水槽アイテム・生体紹介

グッピー水槽に敷く底砂は何がいい?【グッピー専用ソイルもある】

水槽アイテム・生体紹介

[PR]当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

今回はグッピー水槽の底砂は何がいいのかという話題に関する解説です。

グッピー基本情報

グッピーの基本情報として以下を頭に入れましょう。

  • pH:中性〜弱アルカリ性
  • 水温 → 20~28度

その他繁殖に関しては以下の記事で解説しています。

水草を入れたいなら以下の記事で解説しています。

またグッピーは強い水流だと体力を奪われてよくないので、弱めの水流で飼育しましょう。おすすめのフィルターを以下の記事にまとめてあります。

今回の記事は「底砂」「底床」に関する内容です。

なお底砂の基本情報として砂を3cmの厚さに敷くとして30cmキューブ水槽なら2.7L程度、45cm水槽なら3.6L程度、60cm水槽なら5.4L程度あればいいです。

また1cm程度の厚さで良いならその1/3量となり、30cmキューブ水槽なら0.9L程度、45cm水槽なら1.2L程度、60cm水槽なら1.8L程度あればいいです。

「L」ではなく「kg」表記の場合は以下のように計算します。ソイルの場合です。

成型方法が違うので一概に言えないのですが、我が家のソイルを計量カップで測ってみたところ、100mLで95gでした。つまり1Lでは950g程度つまり0.95kgということになります。この値を基準に考えます。

つまりLからkgに直すには0.95を掛ければいいので、3cmの厚みで30cmキューブ水槽なら2.5kg、45cm水槽なら3.4kg、60cm水槽なら5.1kg程度あればいいでしょう。

また大磯砂の場合は3Lで5kgとあるので、1Lでは約1.7kgです。

つまり3cmの厚みに敷くとして、3cmの厚みで30cmキューブ水槽なら4.5kg、45cm水槽なら6.1kg、60cm水槽なら9.1kg程度あればいいでしょう。1cmなら1/3にしてください。

ソイルと大磯砂の比重の元データは以下の記事を書いたときのデータです。

3cmの厚さが必要なのは底面フィルターを使う場合だけです。それ以外のフィルターなら1cm程度の厚さでよいです。

また繁殖を狙うなら24℃程度必要です。生育可能温度は20℃からですが、その温度帯では繁殖しません。

底砂選定で重要なのは「pH」

普通の熱帯魚は弱酸性から中性付近のpHを好みます。だから水質を弱酸性にするソイルを入れてもいいし、水質に影響を与えない大磯砂などの砂利や田砂などの砂系の底砂を使えます。

ただグッピーの特徴として中性から弱アルカリ性を好むので、普通にソイルを使うと弱酸性になってしまい、しかもpH緩衝能という性質からpHが弱酸性から動かなくなります。

つまりソイルを使うと石やサンゴを入れてアルカリ性にしようとしてもなかなかならないわけです。

そのためpHに影響の少ない大磯砂や田砂などがグッピー水槽の底砂の候補になってきます。これらの底砂とカルキ抜きした水道水を利用すると水道水のpHは中性であることが多いので飼育水も中性付近になりやすいのです。

中性から弱アルカリ性にするソイルは無いのか

ソイルはグッピーと相性が悪いと述べましたが、それは弱酸性にpHを固定するからでした。

では中性から弱アルカリ性に固定するソイルは無いのかという話ですが、高級なグッピー向けのソイルというものが実はあります。

それがブルカミアGです。

これは中性から弱アルカリ性にするタイプのソイルです。

またpH緩衝能があるので、エサの硝化でpHが下がっても下げ止まると思われます。つまりソイルの効果が続いている限りpHをあまり気にしなくてよいのです。一般にソイルの寿命は1年くらいと言われているのでそのくらいで交換となります。

寿命を迎えたソイルを使い続けると、イオン交換がなくなるので硝酸イオンやリン酸イオンも吸着しないですし、pHの調整機能もなくなります。それでもソイルをただの能力のない砂利と考えて水換えをちゃんとやればさらに長期間ソイルを使うことは原理的に可能ではありますが、このグッピー専用ソイルの最大の売りであるpHを中性から弱アルカリ性に固定する能力がなくなるので、交換するのを推奨します。

大磯砂を選択したらどう使う?

大磯砂は安価でpHにあまり影響がない底砂として使いやすいです。ソイルと違って粒の崩れも無いしイオン交換能力もないので相当長期間使い続けられます。つまり「能力はないけど維持管理が楽」な底砂です。

ただ基本的に貝殻のかけらが含まれているので、それがpHをアルカリ性に傾けます。

そのアルカリ化効果を測るためにたまにpHを測ったほうが安全です。可能性としてアルカリになりすぎることが考えられます。貝殻の量を定量化して予測するのが結構難しいのです。

農業用のpH試薬は色の変化が見やすいですし安価なので使いやすいです。

ただ貝殻が溶け切るとアルカリ成分がなくなってpHが硝化の作用で下がり始めるので、pHが酸性に傾くのが早くなったら(pHが6くらいに簡単に下がるなら)石やpH調整機能のあるセラミックろ材などを投入するほうがグッピーに適したpHを維持できます。

我が家では大磯砂に気孔石を使ってpHを7くらいに維持しています。ボロボロ崩れるので扱いは慎重に。

それ以外の方法としてはろ材にpHを中性から弱アルカリ性に調整してくれるものがあります。

このろ材はpHが降下しそうになるとそれを抑制する働きがあり、放っておくと硝化でpHが下がるのですが、それを抑制して長期間pHを中性から弱アルカリにする効果があります。

こうしたろ材を外掛けフィルターや外部フィルター、上部フィルターや水中フィルターに入れておけばpHをグッピー向けに調整してくれるでしょう。

田砂などの砂系

田砂などの粒の細かい砂も大磯砂同様水質にあまり影響を及ぼさないのでおすすめの底砂です。

底面フィルターとの相性は粒が細かすぎて良くないのですが、底面フィルター以外のフィルターを選べば問題ありません。

一番使いやすいのが田砂です。

色味と粒の重さと大きさがちょうどよいです。

ただ人気がありすぎて欠品していることがあるので、そのときは代替品を使うといいでしょう。ボトムサンドも定番の砂です。

もう少しおしゃれな大磯砂は無いのか

大磯砂より多少水槽の見栄えが良くなると言われているのが黒系の砂利。

砂利の一粒一粒が丸みを帯びており、角が取れているので、もしグッピーが底砂に痒がって体を擦りつけても安心です。

ただ石の宿命としてpHを上げる作用があるようで、多少pHが上がるようです。

以下アクアリストの検証動画です。pHが一晩で7から7.5に上昇したという結果でした。

ただグッピーは中性から弱アルカリ性がいいので、あまり問題にはならないと思います。

底砂と水草の相性

グッピーを飼育するにあたり、考えなければいけないのが「水草」です。

過去記事でグッピー水槽に適した水草を解説しました。

中性から弱アルカリ性に対応可能な水草というのはほとんどが低照度・低CO2環境で生育する陰性水草か、陰性ではないけど強い光やCO2が不要な水草です。

つまり上で紹介した大磯砂・砂系・グッピー専用ソイルでも植えてさえあれば成長します。

特に大磯砂とソイルは普通に植えて大丈夫です。その場合植える深さが必要なので3cmくらいは底砂の厚みをもたせましょう。

また砂系は植えるのは難しいです。ひと粒が軽いので植えてもグラグラしてしまい、根を張ってもすぐ抜けてしまい水草には過酷な環境になります。

ただ砂系でも陰性水草なら植えずに砂の上にポンと置いておくだけで成長しますし、石などに活着させることもできるので、砂の上に石や流木に活着させた陰性水草を設置すれば水草を導入することができます。もちろん活着させずにポンと砂の上に置いただけでもいいです。

基本的に何を植えればいいかという話は上のグッピー水槽用の水草の記事を見てみてください。ここでは砂系に導入できる水草を3点ほどご紹介するにとどめます。

ただ以下の水草の商品リンクはcharmの商品のページに飛ぶんですが、特にAmazonで販売業者がデフォルトでcharm以外の販売者になっているので、多少割高でもcharmを出品者に設定したほうが間違いは少ないです。charmの商品はcharmで買った方がいいでしょう。

ミクロソリウムセミナローは我が家のグッピー水槽でも使っている使いやすい陰性水草です。活着します。

基本的に大磯砂の上に植えずに放置して増やしています。

アヌビアスランケオラータは背丈が30cm程度まで成長する陰性水草です。後景用に使います。活着します。

アヌビアスナナはpH7.5まで対応する育成も簡単な陰性水草です。流木に活着させて前景にポンと置いておけば稚魚の一時的な隠れ家になりますし、前景を埋めるのに使えます。ただ陰性水草なので生育は遅いです。特に黒髭コケが生えやすく、サイアミーズ専用水槽を作るか、小さめのバケツなどに3倍に薄めた酢を入れてそこに浸すと枯れるので水槽に戻せば次第になくなっていきます。

追記:酢の扱いに注意

酢には抗菌作用とpH低下作用があるので、入れすぎると水槽のバクテリア死滅、魚がパクパク状態で大惨事となることがあります。

特に酢を直接黒髭コケにスポイトで吹きかけるとこの失敗が起きやすいので、酢を直接黒髭コケに吹きかけるのはやめましょう。

また酢を利用して黒髭コケを石やスポンジから除去しても酢が付着しているので、それが水槽に漂うといいことはほぼありません。なので酢を利用したものを水槽に戻したら水換えをしてください。

大磯砂を使っていたら砂に黒髭コケが大繁殖するんだけど…?

大磯砂を長期間使用していると黒髭コケがかなり生えてきます。これはソイルでも見られる現象です。

ソイルなら交換すればいいですが、コストもかかります。大磯砂は長期間使い続けられるからいいわけで、交換しては本末転倒です。

そこで我が家でやっている方法をご紹介します。

  • 黒髭コケが生えている砂の表面を5mmくらい魚用ネットですくう
  • それをタライや大きめの計量カップ、小さめのバケツなどに入れる
  • 3倍に薄めた酢を投入して浸す
  • 半日くらい経って黒髭コケが枯れたらバケツの酢を新しい水と交換して砂をゆすぐ
  • 本水槽に戻して砂を平らに均す

食酢には有害物質も入っていないですし、多くは酢酸のCH3COOHなので、分解されても二酸化炭素と酸素と水くらいにしかならないので、多少酢が大磯砂に残っていてもたいした問題になりません。酢で浸してから半日くらい経ったら新しい水で酢の付いた大磯砂を洗えば問題は無いでしょう。我が家でもやっていますが大きな問題は出ていません。

以前黒髭コケの除去方法として「埋める」という手法を紹介したのですが、これだと「点」で対処するのでどうしても黒髭コケが多少残ります。上の魚用ネットですくう方法なら「面」で黒髭コケを除去できるのでより確実に除去出来ておすすめです。

まとめ【グッピー水槽に敷く底砂はpHを意識する】

今回はグッピー向きの底砂を紹介しました。

植えたい水草などを考えてからpHを意識した環境を作ればおのずと何を選択するかは決まってくるでしょう。

初心者の方はあまり水質に影響がない大磯砂あたりからチャレンジするといいですよ