水槽トラブル・飼育方法

水換えを毎週やっていれば硝酸塩濃度はある範囲に収まるのか計算してみた

水槽トラブル・飼育方法

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はじめに

※素人のなんちゃって計算です。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

今回は

水換えを毎週3分の1量やっていれば、硝酸塩は除去できるのか

という話題について計算してみた、という回です。

水換えを3分の1すると、単純に考えて水槽内の硝酸塩は3分の2になりますよね。

そしてまた硝酸塩が蓄積していき、それがまた3分の2になる。

これを繰り返すと、ある一定の量の範囲に硝酸塩はおさまるのか。

それが気になったので計算してみました。

結論から言うと

3分の1を定期的に換えていれば硝酸塩はある値に収束する

そして

水中以外の経路(コケ化など)で硝酸塩は固定されるので、それを除去していけばたぶん理論収束値以上に排出される

という話となりました。

私の水槽でどのくらい硝酸塩が発生しているのか

次の文献の式を参考にします。

47.6Lの水の入った水槽に合計64gの餌を投入し,硝酸イオン濃度は300ppmに達していることから,水槽容量をW(L),餌(テトラミン)の投入質量をF(g)とすると,得られる硝酸イオン濃度C\(_{NO3}\)(ppm)は次式で表される。

C\(_{NO3}\) =0.193F/W×1000

松林 勝志, 中川 文寛, 半田 真帆, 小坂 敏文, 三谷 知世, 218 汚水を出さない魚と野菜の同時生産(アクアポニックス)システムに関する研究 : アクアポニックスシステム稼働前の硝化サイクルの確立(安定化・無害化及び循環型廃棄物処理技術,資源循環・廃棄物処理技術), 環境工学総合シンポジウム講演論文集/2007.17 巻 (2007).

我が家のメダカ(10匹)程度が入っているプラケース4.5Lのエサの量を測ってみました。

だいたい20回分測ったところで1gとはかり(キッチンスケール)が表示したので

\[ 1g/20=0.05g \]

というのが一日のエサの量と推定しました。

これを上の式に入れて

C\(_{NO3}\) ≒2.14ppm

と出ました。1日で2.14ppm硝酸塩が増加するようです。

計算

ここからは数式が並びます。

x日で水換えを定期的にするとする。硝酸塩濃度をNとする。

このとき

N=2.14x

になる。水換えで

N=(2/3)×2.14x

になる。

そこからさらにx日経って水換えすると

N={(2/3)^2+(2/3)}×2.14x

になる。

x日の水換えをn回行うとする。このとき

N={(2/3)^n+(2/3)^(n-1)+…+(2/3)^1}×2.14x

となる。

これは

\[ N=2.14x\sum_{k = 1}^n (\frac{2}{3})^k \]

となります。初項(2/3)、公比(2/3)、項数nの等比数列の和です。

すなわち等比級数の和の公式から

\[ N=2.14x×\frac{\frac{2}{3}\{1-(\frac{2}{3})^n\}}{1-\frac{2}{3}} \] \[ =2.14x\{2-3(\frac{2}{3})^{n+1}\} \]

(2/3)は1より小さいので、nが増えれば増えるほど、第2項のnの累乗は小さくなっていく。

ここで第2項はnが増えるほど小さくなっていき、最終的にn→∞なら限りなく0に近づく。つまり

\(N=2.14×2x\)

にどんどん近づいていく。

つまり硝酸塩濃度Nはx日での水換え回数nが増えるにつれてある値に収束する。それは

\(N=2.14×2x\)

である。

そのため、(1/3)量の水換えを定期的に行っている限り、硝酸塩はある値に収束する。

実際はそれぞれの水槽で一日の硝酸塩濃度の増加量k(今回は2.14ppm)に依存する。

実際の水槽では

\(N=2kx\)

となるだろう。

実際はコケとか水草でさらに調和がとれている模様

上の計算では、単純に考えれば、

硝酸塩は3分の1水換えを定期的に行うとある値に収束する

と出ました。

実際我が家の水槽は定期的に3分の1水換えするだけでバランスが取れています。

ここからは推測になりますが、他にも硝酸塩の排出経路は存在します。硝酸塩は水中にずっととどまっているわけではないですよね。

コケが吸収したり、水草が吸収したりするわけです。

ガラスについたコケをスクレイパーで落として、それを水換えで排出すれば、単純に水中の硝酸塩を除去するより多くの硝酸塩の排出ができます。それは

コケの排出によってコケの吸収した硝酸塩が排出されるから

です。

水草も同じです。

水草が硝酸塩を体内に取り込むことで、ある意味硝酸塩が「固定」されます。

水草が伸びてきたから、水草をトリミングして排出する。

これによって硝酸塩が間接的に水槽外に排出されます。

こうして硝酸塩はさらに排出される経路があるのです。

あんまり神経質に計算しなくても、週一回3分の1水換えでそれなりの値に収束するっぽいですね。

あんまり計算することに意味はないかもしれません

結局、単純計算でも硝酸塩は週一回3分の1水換えである値に収束するようです。

単純な考え方でどう推測できるか

という知的興味を満たすだけの回になってしまいましたが、普通にやっていることが間違いではなさそうだとわかってよかったです。

同じことを疑問に思っている人もいるはず。

ただ、計算上の収束値を見ると、例えば週1回の水換えだと我が家の収束値は

N=2.14×2×7=29.96ppm

と出ました。一般に硝酸塩濃度は25ppm以下が良いらしいので、オーバーしてますね。

もうちょっと水換えの頻度を上げたほうが良さそうです。

あとは、水質に敏感な魚では定期的に測ったほうがいいでしょうね。

定期的に硝酸塩濃度を測って増えてきたら水換えして、あんまり濃度が下がらないなら短期間でまた水換え。満足する濃度まで下がったらまた時を待って、濃度を測る。そして増えてきたら水換え。

こんな感じで管理するしかないんじゃないですかね。