフレックスミニです。
水中フィルターのメリットは「水漏れが無い」「静音」「水槽の脇がスッキリする」という点です。
水中にあるので水漏れの心配がなく、水中ポンプで駆動するのでエアーポンプより静音です。また水槽の中のスペースは少なくなりますが、水槽の外に外掛けフィルターのように飛び出さないので水槽の設置スペースがギリギリで後ろや横に余裕がないときに重宝します。
我が家でも使ってみました。注意点としては「外掛けフィルターのように改造するスペースはない」という点。内容量は大きくないので、無理してリングろ材を詰めるより(取り出しが面倒)付属のろ過マットを定期的に交換する方がストレスも少ないです。
照明【明るすぎるものはいらない】
照明は暗すぎなければいいです。強い照明はコケの頻発を招くので強すぎない照明のほうがいいでしょう。
基本的に田砂や大磯砂では水草水槽は向かないので、その意味でも強い照明は不要です。
おすすめはコトブキのフラットLED。強さそこそこで十分明るいです。我が家でも使っています。
エサ【コリタブか粒の小さな沈むエサ】
定番のキョーリンのコリドラスタブレットで十分です。
8匹に対して2〜3粒を朝だけ与えます。
それ以外だとチャームで売っているff num06がいいでしょう。粒が小さく沈むので、コリドラス全体にエサが行き渡ります。大きいタブレットだと強い個体が独占する場合があるんですよね。
似たようなエサとしてキョーリンのコリビッツなんかでもいいですね。粒が小さくて沈みます。
ヒーター【26℃固定のオートヒーターを入れよう】
コリドラスは水温で繁殖行動が変わったりするのでオートヒーターが最適とは言い難いのですが、普通に飼育する分にはオートヒーターで26℃を維持すればいいです。これでも我が家では水換えの後などに産卵することがあるので、繁殖も可能です。
SH120なら縦置きも可能で水槽内がスッキリします。
安全回路が2つ入っていて、通常は第一段階のみが異常時に通電を遮断します。第一段階のみが作動した場合再使用可能です。普通は安全回路は一つだけで一度起動すると再使用できないのですが、GEXのこのヒーターは再使用可能という珍しいタイプになります。
日々のメンテナンス【水換えと掃除】
普通は週一回1/3の水換えをします。

またヒーターやフィルターの黒髭コケや茶ゴケの掃除、ガラス面のスクレイパーによる掃除も定期的に行いましょう。

フレックスのスクレイパーならプラスチック製なのでガラスを削る心配がありません、金属製は見た目がいいのですが、ガラスをエッジで削る可能性があるんですよね。
繁殖【狙うなら60cm水槽にしたほうがいいができないこともない】
ステルバイを我が家で繁殖させていますが、詳しいノウハウは以下の記事をご覧ください。水温が25℃程度必要なので水温が低すぎるならちゃんとヒーターを調節してください。


混泳【基本は単種飼育。他魚とは相性がある】
混泳に向かない種は例えば以下のようになります。
- アベニーパファー(突く)
- エンゼルフィッシュ(突く)
- サイアミーズフライングフォックス(突く)
- アフリカンシクリッド系(突く)
- スネークヘッドやアロワナ系の古代魚(食べられる)
ネオンテトラやグッピーとなら容易に混泳できますが、注意点もあるので以下をご覧ください。特にグッピーとの混泳ではpHをグッピー側のアルカリ側に合わせるとあまり良い結果にならないので注意しましょう。


まとめ【45cm水槽でもコリドラスは十分飼える】
今回は45cm規格水槽でコリドラスを飼育するときの「適正飼育数」と「飼うのが簡単な種類と難しい種類」「45cm規格水槽でのコリドラスの飼い方」という3つの視点で解説しました。
入門種なら簡単。やや難しい種は注意して飼育。激ムズ種は手を出さない。pHがシビアな種はソイルを使う。
このくらいを守れば普通に飼育できると思います。

水換えをサボらない。掃除できない要素を作らない。定期的に掃除するを守りましょう