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今回はコリドラスの稚魚の孵化から初期の育成までを取り上げます。
コリドラスの稚魚の育成で鬼門なのは「孵化させる」→「初期育成」です。
やはり卵から孵る、生まれたばかりの稚魚を育てる、という段階が難しいです。
今回は
- 卵を産ませるまで
- 卵を孵化させるまで
- 孵化させてからの初期育成
この3つを取り上げます。初期育成できるくらいまで稚魚を成長させればそのあとは普通の成魚の飼育とやることは変わりません。
鬼門の孵化を乗り越えてコリドラスを繁殖させてみましょう。
卵を見つけて慌てちゃうけど、落ち着いて作業すれば大丈夫だよ
卵を孵化させるまでにすること
コリドラスは卵を結構長い期間産み続ける
知識として知っておきたいことは
コリドラスは一度産卵したらまた来年まで産まないなんてことはない
ということです。
一度産んだらしばらく何日・何週間にもわたって卵を小出しに産み続けます。たくさんコリドラスがいれば定期的に卵が産まれる可能性すらあります。ペアが複数あればそれだけ産卵時期が分散する可能性がありますよね。
それを踏まえると飼育容器は2つほど最低でも用意する必要があります。
孵化用と育成用です。これについては後ほど解説します。
コリドラスを10匹ほど水槽に入れる
まずコリドラスの数がある程度いないと卵は産まれません。10匹くらいは一つの水槽に入れておく必要があります。
これは数年飼育したコリドラス・ステルバイです。体が最大サイズまで成長して毎日元気ですが、卵は一向に産まれませんでした。
そこで心機一転、それまでの45cm水槽から60cm水槽へコリドラスたちを引っ越しさせて、ステルバイを6匹新水槽にお迎えしました。
ちなみに水槽に入れられる魚の数は「水1Lに対して体長1cm」というのが古くから言われていますが、こちらの文献である程度その妥当性が確かめられています。観賞魚用品の大手GEXが参加した東京大学との共同研究です。
「水容量10Lに対して体長100mm」の目安が2-5尾飼育で成立するが, 一方で1尾飼育では許容量を超過することになる。このことから, 複数の魚を飼育する場合には「水容量1Lに対して魚の標準体調1cm」がひとつの大まかな目安になると言えよう。
吉田恵史郎, 金子豊二著, キンギョ Carassius auratusを用いた観賞魚を健全に飼育できる最大許容密度の推定, 日本水産学会誌/89 巻 (2023) 1 号 p. 65-67.
この文献で対象となったのは標準体長40.4±5.7mmのワキン型のキンギョです。だいたい4cmから5cmの間の金魚ですね。コリドラスは5cm程度まで育つので、だいたいこのワキンの状況が適用できます。
すると次のような表がある程度成立します。
水槽 | サイズ | 水量 | コリドラス許容量 |
30cmキューブ水槽 | 30×30×30cm | 約25L | 5匹 |
45cm規格水槽 | 45×24×30cm | 約29L | 6匹 |
60cm規格水槽 | 60×30×36cm | 約59L | 10匹 |
なぜ6匹のステルバイをお迎えしたかというと、4匹のステルバイを数年飼育しても卵を産まなかったからです。
そこに6匹のステルバイをお迎えしたら、2週間ですぐ卵を産み始めました。つまり4匹飼育していたときは全員オス、全員メスのどちらかだったんでしょうね。10匹一度に飼育することでオスとメスのペアがようやく成立して卵を産み始めたのでしょう。
45cm水槽でも6匹そろえれば産卵するかもしれませんが、10匹くらい飼育すると私の環境では産み始めたので、繁殖をやってみたいなら60cm水槽をおすすめします。
ただし上の文献でも大量に金魚を詰め込んだ水槽での金魚の大量死の原因は硝化が起こる前のアンモニア態窒素の過剰蓄積と考えられていて、ろ過力の強化でもっと多くの魚を飼うことが可能と述べられています。
上の目安を超えるときはろ過力の高いろ過装置を追加するなどすればいけるかもしれません。要するに小さい水槽でも硝化が適切に行われていればアンモニア態窒素は硝酸態窒素に変わって弱毒化しますからね。よろしければこちらもご覧ください。
小さい水槽を3つとオートヒーターを3つ準備する
虫かごとして売られているプラケース。稚魚が産まれる前に準備しておきましょう。(後述する追記でプラケースよりはガラス水槽のほうが良いという内容を扱うので注意してください。)プラケースは次の二つの状況で使うので、最低でも二つ必要です。
- 産卵した卵をメチレンブルー水に入れて孵化させる
- 孵化した稚魚をメチレンブルーを入れない透明な水で飼育する
詳細はこの後の節で解説します。
プラケースが二つ必要なので、水温を維持するためにオートヒーターも2つ必要です。この後解説します。
ただし稚魚が産まれてから少し育つと、生まれたばかりの稚魚と一緒にしたときエサが食べられない、口に入りそうで少し危ないという理由で、孵化後の少し育った稚魚用のプラケースとヒーターがもう一つあると便利です。
追記【プラケースでヒーターを使うのは良くない】
上で管理しやすくコストも抑えられるのでプラケースを推奨しましたが、プラケースでヒーターを使わないように注意しているメーカーがほとんどです。
これはプラケースがヒーターの熱で溶ける可能性があり、水漏れで魚が死んでしまったり、水漏れからの空焚きで火災になる可能性がゼロでは無いからです。
プラケース程度の水量のガラス水槽はAmazonで1800円程度で購入できる(2024/11/26時点)のでプラケースとたいして値段が変わりません。
火災になって自分の不手際扱いされるとデメリットも大きいので、基本的には小さめのガラス水槽を利用してください。
またヒーターの設置方法(砂利に埋めないなど)に関して取り扱い説明書をよく読んで注意点をよく把握するようにしてください。
追記【メチレンブルーより孵化率が高くなった方法(メダカネットを利用)】
メチレンブルーでも孵化はしますが、それよりも簡単に手間なく孵化できる方法を見つけたので追記します。
本水槽でメダカ用の浮くネットに卵を入れておくだけです。
卵の付いた水草などをそのままちぎって入れておくとガラス面の卵などをくっつけやすいです。
本水槽は水質ができあがっているので、細かい調整が不要ですし、エサをネットに入れないので孵化までカビの心配がほとんどありません。実際メチレンブルーの孵化より感覚的に孵化率が高いです。
そのまま待っていると孵化するので、それを順次スポイトで吸ってプラケース(メチレンブルー無し)に入れていきます。
つまり孵化までは本水槽のネットで行い、孵化後はプラケースで育成するということです。ネットのまま育成しようとしたところ、アルテミア(乾燥孵化済みブライン)がネットをすり抜けて落ちてしまい、稚魚が食べれなくてうまくいきませんでした。孵化後はプラケースで育成したほうがよいです。
孵化後の育成は以下の「卵が孵化したら」の項目をご覧ください。
なおインターネット上にたまにネットはコリドラスの稚魚がすり抜けてよくないという報告があるのですが、我が家の場合は上のメダカ稚魚がすり抜けない程度の目の細かさのネットを利用しているので稚魚がネットをすり抜けるということは一度もありませんでした。
メダカネットは結構便利なので利用しても大丈夫だと思います。心配ならメチレンブルー液の別水槽でふ化させてください。
また水槽底面にヒーターを入れるとヒーターカバーの穴に稚魚が入り込んで火傷する危険性があるので、キスゴムで底面から浮かせるように水槽壁面にヒーターを固定すると稚魚の火傷のリスクをほぼ回避できます。
メチレンブルーを購入する
卵をカビさせないためにメチレンブルー水を作る必要があります。詳細はこの後解説します。
水草を少し入れておく
ミクロソリウムなどの飼育が簡単な陰性水草がおすすめ。
水草を入れておくとそこに卵が産みつけられます。
卵が産みつけられる場所は主に次の場所となります。
- 水草の葉
- ガラス壁面
- フィルターなどの機材の表面
水草がなくても卵は産まれますが、我が家で一番見つかる場所が水草の葉なので、水草を入れておいた方がたくさん卵を見られますよ。
卵を見つけたら、指で撫でるように採ってもよいのですが、たまに接着力が弱くて水中に落ちるので、卵がくっついた水草の葉ごとハサミで切り取って、それを孵化用のプラケースに入れたほうが簡単です。
ミクロソリウム セミナローなら、葉っぱを数枚切り取ってもまた簡単に生えてくるので、その点でもミクロソリウム セミナローがおすすめです。
追記【そのほかの産卵に関係する事項】
しばらくコリドラスステルバイが産卵しなかったのですが、以下の取り組みで産卵が再開しました。
- 秋になってしばらくすると産卵した
- 水換えを頻繁に行うようにした
コリドラスの産卵の適温は24℃から26℃程度と言われています。だから春に産んでいても夏は産まなかったということのようです。
秋になって冬の足音が聞こえてくるくらいの11月ころに産卵を再開したので水温の影響はあると思います。夏だと色々水温低下の取り組みを行っても28℃くらいになってしまいますからね。
また水換えを頻繁に行うようにしたら産卵しました。
コリドラス水槽はコリドラスがたくさん入っている(60cm規格水槽に13匹くらいのコリドラス)のでpHが二日で2くらい下がります。
放っておくとpHが下がりすぎるので、6以上くらいのpHを目指して2日か3日に一回の水換えをするようになったら産卵しました。
夏になったら産まなくなったというときに参考になりましたら幸いに存じます。
卵を見つけてから孵化させるまで
この段階は一番気をつかう難しい段階です。
ある日突然卵が水槽に現れます。そうなったら慌ただしくなります。
なおプラケースを使うときは砂利などの低床は不要です。掃除も大変なので、低床は無しのベアタンク方式で孵化・育成します。
卵を見つけたら早めに本水槽から取り出しましょう。コリドラスの成魚は卵を食べてしまいます。
メチレンブルー水を作る
メチレンブルーというのは魚病薬の一つです。本来は魚の病気を治療するために使いますが、卵のカビ対策として使えます。
一般的なプラケース(幅27cm、奥行き17cm、高さ17cm程度)を準備します(上の追記のようにヒーターを使うのでガラス水槽のほうがいいです)。二つそろえたほうが良いです。
そこに水道水を給湯器で温めた水(30℃程度)をプラケースの80%ほど入れます。カルキ抜きは入れなくてよいです。カルキは放っておけば一日・二日くらいで抜けます。カルキはカビ予防にもなりますし、稚魚が孵化する前なら卵で守られているので耐えられます。コリドラスの卵は産卵から5日程度で孵化するので、孵化するころにはカルキは自然に抜けています。
次に給湯器を通ってきた水道水を入れたプラケースにヒーターを入れます。ヒーターは次のようなオートヒーターで良いでしょう。後述しますが、プラケースを二つ使うのでヒーターも二つ用意したほうが無難です。
ヒーターは上で挙げたプラケースのサイズだと約7.8L程度なので次のオートヒーターでよいでしょう。
プラケースの大きさが上の規格より大きいとか小さいとかの場合はこちらのサイトで計算できるので参考にしてください。
このサイトでは魚病薬の目安の投薬量も表示されますが、その量を入れないでください。例えば7.8Lの水量のプラケースではメチレンブルー1.3mLと表示されますが、カビ予防目的だと多すぎます。
コリドラスなどのナマズの仲間は魚病薬への感受性が高いので、規定量入れるとコリドラスにとって薬が多すぎることになり薬害が起こりやすく、コリドラスに魚病薬は少な目に入れるというのが基本なのです。
プラケースに給湯器の水も入れ、ヒーターも入れたらいよいよメチレンブルー液を1滴から2滴プラケースに入れます。カビ予防なのであまりたくさん入れなくてよいです。
メチレンブルーを入れると水が青色になります。この青色は染色作用がありますので、白いものなどを入れると染色されて色が抜けなくなるので気を付けましょう。
エアレーションはこの段階では特に必要ないです。
そこに卵の付いた水草か、手で撫で採った卵を移します。手で採った時はプラケースの壁面にくっつけてもよいですし、そのまま沈めてよいです。
この状態で5日ほど待ちます。
少し関係ない話かもしれませんが、飼い犬、飼い猫がいるご家庭はプラケースに必ず蓋を付けてください。段ボールをプラケースの上にかぶせるだけでもいいです。
魚病薬は薬品なのですが、プラケースを床に置いておくと飼い犬・飼い猫はプラケースのメチレンブルー水を飲みます。それは飼い犬・飼い猫に非常によくないので、蓋を忘れずにつけましょう。高いところに置いておくとなお良いです。
なおメチレンブルー水を使わずにそのまま稚魚が孵化するかということもやってみました。結果は次の通りです。
- メチレンブルー水利用:ふ化率50%程度
- メチレンブルー水未使用:卵10個中すべて白カビにやられて全滅
メチレンブルーは使ったほうがいいですよ。
また卵は2個くらいがくっついた状態で産み付けられるので、プラケース内でバラすか、毎日確認して、片方がカビたら爪の先で取り除くようにしましょう。卵は硬いので多少指でつまんでも割れません。優しくつまみましょう。
卵が孵化したら
5日ほど待つと卵が孵化して小さな稚魚が卵から出てきます。
この状態になったら次のどちらかの対応をしてください。
- プラケースを新たに準備して、そこにカルキ抜きした30℃程度の水を入れてヒーターもいれる
- 卵が孵化したプラケースの水換えを水量の半分程度行う
個人的な感想では水換えしてそのままのプラケースで育てたほうが簡単です。新たにプラケースを準備するときはスポイトなどで稚魚を移動させます。新しくプラケースを準備しない場合は、メチレンブルー水の入ったプラケースの半分程度を水換えします。
移動させるとき多少メチレンブルー水が入っても大丈夫です。
水換えしたプラケースか、新しく水を作ったプラケースにエアストーンでエアレーションするか、小さめのスポンジフィルターを設置します。
エアストーンのみの場合・スポンジフィルターを入れた場合双方で、2日に一回は水量の半分程度水換えをしましょう。(すみません、2日に一回と書きましたが毎日やったほうがいいです)そうしないとアンモニア態窒素が硝化できないので稚魚が生きられません。フィルターも過信すると危険です。特に設置したばかりのフィルターは硝化細菌が足りないので硝化がうまくいきません。水換え間隔を伸ばしたければ、最低でも2週間程度は2日に一回の水換えをする環境で硝化細菌を育成した状態にしたフィルターを利用する必要があります。この加減が難しいので、2日に一回の水換え(毎日やりましょう)をずっとやっていた方が簡単です。
毎日の水換えですが、これは「白いモヤとの戦い」です。稚魚が生き残るかどうかはほぼすべてモヤを徹底的に取り除くことができるかどうかにかかっています。白いモヤはアルテミアを稚魚のプラケースに入れていると発生します。正体はおそらくカビです。放っておくと稚魚がカビにやれれて死んでしまいます。
毎日最低でも一回はプラケースにライトを当てて、徹底的にモヤをスポイトなどで取り除いてください。そして毎日水換えをしましょう。ライトを当てないとモヤの全体像が見えません。明るくして作業してください。
水換えした場合も、新しいプラケースを立ち上げた場合も要するにやっていることは役割分担です。
- 稚魚を孵化させるプラケース
- 稚魚を育てるプラケース
この二つを用意するということです。
なぜメチレンブルー水でそのまま育成してはいけないのか、という点ですが、これは上で述べたようにコリドラスの魚病薬感度が高いからです。
コリドラスは基本的に魚病薬に弱いので、少ないとはいえメチレンブルー水の中で飼育を続けると薬害が起きて死んでしまう可能性が高まります。
なので孵化したら極力薬を使わない・触れないようにするということが大切なのです。
孵化後の飼育方法
卵が孵化したら2日くらいはエサを与えなくてよいです。稚魚は最初ヨークサックと言われる栄養が詰まった袋のようなものを持って産まれてきます。最初の2日程度はその栄養のみで活動します。
その後、3日目くらいになったらエサを与えましょう。基本はブラインシュリンプです。こちらが使いやすいです。やや高価ですが、孵化器不要で皿に塩水を入れて浮かべておくだけで簡単に孵化します。
ただブラインシュリンプは孵化させるのが面倒です。そういう時は孵化済みのブラインシュリンプが売っています。
このアルテミアは浮遊性なので、コップに一度粉を浮かべて、割りばしなどでクルクルかき混ぜると沈みます。それをスポイトなどで水槽内に吹きかければよいです。正直こちらの方がブラインシュリンプを孵化させるより簡単です。
ただし水槽の底に、沈んだブラインシュリンプのうち稚魚が食べなかったものや、殻の残骸でモヤモヤとしたゴミ(おそらくカビ)が溜まっていきますので、2日に一回の(毎日やりましょう)水換えのとき、稚魚を吸い込まないように注意して掃除するようにしてください。ライトを当てて、モヤが見える状況で徹底的にモヤを取り除きましょう。稚魚の生存率にかなり影響があります。
この餌やりと2日に一回の(毎日やりましょう)水換えを続けていけば稚魚は大きくなってきます。ブラインでは稚魚の口には小さすぎるなと思うくらいに成長したら、コリドラス用のエサをすりつぶして与えましょう。
チャームオリジナル商品っぽいですが、小さくても沈んでよく食べるのでこのエサをおすすめします。稚魚が小さい時はちゃんとすり潰してくださいね。
コリドラスしか本水槽に入っていないなら、5mmくらいのちょっと大きくなってきたな、くらいの稚魚でも食べられません。モヤとの戦いはきついので、そのくらいで本水槽に放流してしまっていいです。もちろん成長をよく観察していたいなら、モヤをなんとかできるならもう少し大きくなるまでプラケースで育ててもよいです。
稚魚育成中に産卵が続いている時は
通常コリドラスの産卵は一回産んだら終わりではなく、その後も小出しに続いていきます。
すると稚魚の育成と稚魚の孵化を同時に行う必要が出てきます。
そこで上で述べたプラケース三つです。
一つは稚魚の育成用に使います。そして二つ目でメチレンブルー水で卵を孵化させます。
育成用のプラケース内の稚魚が大きくなり、卵から孵ったばかりの稚魚を食べそうな感じまで成長したら、二つ目は水換えして小さな孵化直後稚魚用にします。そして三つ目のプラケースをメチレンブルー水にします。
要するに3つの水槽を順繰り回すということです。
- メチレンブルー水で孵化させる
- 孵化直後の稚魚を育てる
- 孵化からしばらく経った、少し大きめの稚魚を育てる
育成していた稚魚が2~3cmくらいまで成長して、親に食べられないくらいになったら、本水槽に合流させます。モヤとの戦いが大変なら5mmくらいで放流してしまっても食べられません。ただし本水槽に入れるとすぐに隠れてしまうので見つけにくくなって管理は大変です。モヤ除去の手間と稚魚の生存確認の簡単さのどちらを重視するかは水槽管理者の判断です。
追記【稚魚の生存率をさらに上げる方法】
この記事を公開してからだいぶ時間が経ちました(1年くらい)。その間コリドラスは何度か産卵し色々と試行錯誤する中で稚魚の生存率を上げるノウハウが貯まってきたのでこのあたりでまとめます。
心配ならサテライトでもいいんですよ
インターネット上の情報だとサテライトが便利という情報が多いですね。当サイトでは筆者がサテライトを利用しないコリドラス育成方法を磨いてしまったのでサテライトを使っていないのですが、サテライトだとヒーターがいらないし、親水槽のろ過を利用できるので便利です。
サテライトを使っても全く問題ないのでお好きなように育成すればよいでしょう。
稚魚が生まれてからが勝敗の分かれ目
上で水換えと白カビの話を口酸っぱく言い続けたのですが、どうもコリドラスというのは稚魚の段階で白カビを有害なものと認識していないようで、エサの残りに発生した白カビの上でじっとして休む個体が多いです。
そして自身の体が白カビにやられてそのまま死んでしまうということが続きました。
そこで水換えを一日一回からさらに一日二回の朝と夕方に変更しました。水換え量は3~4Lくらいですね。お風呂の湯おけ一杯分くらい。
もちろん水換えのときは徹底的に白カビの兆候をライトをよく当てて見つけて、フワフワしていたり、エサが集まってバクテリアコロニーみたいになってるものをスクレイパーで浮かせてスポイトで徹底的に取り除きます。
この水換え毎日二回に変更してから稚魚の生存率が相当改善されました。
エサやりは朝一回だけで夕方は与えない【1cmまで】
エサは白カビの素なので、エサの与えすぎ、残りすぎはよくありません。
特に夜寝ている間は水槽を全く見られないので、その間に白カビが繁殖して稚魚が死亡という状態が続きました。
そこでエサを朝だけ、アルテミア100の量は水面に10円玉くらいの面積広がるくらいの量を30匹オーバーの稚魚水槽に与えました。夕方の水換えのときは与えません。夕方は水換えで掃除するのでエサが水槽からほとんど姿を消します。
エサが足りなくなるのではないか、と思いましたが翌日もほぼすべての稚魚が生存していました。
やはり大事なのは白カビをいかに抑えるかという点のようです。
なおアルテミア100を使うメリットとしては、ブラインシュリンプを沸かす必要がなく、エサやりの手間を大幅に削減できる点が挙げられます。コップに10円玉ほどスプーンで浮かべてスポイトの先端でクルクルかき混ぜて中央を吸い出して優しく水槽の水底に吹きかけましょう。
※1cmを超えたら朝夕二回あげたほうが良いようです。
1cmを超えたら朝だけだと稚魚のお腹がへこんでエサのオレンジも見えなくなったので多分足りていません。
1cmを超えたくらいで稚魚の死亡が増えたのでエサが足りなかったかもしれません。
1cmを超えたら朝夕二回給餌したほうがよさそうです。
稚魚の成長に合わせて水槽分離とエサの量の増量
稚魚はひと月で体長1cm程度に成長します。
例えば30匹オーバーの稚魚がいる場合、すべてが1cmになると30L以上の水槽が必要になります。
熱帯魚は「体長1cmで1L飼育水が必要」という経験則があるからです。
10L程度の水槽に30匹オーバーを収容していると魚によくありません。過密です。
そこで生後3~4週間くらいになって体長が1cm前後くらいになったら水槽を分割しましょう。新しく水槽を立ち上げるということです。
それぞれの水槽の水量が「稚魚数[L]」くらいになるようにして過密を防止します。15匹なら15Lということです。
やはり過密だと稚魚がポツポツ落ちていきます。
どうもろ過力ウンヌンではなく、飼育水の水量とか底面積そのものをコリドラスは把握しているようで、過密だと群れから溢れるように少しずつ稚魚は死んでしまいます。
というわけでどんな水槽がいいのか、という話ですが、オールガラス水槽の25cmキューブ水槽がおすすめです。
底面がガラスなので横から見るとベアタンクの場合、水底が全反射して鏡のようになり、稚魚のお腹とエサの残骸が見やすくなります。
25cmキューブ水槽なら高さがあるのでろ過器にテトラのスポンジフィルターが使えます。キスゴムで底面から浮かせて設置すれば稚魚の遊泳スペースも邪魔しなくていいです。
水量も約15Lあるので、稚魚15匹くらいを安心して飼育できます。
またエサの量ですが、生後1か月程度で15匹にアルテミア100を水面に10円玉が広がるくらいの量でうまくいきました。
生後5日くらいの場合は30匹オーバーで上と同じ量で足りました。つまり生後1か月でエサの量は倍に、水槽も分離させる必要があります。
生後一か月くらいでアルテミア100とコリドラス用の沈むエサをすりつぶして少しずつ混ぜました。アルテミア100をいきなりやめるとコリドラス用のエサを食べ物と認識していない個体がほとんどなので食べません。
すると餓死してしまうので、体調2~3cm程度に育って本水槽に合流するその日までアルテミア100は与え続けたほうがいいでしょう。
ろ過はあったほうがいい
頻繁に水換えするのでろ過器不要な気もしますが(そうはいってもエアレーションは必要です)、やはり何らかの細かいごみを吸い込む、集めるという装置はあったほうがいいです。細かい白カビ掃除の残骸などを集めてくれるという意味で何らかのろ過フィルターを入れておきたいところです。
おすすめはテトラのスポンジフィルター。以下の製品(テトラツインビリーフィルター)なら1000円程度で45cm水槽までカバーするので25cmキューブ水槽との相性も良いです。
エアーリフト式のスポンジフィルターならついでにエアレーションもしてくれるので酸素も水中に溶け込んで稚魚の活性改善に有効でしょう。
ラムズホーンは過信しない
ラムズホーンとかヒメタニシは水底のエサの残骸などを食べてくれるので水槽掃除の負担が減るという情報があります。これ自体は真実だと思いますが、スクレイパーできれいにしたようなきれいなピカピカ状態にはなりません。彼らは「面」でも「線」でもなく、「点」でエサの残骸を食べるからです。
やはり面倒でも水換えのときに手作業で徹底的にゴミ取りと白カビ除去を徹底したほうがよいでしょう。
ラムズホーンの食べ残しから白カビ発生という事態もあり得るからです。
まとめ
今回はコリドラスの稚魚を卵を見つけてから、ある程度まで育成するという段階まで解説しました。
色々な機器が必要になりますね。コリドラスの繁殖をやってみたいというときは購入を検討してみましょう。
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それではよきコリドラスライフを!
殖やすのは楽しいよ!