低予算維持のコツ

低予算アクアリウムの藍藻と黒ひげゴケ対策

低予算維持のコツ

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はじめに

今回の内容を動画にまとめました。

よろしければご覧ください。

以前の記事で述べた黒ひげゴケと藍藻への対策は次のようなものでした。

  • リン酸態リンを減らす(リン酸除去剤)
  • カリウム添加で水草の育成を強める
  • 水換えする
  • pHの上昇に気をつける

>黒ひげゴケと藍藻とリン酸の関係〜水換え・カリウム添加の必要性

これを実現するには

  • カリウム液肥の定期的な添加
  • リン酸除去剤の定期的な投入

が必要です。

低予算アクアリウムでは予算も限られています。

またたくさん水槽を運営すればそれら添加する用品の購入費が雪だるま式に増えていきます。

そのため液肥や除去剤を購入するのは現実的ではありません。

我が家の水槽ではカリウム液肥もリン酸除去剤も使っていません

それでも黒ひげゴケや藍藻には悩まされていません。

これがなぜなのかということを今回はお話します。

低予算アクアリウムでの黒ひげゴケと藍藻対策

結論から言うと次のような対策となります。

  • 低pHで維持
  • サイアミーズフライングフォックスを投入
  • フィルターの筒や水流のあるところを水換えのたびに歯ブラシで磨く

たいしたことをやっていないようですが、これでもなんとかなっています。

しかし以前このブログで黒ひげゴケと藍藻について調べた結果、意外にこのやり方は理にかなっているようだ、と気づきました。

ここからはそれぞれの方法の利点について述べていきます。

低pHで維持

藍藻はpHが低い環境に弱いです。

>黒ひげゴケと藍藻とリン酸の関係〜水換え・カリウム添加の必要性

そのためpHが低ければ藍藻の繁殖を阻害できる可能性があります。

我が家の水槽のpHを実際に測ってみました。

測ったのはこの水槽。

試薬で測ってみると

だいたいpH5.25くらい。

これがどのくらいの値なのか次の情報を参考にします。

液性 pHの範囲

酸性 pH < 3.0

弱酸性 3.0 ≦ pH < 6.0

中性 6.0 ≦ pH ≦ 8.0

参考:鈴研株式会社, 「pHとは?」, 閲覧日:2023-02-08.

測った値は弱酸性のようです。

酸性環境が効く

我が家の水槽は酸性環境なので藍藻が出現していないのでしょう。

というか酸性環境くらいしか、藍藻に不利な条件が見当たらないのです。

水槽の中はリン酸が蓄積されていきます。

>黒ひげゴケと藍藻とリン酸の関係〜水換え・カリウム添加の必要性

ある水性植物が吸収する窒素・リンの比は約4です。

窒素がリンの4倍早くなくなります

また魚用フードの中身は魚粉で、魚粉に含まれる窒素とリンは同程度です。

つまりリン酸がどんどん水槽に蓄積されます。

藍藻は窒素が少なくリン酸が多い環境で優位に立ちます。

つまり普通に魚を飼育していくと自然と藍藻に都合の良い環境になっていくのです。

我が家の水槽にもリン酸が多く蓄積していることでしょう。

しかし藍藻は出ていない

これはやはりpHが低いからだと思います。

pHが自然と下がっていくことに関してまとめました。

よろしければご覧ください。

>硝酸イオンが増えるとpHが下がる化学的理由〜アンモニウムイオンの分解や酸性雨との比較

自然にpHが下がるのを待てばいい

水槽のpHは自然に下がっていくので、水換えをやりすぎず、週一回3分の1くらい新しい水に交換するだけで、低pHを維持できます。

魚も弱酸性くらいなら生存できる魚が多いので、pHを下げすぎないように水換えで調整すれば藍藻対策ができます。

サイアミーズフライングフォックス

黒ひげゴケは窒素とリン酸が多い環境で増えると考えられます。

また水槽ではカリウムが不足しがちです。

>黒ひげゴケと藍藻とリン酸の関係〜水換え・カリウム添加の必要性

カリウムが足りないので水草の成長が阻害され、なかなか窒素とリンを消費してもらえないため、黒ひげゴケが増えます。

カリウムを添加せずに水槽を普通に維持していけば、おのずと黒ひげゴケは増えます

かといってカリウム液肥は高い。

水槽を2つ維持すれば2倍、3つ維持すれば3倍液肥を消費するので、経済的にどんどん大変になっていきます。

私はもう黒ひげゴケを水質でなんとかすることは諦めました

それよりも水槽に一匹サイアミーズを入れたほうがいいです。

サイアミーズは黒ひげゴケを食べます。

水草に付着した黒ひげゴケは手では取りにくいですが、サイアミーズならそういう部分の黒ひげゴケも食べてくれます。

とりあえずサイアミーズを入れておけば、水がある空間の黒ひげゴケはなんとかなります。

液肥を入れるよりサイアミーズを入れたほうが安くて確実です。

フィルターの筒や水流のあるところを水換えのたびに歯ブラシで磨く

水槽の中はサイアミーズが食べてくれるのですが、スポンジフィルターの筒や、外掛式ろ過器の水が落ちる部分などは食べてくれません。

そういう部分は週一回の水換えのときに、歯ブラシで物理的に除去します。

毎週やっていればそれほど黒ひげゴケは増えません。

月一回とかで一度にやろうとするから、強く根を張った黒ひげゴケを相手にしなければいけないのです。

こまめに歯ブラシをかけることで黒ひげゴケのない空間が維持できます。

これで水槽のほとんどの部分は対策が取れます。

またメンテナンス性と低予算性を満たすようなフィルターについてもまとめました。

よろしければご覧ください。

まとめ

以上のように、

  • 低pHで維持
  • サイアミーズフライングフォックスを投入
  • フィルターの筒や水流のあるところを水換えのたびに歯ブラシで磨く

この対策で低予算でも黒ひげゴケと藍藻の対策ができます。

様々な効果がある試薬は存在しますが、低予算でアクアリウムをするなら、今回のような対策もアリではないでしょうか?

あ、最後に一言。

水換えはちゃんとやってくださいね