水槽トラブル・飼育方法

グッピーの稚魚の隠れ家はどうすればいい?おすすめ水草

水槽トラブル・飼育方法

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今回はグッピーの稚魚の隠れ家に適した水槽環境の作り方について解説します。

なおグッピーの産卵は「産仔」と呼びますが、当記事では産卵と産仔を同じ意味で使っています。

グッピーを繁殖させるために

グッピーの基礎情報をまずおさらいします。

  • 生後3〜4ヶ月で産卵可能になる
  • 年中産卵可能
  • 卵胎生
  • 産卵数:10〜30匹
  • 産卵周期:1ヶ月
  • 寿命:1〜2年
  • 産卵可能日数:3ヶ月

卵胎生と言って、稚魚が孵化してから産まれてくるので、比較的稚魚が生存しやすいです。

産卵数は初産なら10匹程度、ベテランのメスなら30匹程度と言われています。

産卵周期は約1ヶ月。一度産んだらひと月ほど次の出産までかかります。

稚魚が成魚になって産卵可能になるまで3ヶ月程度です。

なかなか繁殖しないときは以下の記事もご覧ください。また国産グッピーと外国産グッピーを混ぜると国産グッピーの死亡確率が上がる場合があるので混ぜないほうがいいです。詳しくは以下の記事をご覧ください。

グッピーの稚魚をよりたくさん生存させる方法

まずグッピーは稚魚の形で産まれてくるわけですが、親や周りの成魚は稚魚を食べてしまうので、この産まれたばかりの稚魚をいかに生存させるかというのがグッピーの繁殖のキモとなります。

なお親を何度も出産させるためには成魚もたくさん生き残らせないといけません。水槽がコケで汚いとか水換え不足で水質が悪いと成魚の死亡率が上がるので、その点も考慮してこまめなお世話が必要です。

さて稚魚の生存方法ですが主に2つの方法があります。

  • 水槽をこまめに観察して稚魚を発見次第稚魚ネットに移す
  • 産卵しそうなメスを産卵ボックスに入れて産卵を待つ

産卵しそうなメスはお腹が大きければだいたいわかると思います。ただこの方法だとメスが複数匹いたときに一匹のメスしかボックスに入れられないので、メスが複数匹いる場合ボックスの設置個数が限定されて、ボックスに入れなかったメスの子供は諦めることになってしまう可能性が高いです。

産卵ボックスなら以下の水作のものがいいでしょう。フロート機能付きで吸盤が外れてもボックスが沈まないので安全です。

というわけで、今回は水槽をこまめに観察して稚魚をネットに移す方法を中心に扱います。また番外編として放置でグッピーが次第に増える、あるいは現状の数を維持する方法も解説します。

隠れ家を作る

これが基本的な戦略になります。

隠れ家になり得るものは主に2つです。

  • 入り組んだ流木
  • 水草

流木の下なども稚魚が逃げ込める隙間になります。ただ水草のほうが入り組んだ状態になりやすいので水草をおすすめします。流木だとネットで掬うときに隙間に入られるとネットが届かないので、その点でも柔らかい水草のほうがいいでしょう。

水草による隠れ家の作り方

以下の点に注意すればそれほど難しくありません。

  • 横に広がらない種類は密に植える
  • 横に広がるなら普通に植えて増やす

例えばロタラの仲間は中心となる茎が一本上に伸びてその周りに葉っぱが生えるので、たくさん密に植えないと葉が込み合わないので密植が必要です。

ロタラの密植は以下のアクアリウスとの動画が参考になります。結構時間と手間がかかりますね。

またロタラは高光量とCO2の添加も必要なので、見た目はいいですがコストはかかります。

低コストで隠れ家を作りたいなら陰性水草が便利です。低光量でもCO2なしでも肥料なしでも成長します。

我が家ではミクロソリウムセミナローを利用しています。

45cm規格水槽に水槽の横1/3くらいのミクロソリウムセミナローが入っています。

ミクロソリウムセミナローは葉が適度に細く、成長しても縦が上30cmくらいに収まるので便利な水草です。それでいて横に徐々に広がっていきます。

成長し過ぎたら根本の太い根をハサミで切って分割することもできます。活着性のため砂利に植える必要がなく、植えずに砂利の上に置いておくだけで維持できるのもいいです。

一株購入すれば肥料とCO2がなくても低光量でも徐々に成長するので、殖やして別水槽に入れるなんてことも簡単です。

あとは流木にアヌビアスナナを活着させたものなんかも隠れ家になります。陰性水草です。

ミクロソリウムセミナローは水槽の中景から後景に植える水草なので、アヌビアスナナは前景にちょっと植えられて隠れ家になるので、そのような用途で使えます。

ミクロソリウムセミナローはちょっと高いというときは、普通のミクロソリウムでもいいです。

セミナローのほうが葉が細いので入り組んだような状態になりやすいですが、普通のミクロソリウムでもそれなりに込み合うので、予算と相談してください。

水草の量が少ないときは自然に任せず保護活動をする

上の45cm水槽の後ろ1/3くらいのミクロソリウムソリウムセミナローの場合、自然に放置していては稚魚が食べつくされて一向に増えません。

あくまであの量は一時的に親や成魚から逃げるための「時間稼ぎ」ができる量となります。

ただ水草が無い状態よりは逃げおおせる確率がかなり上がりますので、水草で時間を稼いでいる間に稚魚ネットに入れて保護してあげてください。

本水槽に稚魚ネットを入れておくとコケが生えて汚くなり、稚魚の生存率も下がっていくので、汚くなったらもう一つの稚魚ネットに交換して、その間に汚くなったネットを塩素系漂白剤で漂白します。残留塩素が心配なら、よくゆすいでからカルキ抜きをバケツに適量入れて一晩浸けてからさらによくゆすぎます。

つまり稚魚ネットは2つ準備するといいですね。

魚を掬う網も準備しましょう。小さい網がいいです。大きいと色々なものにぶつかって稚魚の逃げる速さに追いつけません。水槽の隅やガラス面に稚魚を追い込んで素早く掬ってください。

自然に任せて増やしたいならウィローモス

自然に任せて増やしたいならウィローモスが適しています。

ウィローモスには上の通常のウィローモスと「南米ウィローモス」があります。

南米ウィローモスのほうが見た目はいいのですが、稚魚の生存率が高いのは南米ではない通常のウィローモスです。

というのも、ウィローモスのグッピー稚魚飼育での利点は「完全に逃げ込める場所の確保」です。

ミクロソリウム系の水草が稚魚が食べられないための時間稼ぎしかできないのは、「隙間に成魚が侵入可能」だからです。

ところが南米ではないウィローモスの場合、かなり密に成長するので、隙間に稚魚が逃げ込むと成魚がそこに侵入できません。100%ではないですが、かなり逃げおおせることが可能です。逆に南米ウィローモスだと隙間の密度が下がるので稚魚の保護という点では通常種に劣ります。

水槽の中でウィローモスを使って水景を良くするには流木で高さを出して活着したりする必要がありますが、とりあえず稚魚を増やしたいだけなら水槽の底面の一部にポサっと置いておけば自然に増えるので、そこを稚魚の隠れ家にすれば自然に任せても稚魚を増やすことは可能です。ただ稚魚が何かのはずみでウィローモスの外に出て、パクっと食べられてしまう可能性はかなりあるので、100%稚魚を保護する方法でないのは注意してください。あくまで何割か生き残る手法です。

まとめ【稚魚の隠れ家には水草を使う】

今回はグッピーの稚魚の隠れ家をどうすればいいのか、という内容でおすすめの水草や準備するものなどを解説しました。

ちゃんと産まれた稚魚をネットでこまめに保護できるならミクロソリウム系の水草を使う、放置で徐々に増やしたいならウィローモスを使うというのが基本的な戦略になると思います。

稚魚ネットを使うときは油膜が出やすいので、本水槽と稚魚ネット双方でエアレーションするとうまくいく確率が上がります