水槽アイテム・生体紹介

グッピーに強い水流は不要【適切水流を作るフィルター構成】

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今回はグッピーと水流の強さに関する内容です。

グッピーは弱い水流で飼育しよう

金魚の中で琉金とからんちゅうという丸みのある金魚は強い水流でふらついて体力が奪われ生存率が下がります。

グッピーも同様です。

特にオスはヒラヒラした尾びれに強い水流が当たるとふらついて体力を奪われ、生存率が下がります。

そもそもグッピーの仲間の改良メダカの飼育ではヒラヒラした尾びれが無いにも関わらず、体長が小さいので強い水流でふらついて体力を奪われて弱ります。つまり同程度の大きさのグッピーのメスでも強すぎる水流はご法度です。

そのためグッピー飼育においてはフィルターや水中ポンプの水流を極力弱める必要があります。

しかしながら水流を弱めすぎると今度はフィルターのろ材を通る水の量が減るのでろ過力が落ちてそれが問題になってきます。

ここからはグッピーに程よい強さの水流を送りつつろ過を両立する方法を述べていきます。

なお水槽の酸素量が少ないと油膜が出たり魚が酸欠になったりするので、フィルターの水流を水面近くにするとか、エアレーションするとかして調整してください。

そもそもあまり水流の強さを気にしなくて良いフィルター

フィルターの中にはろ過力がそれなりで水流があまり強くならないフィルターが存在します。

なお30cm水槽という表記は30cmキューブ水槽のことを言うことにします。

外掛けフィルター

外掛けフィルターは一度汲み上げた水を広い吐き出し口から排水する仕組み上、水流が一点に集中しないので、吐き出される水の水流が強くなりにくく、グッピーも飼育しやすいフィルターです。

30cm水槽から45cm水槽くらいまでの水槽でおすすめなのが以下のテトラの製品です。

AT-50は我が家の45cmグッピー水槽でも使用している外掛けフィルターです。

流量調節ダイヤル付きで、もしグッピーが水流でふらついても水流を弱められます。まあ我が家では流量最大でもグッピーは問題なく生育していますけど。それだけ外掛けフィルターというのはグッピーに合っているんでしょうね。

また稚魚を吸い込まないために別売りのストレーナースポンジを使ったほうがいいです。

ろ過力が低い、特にろ材の量が少ないために生物ろ過に弱いと言われる外掛けフィルターですが、改造と呼ばれるリングろ材の追加などでろ過力が向上するので検討してみてください。

60cm水槽なら以下がおすすめです。

このコトブキの「Big」はとにかく大きいです。改造でリングろ材を詰めてもいいですが、重くなりすぎてガラスが割れる危険があるので、ろ過槽の半分だけ詰めるとかプラスチック系のろ材を詰めるとか工夫が必要です。以下軽量のプラスチックろ材です。

上部フィルター

上部フィルターは金魚飼育の定番のフィルターと言われていて、その利点は以下の3点がそろっているからです。

  • 水流が強くなりすぎない
  • ろ過力が高い
  • 価格が安い

ポンプで吸い上げた水が排水溝から下方向にただ落ちるだけなので、余計な水圧がかからず水流が強くなりにくいのです。

また構造が単純でろ材を多く積めるのでろ過力が高く、価格も外部フィルターに比べて安いです。

一番の欠点は「水槽の水面の半分に光が届かなくなる」という点。

水槽の上に設置する特性上水槽用ライトの光が半減されます。

ただし基本的にグッピーは中性から弱アルカリ性が適切なpHなので、弱酸性のpH前提の水草水槽にしないほうがいいため、強力な照明は不要です。

そのため上部フィルターでも特に問題ないと思われます。

なおフレームレス水槽には使える機種と使えない機種があるのでお使いの水槽がフレームレスかフレーム付きか確認してから検討しましょう。

30cm水槽の場合、使える上部フィルターは2025年2月7日の情報では、水作のブリッジフリーSのみです。

そのまま追加ろ材なしで使えます。外部フィルター用のリングろ材も詰めれば使えますが、それほど大量に入るわけではないので、そのまま使ったほうがいいと思います。ちなみにフレームレス水槽に使えます。

45cm水槽なら以下の2つがあります。

仕組みが単純なので大差ないと思います。GEXの方はスライド付きで60cmまで対応しています。GEXの方はフレームレス水槽対応です。

次が60cm水槽の場合です。

ろ材はお好みで入れましょう。GEXの方はフレームレス水槽にも使えます。

投げ込みフィルター

投げ込みフィルターはろ過力が低いと言われがちですが、適切なサイズを選べば十分使えます。

ロカボーイなら30cm水槽から60cm水槽対応のロカボーイMがおすすめです。

上の製品なら最初からパワーアップパイプが付いてきます。

パワーアップパイプは水流の方向を横にでき、水面から吐き出し口が出るように高さを調節すればかなり緩やかな水流にできます。パワーアップパイプがない場合上方向への水流ができるのですが、メダカでふらついた経験があるので、グッピーにもパワーアップパイプをつけたほうがいいと思います。

水中に吐き出し口を設定してもふらつくほどの水流にはならないです。お好みで。

もし水中に吐き出し口を持ってきたいけど水流を弱めたいというときは、水作の水作エイトにエアパイプユニットを装着すると円状に水流ができてかなり緩やかになります。

30cm水槽ならエイトコアMがいいでしょう。エアパイプユニットも装着可能です。

45cmと60cm水槽ならエイトコアLがおすすめ。エアパイプユニットも装着可能です。

30cm水槽だとロカボーイMで大きすぎて圧迫感が強いのでロカボーイSにしておいた方がいいかもしれません。

投げ込みフィルターは水槽内を多少圧迫しますが、底面がちょっと使えなくなるくらいなので、グッピー飼育ではあまり問題になることもないです。何より安価なので、低予算でグッピーを飼いたいときは検討してみてはいかがでしょうか。

またエアーポンプが必要です。出力が小さくて良いのでエアーポンプを導入しましょう。

スポンジフィルター

スポンジフィルターは投げ込みフィルター同様エアーリフト式駆動なのでエアーポンプが必要です。

また吐き出される水流も投げ込みフィルターと同程度くらいです。

スポンジフィルターには水平方向に水流を作るものと上方向に水流を作るものがあります。

基本的にどちらでもよいですが、ふらつきにくいのは水平方向のものです。理由はパワーアップパイプのところで述べた通りです。

水平方向に水流を作る30cm〜60cm水槽まで使えるスポンジフィルターは以下がいいと思います。

吐き出し口の高さのベストな位置は水面の下ギリギリくらいですが、水面の上でも下でも特に大きな問題にはなりません。ろ過力が多少変わるくらいの話です。

上方向のものは以下があります。

これ一つで60Lまで使えるので、60cm水槽まで使えます。

上方向に吐き出すタイプの利点は吸盤でガラスに貼り付けなくてよく、水槽に置くだけなので、吸盤の劣化による吸盤の定期交換が不要となり、多少コスパがいいことです。

まあ普通にエアストーンでエアレーションして上に水流がボコボコ出ていても我が家のグッピーはうまくよけているので、上方向の吐き出し口でも飼えないことはないです。あくまでより良い水流は水面の上から水流がちょっと落ちるくらいの位置に吐き出し口がある状態ということです。

吐き出される水流は強いが工夫次第なフィルター

水流が強いフィルターの代表が外部フィルターです。

30cm水槽に60cm水槽まで対応の外部フィルターを使ったりするといわゆる「洗濯機状態」になり、水流が常にグルグルする危険な水槽になります。

30cm水槽くらいなら30cm水槽用と書いてある機種を使う。45cm水槽から60cm水槽でも通常の吐き出し量では強いのでナチュラルフローパイプなどで水流を弱める工夫があったほうがいいです。

まず30cm水槽向けの外部フィルター。基本的にフレームレス水槽に使います。

アクアコンパクト2004は30cm水槽くらいに使える外部フィルターです。流量調節ダイヤル付きで水流を弱めて使うことができます。

メガパワー2045は20cm~45cmコンパクト水槽用の外部フィルターです。付属のシャワーパイプを使えば水流を弱めることも可能ですし、流量調節機能もついています。それでいて外部フィルターの中では安価な部類です。

次が45cm~60cmの外部フィルター。基本的に水流が強いのでリリーパイプと呼ばれるパイプかエーハイムのナチュラルフローパイプを使って水流を弱めます。

リリーパイプはガラス製で割れやすいのでプラスチックで割れずに使いやすいナチュラルフローパイプを使う前提で話を進めます。ナチュラルフローパイプは上に向けて使います。

なお45cm~60cm対応の外部フィルターはサイフォンの原理で通水する製品が多く、そのタイプだと水槽の下に設置しないとエア噛みと呼ばれる異音が出やすいので、水槽の横に置きたいなら横置き対応外部フィルターを導入しましょう。

45cm~60cm水槽おすすめの外部フィルターはエーハイムのエココンフォート2232です。横置き不可です。ナチュラルフローパイプを取り付け可能です。

これはエーハイムの定番の2213よりはお高いのですが、呼び水が別売りポンプが無くても本体だけで可能となっており、より使いやすくできています。

また2232は2213には無い「二つのろ材コンテナ」が付いています。コンテナが二つあることで各コンテナに別々のろ材を詰めやすくなっています。2213はコンテナが一つだけなので、層状にネットに入れて各ろ材をギュッと詰めることになるのですが、リングろ材が圧縮で崩れる可能性が多少あります。

なお多少の不便はいいからより安い2213でいいというときはそれで充分です。ナチュラルフローパイプも取り付けられます。横置き不可です。

リングろ材は最初から付いてくるわけではないので、以下の記事で探してみてください。

次のおすすめがGEXのメガパワー6090。

横置き可能です。またナチュラルフローパイプに相当する拡散吐出口と呼ばれるパーツが最初から付いてくるのでナチュラルフローパイプを購入する必要がありません。

使い方次第で水流が強くも弱くもなるフィルター

使い方次第で水流が強くも弱くもなるのが水中フィルターと底面フィルターです。

これらは基本的に同じメーカーでそろえると連結出来て、ろ過力が相当アップします。

まずは水作を見ていきます。

30cm水槽用です。

底面フィルターにするならソイルか大磯砂などの砂利を使います。砂は3cmの厚さに敷くとして30cm水槽なら1.6kg程度、45cm水槽なら2.4kg程度、60cm水槽なら3.2kg程度あればいいです。

ソイルは定期的に交換が必要ですが、グッピー用のソイルを使えばグッピーに適した中性から弱アルカリ性の水質にできるので、底面フィルターとの相性も良いでしょう。

以下はグッピー専用ソイルであるブルカミアGです。

お高いですがグッピーと底面フィルターという組み合わせでは相当活躍します。

エアーポンプは弱いものでいいです。後述する水中フィルターと連結しないなら用意しましょう。

もしソイルを使わないなら安価な大磯砂を使いましょう。

大磯砂を使うときは内容物の貝殻が水質を中性から弱アルカリ性にする作用があるので、弱酸性になりにくくていいのですが、貝殻が溶け切ってしまうと急に酸性に傾くので、その場合は石を入れましょう。

我が家では気孔石でpH7位を維持しています。

さて、水中フィルターとの連結ですが水作の30cm水槽ならパワーフィットプラスSがいいでしょう。

エアーリフト式でもいいじゃないかと思うかもしれませんが、グッピー水槽での最大のメリットは「エアーポンプより動作音が小さい」という点です。寝室だとエアーポンプの「ブーン」という音は結構気になります。

フィルター内の水の流れが水中で完結するので水草水槽に適した構成ではありますが、これが効果的なのはCO2を添加する場合だけです。基本的にグッピーとCO2添加は相性が悪いです。なのでCO2が逃げる逃げないは気にしなくていいです。

なお水中フィルターで吐き出し口からシャーっと水が出てきたら水流が強すぎるのではないかと思うかもしれませんが、シャワーパイプも付いてきて水流を分散できますし、流量調節ダイヤル付きで水流の強さもコントロールできますし、そもそもの吐出し量が3L/分くらいなので、これは外掛けフィルターのAT-50が5L/分くらいですので十分小さい流量です。水流の強さはクリアしていると考えられます。

次が45cm水槽と60cm水槽。ボトムフィルターMが良いでしょう。

水中フィルターとの連結ですが30cmのところで紹介したパワーフィットプラスSで十分です。

次がGEXとなりますが、原理は水作の底面フィルターと同じなので構成を紹介するだけにします。

30cm用。

45cm~60cm用。水中フィルターはコーナーパワーフィルター1を使用。

最後に「じゃあ水中フィルターだけでいいのでは?」という需要にフィットする水中フィルターをご紹介して終わります。

一番ろ過力が高くてろ材の選択肢が多いのは水作のパワーフィットL2ですね。

これを買うだけで60cm水槽まで対応しています。水流が強いときは流量調節ダイヤルも付いています。それでも水流が強いならシャワーパイプをガラス側面に向かってぶつければ十分でしょう。

もし付属のろ材では足りないと感じても「専用ろ材ケース」付きで例えばエーハイムのサブストラットなどを詰めることができます。

1Lだとろ材がかなり余るので、外掛けフィルターの改造に使うくらいの少なめのろ材にしてもいいです。

なお30cm水槽で水中フィルターを使えればいいというときは、水作のパワーフィットプラスSを底面フィルターと連結させずに単品で使えば十分です。

まとめ【外部フィルターと水中フィルター以外は何使ってもOK】

今回はグッピー飼育に適した水流を作るフィルターをご紹介しました。

基本的に外部フィルターと水中フィルター以外なら普通に使えばいいですし、もしそれらを使いたいなら多少の工夫と、適切な機種・オプションパーツを選べば特に問題ありません。

我が家の45cmグッピー水槽は改造した外掛けフィルターです